ClaudeとOpenAI、どちらを選ぶか|API・料金・エージェントの最新比較

100万トークンあたり何ドル、では実感が湧きません。「A4資料10枚を要約する1回あたり何円か」に直して、ClaudeとOpenAIの各モデルと3年間の値段の推移を並べました。

「ClaudeとChatGPT、どちらを使えばいいですか」。よく聞かれる質問ですが、2026年のいまはどちらが上かよりどこで使い分けるかのほうが答えとして役に立ちます。両社とも層の分かれたモデル群を出し、料金の構造もよく似た形に近づいてきたためです。

ここでは2026年7月末時点の公式情報で並べます。数字は各社の公表値で、為替や改定で変わります。判断に使う前に、必ず最新の料金ページで確かめてください。

1. 結局、1回いくらなのか

各社の料金表は「100万トークンあたり何ドル」で書かれています。ただ、これでは高いのか安いのか、まるで実感が湧きません。

そこで、同じ仕事を全モデルにやらせた場合の1回あたりの金額に直します。条件は「A4資料10枚ぶん(約1万字)を読ませて、2,000字の要約を作る」。1ドル150円で計算しています。

モデル 提供元 1回あたり 100万トークンあたりの単価
Claude Fable 5 Anthropic 約30円 入力10ドル/出力50ドル
GPT-5.6 Sol OpenAI 約17円 入力5ドル/出力30ドル
Claude Opus 5 Anthropic 約15円 入力5ドル/出力25ドル
GPT-5.6 Terra OpenAI 約7円 入力2ドル/出力12ドル
Claude Sonnet 5 Anthropic 約6円 入力2ドル/出力10ドル(導入価格)
Claude Haiku 4.5 Anthropic 約3円 入力1ドル/出力5ドル
GPT-5.6 Luna OpenAI 約0.7円 入力0.20ドル/出力1.20ドル

上から下まで、およそ40倍の開きがあります。要約1回に30円払うか0.7円で済ませるか。月に1万件流すなら、30万円と7,000円の差です。どのモデルを選ぶかは、性能の話である前に桁の話だと分かります。

ひとつ注意を。Claude Sonnet 5の「2ドル/10ドル」は導入価格で、2026年8月31日までです。9月1日からは入力3ドル・出力15ドルに戻り、1回あたりは約9円になります。試算を作るなら9月以降の数字で置くほうが安全です。

2. 3年前と比べると、どれくらい変わったか

では、この値段は昔と比べて安いのでしょうか。同じ条件(A4資料10枚を読ませて2,000字に要約)で、歴代モデルを並べます。

時期 モデル 1回あたり
2023年 GPT-4 約63円
2024年 GPT-4o 約7円
2025年 GPT-5 約5円
2026年4月 GPT-5.5 約17円
2026年7月 GPT-5.6 Luna 約0.7円

Claude側も同じ方向です。最上位はClaude 3 Opusから Opus 4.1 まで長らく約45円でしたが、Opus 4.5以降は約15円。3分の1になりました。

下がったのは「床」で、「天井」は上がっています

表をよく見ると、単純な右肩下がりではないことに気づきます。フラッグシップの値段は2025年のGPT-5(約5円)で底を打ち、そこから3倍以上に戻っています。Anthropicも2026年6月に、Opusより上の段としてFable 5(約30円)を新設しました。

つまり、この3年で起きたのは値下げというより幅が広がったことです。

  • 床は下がった。そこそこ賢いものを大量に流す値段は、3年で90分の1になりました
  • 天井は上がった。もっと難しい問題を解けるモデルが、もっと高い値段で登場しています

「安くなったから今こそ導入」でも「値上がりしたから待つ」でもありません。自分の仕事がどの段でいいのかを決められた会社から、費用が下がっていく。そういう構図になっています。

それでも請求額が下がらない理由

単価は90分の1になったのに、月々の請求は下がっていない。実際、そういう声のほうが多いはずです。理由は3つあります。

  • 考える工程が増えた。いまのモデルは答える前に長く考えます。この考えた分も出力トークンとして課金されます
  • 1回の依頼が、1回の呼び出しで終わらなくなった。エージェントとして動かすと、1つの依頼の裏で数十回やり取りします
  • 同じ文章のトークン数が増えた。次の節で詳しく触れます

単価が10分の1でも、使う量が20倍なら請求は2倍です。安くなったぶんをどう使うかが、そのまま費用対効果の差になります。

3. 単価表だけでは比べきれない理由

ここは見落としやすいところなので、独立させます。同じ文章でも、モデルによってトークン数が違います。

Anthropicは、Claude 4.7以降のモデル(Opus 5、Sonnet 5、Fable 5を含む)で新しい方式を採用しており、公式には同じ文章でおよそ30%多いトークン数になると説明されています。つまり単価が同じでも、実際の請求は変わります。

比較するなら、単価ではなく「自社の代表的な処理1件あたりいくらか」で。両方のAPIに同じ入力を投げて、返ってきたトークン数と時間を記録する。それが一番確実です。

ベンチマークの数字も同じ扱いが安全です。両社とも自社に有利な条件の結果を公表しますし、測定条件も一致しません。自社の仕事に近いサンプルを20件ほど用意して両方に通したほうが、公開スコアを読み比べるより早く結論が出ます。

4. 節約の仕組みは、ほぼ同じ形に近づきました

キャッシュとバッチという2つの節約手段は、いまや両社ほとんど同じ設計です。

項目 Anthropic OpenAI
キャッシュ書き込み 通常入力の1.25倍(5分保持)/2倍(1時間保持) 通常入力の1.25倍(最低30分保持)
キャッシュ読み出し 通常入力の10% 通常入力の10%(90%割引)
バッチ処理 入出力とも50%割引 入出力とも50%割引
コンテキスト 100万トークン(追加料金なし) 約105万トークン

