所得向上補助金
和歌山市内で製造業や卸売業、倉庫業などを営む法人が、機械や器具備品を購入するときに、その費用の5%または10%(上限500万円)を市が補助する制度です。従業員の賃金を上げる方針を表明することが条件で、表明する引き上げ幅によって補助率が変わります。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
設備を入れて生産性を高め、その分を従業員の所得(賃金)に回してもらう、という組み立ての制度です。市内の事業者が設備を購入した費用の一部を市が補助します。令和8年4月1日から補助率が引き上げられ、最大10%になりました。
補助の対象になるのは、事業に使う設備のうち、償却資産として申告する「機械及び装置費」と「工具、器具及び備品費」です。市の例示はコンプレッサー、洗車機、電動移動ラック、食肉スライサー、空調設備、塗装用機械、天井クレーンなど。設備そのものの購入費に絞られた制度で、ソフトウェアや広告費、人件費といった費用は対象として挙げられていません。また、購入費用の合計が250万円以上であることが要件になっているため、小さな買い足しでは使えません。
補助率は賃上げの表明で変わります。1%以上の賃上げを表明した場合は購入費用の5%、3%以上を表明した場合は10%です。表明の中身は、市内の設備導入事業所に勤務する従業員の平均賃金額を、申請時点の直近決算時と比べて翌々事業年度までに1%以上向上させる方針を、従業員に対して示すこと。人員の削減を目的とした設備投資は対象外とされています。
進め方で注意が要るのは順番です。設備の導入前に市から交付決定を受ける必要があり、交付決定より前に導入した設備は補助対象になりません。受付期間は令和8年4月1日から令和8年12月28日必着ですが、締切日にかかわらず予算に達した時点で受付は終了します。実績報告の提出期限は令和9年2月末日(制度概要チラシでは令和9年2月26日と記載)で、これを過ぎると補助金が支払われません。
他制度との関係も先に確認しておきたいところです。和歌山市の他の補助金制度とは併用できません。市以外の補助金についても併用できない可能性があるとされ、まず相談するよう案内されています。ただし、中小企業等経営強化法に基づく先端設備等導入計画については併用可能とされています。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 1%以上の賃上げを表明 | 上限500万円 | 5% | 補助対象設備(機械及び装置費、工具・器具及び備品費)の購入費用 |
| 3%以上の賃上げを表明 | 上限500万円 | 10% | 補助対象設備(機械及び装置費、工具・器具及び備品費)の購入費用 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
この制度は補助金ではなく、設備の割賦販売・リースです。実施機関が設備を購入し、長期・低利で分割提供します。まとまった初期投資をならして、月々の負担で導入できるのが特徴です。
上限500万円
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:「機械及び装置費」が補助対象設備として明記されています(例:コンプレッサー、塗装用機械、天井クレーンなど)
- パソコン・周辺機器:「工具、器具及び備品費」が対象ですが、償却資産として申告する設備に限られます。例示は生産・現場の機器が中心で、機器ごとの可否は事前に相談が必要です
- ソフトウェア・クラウド:補助対象設備は、償却資産として申告する機械及び装置費と工具・器具及び備品費に限られ、ソフトウェアは挙げられていません
- 店舗改装・内装工事:対象は設備の取得費用で、建物の改修工事費は補助対象設備として挙げられていません
- 車両・運搬具:対象は機械及び装置費と工具・器具及び備品費で、車両は挙げられていません
- 外注・委託:対象は設備の購入費用で、外注費は補助対象として挙げられていません
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、和歌山市内で食品加工をしている会社が、手作業で回していた工程に食肉スライサーと電動移動ラックを入れる、といった使い方が考えられます。棚の出し入れや切り分けにかかっていた時間が減れば、その分を検品や出荷準備に回せます。制度の要件が「人員の削減を目的としないこと」なので、人を減らすためではなく、いまの人数でこなせる量を増やすための投資、という位置づけになります。
金額の感覚もつかんでおきたいところです。設備の購入費が合計300万円だとすると、3%以上の賃上げを表明した場合は10%で30万円、1%以上なら5%で15万円が補助されます。自己負担はそれぞれ270万円、285万円。補助率の幅は小さいので、この制度だけで投資判断をするというより、もともと予定していた設備投資の負担を少し軽くする制度として見るほうが実態に合います。逆に、購入費の合計が250万円に届かないと申請できない点は先に確認が必要です。
