事業継続支援緊急対策補助金
中東情勢の悪化などにともなう原材料価格・エネルギー価格の上昇や、原材料が入りにくい状況の影響を受けた上越市内の事業者が、代替原材料への切替え・調達方法の見直し・生産体制の転換に取り組む費用を補助する制度です。補助率は対象経費の2分の1、補助上限額は100万円で、市内に主たる事務所・事業所を持つ中小企業者のほか、農林水産事業者、学校法人・社会福祉法人も対象に含まれます。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
上越市が、国の重点支援地方交付金を使って用意した補助金です。中東情勢の悪化等にともなう原材料価格やエネルギー価格の上昇、原材料等の供給不足などの影響を受けている市内の中小企業者等を支援する、という位置づけになっています。補助率は対象経費の2分の1、補助上限額は100万円です。
対象になる事業は、代替原材料への切替え、調達方法の見直し、生産体制の転換の3つ。単独でも、組み合わせても実施できるとされています。どの事業を選ぶかで、対象になる経費の顔ぶれが変わります。代替原材料への切替えなら原材料費・開発費・委託費、調達方法の見直しなら在庫管理等に必要なシステムやソフトウェアの導入経費・専門家謝金・旅費・使用料及び賃借料まで、生産体制の転換なら設備・備品費(購入またはリース)・据付けや配線などの工事費・従業員の教育や研修費まで、といった具合です。
注意しておきたいのが、原材料費の数え方です。代替原材料への切替えでも調達方法の見直しでも、原材料費は購入額の全額ではなく、新しい原材料等の単価から従前使っていた原材料等の単価を差し引いた額に購入数量を掛けた額が算入されます。1,000円未満の端数は切り捨て、計算結果がマイナスになる場合は零。値上がり分の差額を見る考え方なので、見積書だけでなく従前の価格が分かる書類も申請時に必要とされています。開発費や委託費、設備・備品費などは、その経費の総額が算入対象です。金額はいずれも税抜で見ます。
対象外の経費も細かく示されています。通常の事業活動に伴う原材料・商品・消耗品の購入費、光熱水費や通信費・保守費といった通常の運営経費、土地や建物などの不動産の取得費・賃借料、申請者と従業員の人件費(講師や専門家等への謝金は除く)、申請や実績報告・請求手続のための経費、飲食・遊興・接待費などです。中古品でも価格・性能・耐用年数を客観的に確認できないもの、汎用性が高く事業に使うことが明確に確認できない物品は認められません。
審査では、中東情勢等による影響が客観的かつ具体的に示されているか、その取組が事業継続上の課題の解決に直接つながるかが見られます。事業区分ごとの視点として、生産体制の転換では「単なる老朽設備の更新となっていないか」、調達方法の見直しでは「単なる価格上昇への補填ではなく、安定調達体制の構築につながるか」が挙げられています。必要に応じて聞き取りや追加資料の提出依頼、現地確認が行われることもあります。交付決定は予算の範囲内で行われ、経費の一部を対象外として減額されることもあります。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 代替原材料への切替え | 100万円(制度共通) | 1/2 | 原材料費(従前との差額分)、開発費(試作・試験加工・評価等)、委託費(開発・試験・分析・評価等の外部委託)ほか |
| 調達方法の見直し | 100万円(制度共通) | 1/2 | 原材料費(従前との差額分)、設備・備品費(共同調達や在庫管理等に必要なシステム・ソフトウェアの導入)、委託費、専門家謝金、旅費、使用料及び賃借料ほか |
| 生産体制の転換 | 100万円(制度共通) | 1/2 | 設備・備品費(設備・備品の購入またはリース)、工事費(据付け・配線・配管・床補強等)、委託費(設計・調査・試験・コンサルティング等)、教育・研修費ほか |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限100万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:生産体制の転換に必要な設備、備品の購入またはリースに係る経費が設備・備品費として対象です。
- パソコン・周辺機器:設備・備品費として対象になり得ますが、汎用性が高く補助対象事業に使用することが明確に確認できない物品は対象外とされています。
- ソフトウェア・クラウド:調達方法の見直しで、共同調達または在庫管理等に必要なシステム、ソフトウェア等の導入経費が対象です。他の事業区分の経費一覧には挙げられていません。
- 原材料・試作:代替原材料や調達先変更に伴う購入費は、新しい単価から従前の単価を差し引いた額に購入数量を乗じた額のみ算入されます(1,000円未満切り捨て、マイナスなら零)。通常の事業活動に伴う原材料・商品・消耗品の購入費は対象外です。
- 外注・委託:開発・試験・分析・評価、調査・調整、設計・コンサルティング等を外部へ委託する経費が委託費として対象です。
- 専門家への謝金・コンサル:調達方法の見直しに係る専門家への謝金が対象です。人件費は対象外ですが、講師・専門家等に対する謝金は除かれています。
- 研修・人材育成:生産体制の転換に伴い必要となる従業員の教育または研修に係る経費が教育・研修費として対象です。
- 店舗改装・内装工事:据付け、配線、配管、床補強その他必要な工事に係る経費が工事費として対象です。ただし土地・建物等の不動産の取得費や賃借料は対象外です。
- 人件費:申請者及びその従業員の人件費は対象外です(講師、専門家等に対する謝金を除く)。
- 通信費・利用料:通信費は、光熱水費や保守費と同じく通常の運営経費として対象外とされています。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば上越市内で金属部品の加工をしている会社が、いつも使っている材料の値上がりと納期の遅れに振り回されている、という場面を思い浮かべます。仕入先を増やして安定して材料を確保したいのに、在庫の数量は倉庫のホワイトボードと担当者の手元のExcelにしかなく、発注のたびに現場まで数えに行っている。この状態だと、調達先を分散させたところで管理の手間が増えるだけになりかねません。