どちらも一度書いて何度も読む構成でこそ効きます。書き込みに料金がつくため、読み出しが1回しかない使い方ではキャッシュしないほうが安いこともあります。

5. 開発の現場に置く道具:Claude CodeとCodex

APIそのものより、日々の差が出るのはこちらかもしれません。両社とも「手を動かすAI」を製品として出しています。

観点 Claude Code Codex(ChatGPT)
使える場所 ターミナル、VS Code、JetBrains、デスクトップアプリ、ブラウザ、スマホ CLI、IDE拡張、Web、GitHub、統合されたデスクトップアプリ
含まれるプラン Pro、Max、Team、Enterprise 無料版から利用可(上限あり)。Plus以上で拡大
並行作業 サブエージェントが既定でバックグラウンド。入れ子は深さ3まで、同時20体まで ultra設定で既定4体を並行
留守中の実行 ルーティン(Anthropic側サーバーで動く)、デスクトップの定期タスク スケジュール済みタスク
開発以外の姉妹製品 Claude Cowork ChatGPT Work

方向はよく似ています。違いが出やすいのは置き場所の広さ外部ツールのつなぎ方です。Claude Code側はどのサーフェスでも同じ設定とプロジェクト指示書を引き継ぐ設計、ChatGPT側はプラグインでSlackやMicrosoft 365、Google Driveといった業務システムを束ねる設計に寄っています。

それぞれの詳細はClaude Codeの最新アップデートChatGPTの最新アップデートにまとめました。

6. 自分でエージェントを作る場合

APIから組む場合の考え方も、少し違います。

  • Anthropic:エージェントの実行そのものをサーバー側に持たせる仕組み(マネージドエージェント)があり、実行環境も一緒に提供されます。ループの管理やファイル操作を自前で持たない選択ができます
  • OpenAI:Responses APIに、モデルが小さなプログラムを書いてツールをつなぐ機能と、複数のサブエージェントを並行させる機能(ベータ)が入りました。往復と中間データを減らす方向です

どちらも狙いは同じで、ツールを呼ぶたびの往復を減らすことです。往復はトークンと時間の両方を食うので、ここは費用に直結します。

7. 速さを買う仕組みも、名前まで揃いました

偶然というより収斂だと思いますが、両社とも「Fast mode」という名前で、おおむね2.5倍の速さを2倍の料金で提供しています。AnthropicはOpus 5とOpus 4.8で研究プレビュー、OpenAIはSolで、従来のPriority Processingを置き換える形です。

対話型の画面では効きますが、夜間バッチに速さを買う理由はあまりありません。ここも工程ごとの判断です。

8. 定額プランで比べる

APIを使わず、定額プランだけで済む業務も多くあります。表示通貨は各社の公式サイトに合わせています。

プラン帯 Anthropic OpenAI
無料 Free(Claude Codeは含まれません) 無料版(Workは制限付きで利用可)
入門 Go 月1,400円
標準 Pro 月20ドル(年払いは月17ドル)。Claude Code込み Plus 月3,000円
上位 Max 月100ドルから(利用量5倍・20倍) Pro 月16,800円から(利用量5倍・20倍)
法人 Team 月25ドル/人(年払い20ドル)、Enterprise Business、Enterprise(2名から)

プランを選ぶうえで見落としやすいのが枠の数え方です。どちらも、長時間働くエージェント的な使い方は通常のチャットより多く消費します。Anthropic側は5時間ごとの枠と週ごとの枠、OpenAI側はタスクの重さに応じた消費です。定額だから使い放題、という前提で組むと、月末に足りなくなることがあります。

9. では、どう決めるか

費用対効果だけで一意に決まる場面は、実はあまりありません。判断の材料になりそうな軸を挙げます。

  • すでに社内で使っている道具に寄せる。教育コストと運用ルールの整備が、いちばん重い費用です
  • 大量処理の単価が効くなら、下の層を比べる。2026年7月末時点では、最安層はLunaが頭ひとつ安い状況です
  • Microsoft 365やSlackとの連携が中心なら、プラグインで束ねる形が近いはずです
  • 長時間の自律作業やコード中心なら、置き場所の広さと並行実行の設計を見比べてください
  • 両方使う、も普通の選択です。工程ごとに使い分けている会社は珍しくありません

そして何より、3か月で状況が変わります。この記事の数字も7月末時点のものです。切り替えられない作り方(特定のモデルに深く依存した実装)を避けておくことが、いまいちばん効く保険かもしれません。


まとめ:比べるのは会社ではなく、工程

ClaudeとOpenAI、どちらが優れているか。この問いは、答えが出たそばから古くなります。代わりに自社のどの工程に、どれだけの品質が要るのかを先に決めておくと、モデルが入れ替わっても判断はぶれません。

その工程が何人分の仕事なのかを出す手順は業務の棚卸しのやり方に、どれから手をつけるかはAIで減らす業務の選び方にまとめてあります。OpenAI API側の詳細はOpenAI APIの最新状況をどうぞ。

測れれば、減らせます。

その工程が何人分かを手早く出すならAI活用診断が使えます。APIを自前で叩く前に、既製の仕組みで足りるかどうかを見ておきたいときはツール・事例の一覧もどうぞ。

この記事を書いた人
MONOSASHI 編集部
「測る」メディアの編集部。システム開発・AI・DXの実務知識を、現役エンジニアと元発注担当の視点で、判断に効く形に編集しています。
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