進める順番も金額と同じくらい大事です。交付決定より前に発注・導入してしまうと対象外になるので、機種と見積もりが固まった時点で相談し、決定を待ってから発注する流れになります。市の他の補助金とは併用できないため、複数の制度を検討している場合は、どれを使うかを先に決めておくと手戻りがありません。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 交付の申請時に和歌山市内で対象業種を営む法人であること(営利を目的とするものに限る)
- 和歌山市の指定する地域資源(別表)を活用して新分野開拓を行うと市が認める事業を営む法人も対象
- 自身が行っている事業に関係する法令を遵守していること
- 市税を滞納していないこと
- 暴力団と関わりがないこと
- 風俗営業等を営む者ではないこと
- 補助対象設備の購入に要する費用が合計250万円以上であること
- 労働生産性向上及び事業拡大計画を立てて行うこと
- 人員の削減を目的としないこと
- 和歌山市内の設備導入事業所に勤務する従業員の平均賃金額を、申請時点の直近決算時と比較して翌々事業年度までに1%以上向上させる方針を、従業員に対して表明すること
- 補助対象設備の購入先が、本人が役員もしくはその配偶者及び直系血族、またはそれらが役員となっている法人、親会社・子会社・関連会社でないこと
- 令和9年2月末日までに実績報告書を提出すること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 交付の申請時に和歌山市内で指定の業種(製造業、道路貨物運送業、倉庫業、卸売業、小売業(無店舗小売業を除く)、旅館・ホテル、水運業、情報サービス業、インターネット附随サービス業、コールセンター業、スポーツ施設提供業、遊園地、マリーナ業、植物園、水族館、自然科学研究所、デザイン業、機械設計業、植物工場)を営む法人。和歌山市の指定する地域資源を活用して新分野開拓を行うと市が認める事業を営む法人も対象です。
- 対象地域
- 和歌山県和歌山市
- 実施機関
- 和歌山市 産業交流局 産業部 産業政策課(企業立地班)
申請前に知っておきたい注意点
- 設備の導入前に市から交付決定を受ける必要があります。交付決定前に導入した設備は補助対象になりません
- 締切日にかかわらず、予算に達した時点で申請の受付が終了します
- 補助対象設備の購入費用が合計250万円以上でないと申請できません
- 和歌山市の他の補助金制度とは併用できません。市以外の補助金も併用できない可能性があるため、事前に相談が必要です
- 中小企業等経営強化法に基づく先端設備等導入計画については、本制度と併用可能とされています
- 実績報告書の提出期限は令和9年2月末日(制度概要チラシでは令和9年2月26日)で、期限を過ぎると補助金が支払われません
- 実績報告には、補助対象経費の支出を証明する領収書等の写しと、設備の導入前・導入後の状況が分かる写真が必要です
- 補助対象設備の購入先に制限があります(本人・配偶者・直系血族が役員の法人、親会社・子会社・関連会社からの購入は不可)
- 提出された申請書類及び添付書類は返却されません
- 法令違反等の不正な行為があった場合は、交付決定が取り消される場合があります
- 事業の効果検証のため、令和10年度に現況調査が実施される予定です
- メールで申請する場合も、誓約書兼同意書、賃上げ方針を表明したことを証する書面、完納証明書、履歴事項全部証明書は原本を別途提出する必要があります
申請の手順
事前相談
設備投資の内容や他制度との併用可否について、産業政策課(企業立地班)に相談します
交付申請
申請書類と添付資料一式を、産業政策課あてに持参・郵送・メールのいずれかで提出します。メールの場合も一部書類は原本の提出が必要です
審査・交付決定
市が内容を審査し、交付を決定します。決定前に設備を導入すると補助対象外になります
事業実施(設備購入)
交付決定を受けてから設備を購入・導入します。導入前後の写真を残しておきます
実績報告
実績報告書、事業報告書、収支報告書に、領収書等の写しと導入前後の写真を添えて提出します
補助金の確定・請求
市の審査を経て補助金額が確定した後、補助金等交付請求書を提出します
スケジュール
- 申請受付開始令和8年4月1日
- 申請締切令和8年12月28日(必着)
- 受付終了予算に達した場合はその時点で終了
- 実績報告の提出期限令和9年2月末日(制度概要チラシでは令和9年2月26日)
- 現況調査令和10年度に実施予定
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 補助金交付申請書(様式)
- 事業計画書(様式)
- 収支予算書(様式)
- 誓約書兼同意書(様式・原本)
- 賃上げ方針を表明したことを証する書面(様式・原本)
- 完納証明書(原本)
- 補助対象設備に係る設計図面(設計図面がある場合)
- 見積書等、補助対象経費の算出根拠となる書類の写し(補助対象経費を明確に判別できるもの)
- 設備導入事業所の付近見取図
- 補助対象設備の配置図
- 直近の決算報告書の写し
- 履歴事項全部証明書(原本)
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。