「調達方法の見直し」で申請するなら、在庫管理のシステムを入れて数量を一箇所で見えるようにし、新しい調達先の選定には専門家に入ってもらい、現地確認のための旅費も見込む、という組み立てが考えられます。仮に対象経費が80万円(税抜)だとすると、補助率は2分の1なので補助額は40万円、手元から出るのは40万円という計算です。上限の100万円まで受け取るには、対象経費が200万円必要になります。減るのは、材料を数えに現場を往復する時間と、発注前に在庫を突き合わせる時間のあたりです。
準備の面では、審査の視点を先に見ておくと迷いが減ります。この制度は「単なる価格上昇への補填ではなく、安定調達体制の構築につながるか」を見るとされているので、値上がりを埋め合わせたいという話ではなく、仕入れの仕組みをどう変えるのかを書くことになります。原材料費を申請に含めるなら、従前の単価が分かる書類が必要で、算入されるのも差額分だけ。この点は、見積書を集める段階から意識しておくと後が楽です。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 上越市内に主たる事務所・事業所を有すること
- 市税を滞納していないこと
- 法人は法人税、個人は所得税の青色申告を行っていること
- 中小企業者(中小企業信用保険法第2条第1項に規定する中小企業者。同項第6号に規定する事業者を除く)であること
- 農林水産業を営み、その生産物等を有価で販売している個人及び団体も対象に含まれること
- 法人税法別表第2に規定する公益法人等のうち、学校法人または社会福祉法人も対象に含まれること
- 市外に本店を有する法人の支店・営業所・工場等は、その施設が法人の事業活動の中心であることを客観的に確認できる必要があること
- 性風俗関連特殊営業を営む事業者、政治団体、宗教上の組織または団体、暴力団・暴力団員等は対象外
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 上越市内に主たる事務所・事業所を有し、市税を滞納しておらず、法人は法人税、個人は所得税の青色申告を行っている中小企業者等。中小企業者のほか、農林水産業を営み生産物等を有価で販売している個人・団体、学校法人または社会福祉法人が含まれます。
- 対象地域
- 新潟県上越市
- 実施機関
- 上越市 産業政策課 産業振興係
申請前に知っておきたい注意点
- 対象経費は税抜額で見ます。
- 原材料費は購入額の全額ではなく、従前の単価との差額に購入数量を乗じた額が算入されます。1,000円未満の端数は切り捨て、算出額がマイナスの場合は零です。
- 申請時に、中東情勢等による影響を確認できる書類と、原材料費の従前の価格を確認できる書類が求められます。
- 補助対象期間内に事業の実施と支払いを完了できる計画かどうかが、審査項目に含まれています。
- 交付決定は予算の範囲内で行われます。申請された経費の一部を対象外とし、減額して交付決定する場合があります。
- 申請内容が要件を満たさない場合や、事業内容が補助金の目的に適合しない場合は却下されます。
- 生産体制の転換では、単なる老朽設備の更新となっていないかが確認されます。
- 調達方法の見直しでは、単なる価格上昇への補填ではなく安定調達体制の構築につながるかが確認されます。
- 中古品の購入費で、価格・性能または耐用年数を客観的に確認できないものは対象外です。
- 自社、親会社、子会社、代表者または役員と密接な関係を有する者との取引で、価格の妥当性を確認できないものは対象外です。
- 手形、小切手、相殺など、支払の事実を客観的に確認することが困難な方法で支払った経費は対象外です。
- 審査にあたり、聞き取り、追加資料の提出依頼、現地確認が行われることがあります。
- 実績報告は、事業と支払いが完了した後、速やかに提出します。最終提出期限は市が別に指定する日です。
申請の手順
募集要領を読む
制度概要チラシと募集要領(いずれもPDF)で、対象事業・対象経費・対象外経費の考え方を確認します。
取り組む事業を決める
代替原材料への切替え、調達方法の見直し、生産体制の転換から選びます。単独でも組み合わせても実施できます。
影響と取組のつながりを整理する
原材料価格・エネルギー価格・供給状況の変化がどう影響したのか、その課題を申請する取組がどう解決するのかを、客観的な資料とあわせて事業計画書にまとめます。
見積書と資料をそろえる
補助対象経費の明細付き見積書の写し、仕様書・カタログ・図面・写真、従前の原材料価格が分かる書類などを用意します。
申請書類を提出する
交付申請書、誓約書、事業計画書、収支予算書、補助対象経費内訳書などを、産業政策課 産業振興係(上越市木田1-1-3 第2庁舎2階)へ提出します。
審査を受ける
共通審査項目と事業区分ごとの確認事項で審査されます。聞き取りや追加資料の提出依頼、現地確認が行われることがあります。
交付決定
補助対象として適当と認められた場合、予算の範囲内で交付決定されます。減額での交付決定や却下となる場合もあります。
事業の実施と支払い
計画した取組を実施し、支払いまで完了させます。
実績報告
実績報告書、事業結果報告書、収支決算書、請求書・領収書等の写し、写真データを提出します。
スケジュール
- 募集開始令和8年8月3日(月曜日)
- 募集締切令和8年10月30日(金曜日)
- 交付決定審査の結果、補助対象として適当と認めた場合に予算の範囲内で決定
- 実績報告事業及び支払いの完了後、速やかに提出(最終提出期限は市が別に指定する日)
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付申請書
- 誓約書
- 事業計画書
- 収支予算書
- 補助対象経費内訳書
- 補助対象経費に係る明細付き見積書の写し
- 直近の事業年度の確定申告書の写し
- 補助対象経費の仕様書、カタログ、図面、写真等
- 中東情勢等による影響を確認できる書類
- 原材料費の従前の価格を確認できる書類
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。