東海村中小企業製品開発支援補助金
自社が持っている技術を活かして新しい製品を開発するとき、その費用の半分(上限100万円)を東海村が補助する制度です。対象は村内に事業所または事務所がある中小企業者で、申請前に中小企業診断士の相談窓口を通すことが必須になっています。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
自社が保有する技術やノウハウを土台にして、新しい技術を取り入れる、既存の技術を別の用途に転換する、材料や工程を変えるといった工夫で、新しい製品を生み出し、新しい市場につなげる。村がこの補助金で後押ししたいのは、そういう取り組みです。裏を返すと、技術的な課題の解決方法そのものを外注・委託してしまう事業や、実質的に労働を伴わない事業、資産運用の色が強い事業は対象外とされています。すでに事業化して収入を得ている事業も対象外ですが、改善する要素があり、改善によって今まで以上の利益が見込める場合は除かれます。
対象になる費用の幅は比較的広めです。原材料費、設備費(機械装置や工具器具の購入、建造、改良、据付、借用など)、外注費(製造、改良、加工、試験分析、設計、実験、技術コンサルタント、システム開発など)、謝金、旅費、事務費、産業財産権取得費、人件費、その他村長が必要と認める経費が並びます。ただし外注費・謝金・産業財産権取得費は、それぞれ総事業費(税抜)の2分の1を超えない額まで。人件費は研究開発に従事する人のものが対象ですが、情報サービス業(日本標準産業分類 中分類39)に係る人件費に限る、という限定が付いています。
対象外もはっきり書かれています。パソコン、スマートフォン、タブレット、車両・運搬具など、汎用性があってこの事業以外にも使えるものの購入費。中古の物品。相場と比べて著しく高額な物品。金融機関への振込手数料、消費税等の公租公課、自社内の経費。そして、開発した製品や技術を市場に出していくときの広告宣伝費・販売促進費も見てもらえません。開発そのものにお金を使う計画、という組み立てになります。
タイミングの話です。補助事業の期間は交付決定日から申請年度内で、交付決定前の事前着手は原則認められません。1次募集の締切は令和8年6月15日でしたが、その後も予算の範囲内で毎月15日を締切として募集が続き、最終締切は令和8年10月15日(木曜日)です。最終締切日の前でも、予算がなくなった時点で募集は終わります。申請は1事業者につき年度1回まで。交付決定を受けた最終年度の翌年度と翌々年度は申請できません。希望すれば連続する2か年度で申請することもでき、その場合は年度ごとに審査され、上限も年度ごとに100万円です。
もうひとつ、この制度に特徴的なのが相談の必須化です。申請にあたっては、東海村経営支援室の商工業コーディネーターへの相談と、ビジネスサポート窓口(中小企業診断士)への相談が必要で、事業計画の確認が取れてから申請する流れになります。承諾までに複数回の相談になることもあると案内されています。窓口は事前予約制で、予約はコーディネーターが取次ぎます。なお、事業完了後は補助事業者の名称と製品開発等の名称・概要が村のホームページ等で公表されます。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限100万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 原材料・試作:原材料及び副資材の購入に要する経費が原材料費として対象です。
- 機械・設備:設備費として、機械装置又は工具器具の購入、建造、改良、据付、借用等が対象です。ただし中古の物品は対象外です。
- 外注・委託:製造、改良、加工、試験分析、設計、実験、技術コンサルタント、システム開発等の外注が対象ですが、外注費は総事業費(税抜)の2分の1を超えない額まで。技術的課題の解決方法そのものを外注・委託する事業自体は対象外です。
- ソフトウェア・クラウド:システム開発の外注は外注費として対象です。ただし外注費は総事業費(税抜)の2分の1を超えない額まで。汎用性があり、この事業以外の用途にも使えるものの購入費は対象外とされています。
- 専門家への謝金・コンサル:専門家に対する謝金が対象です。ただし謝金は総事業費(税抜)の2分の1を超えない額まで。専門家に係る交通費等は旅費として対象で、公共交通機関の利用が原則です。
- 人件費:研究開発に従事する人の人件費は対象ですが、情報サービス業(日本標準産業分類 中分類39)に係る人件費に限られます。経理事務など研究開発に直接関係のない事務に従事する人の人件費、時間外労働・休日労働の分、個人事業主が自らに支払う報酬は対象外です。
- 通信費・利用料:事務費として通信運搬費が対象です。事務費には印刷製本費、資料購入費、借料又は損料、調査研究費、通訳料、翻訳料、消耗品費等も含まれます。
- パソコン・周辺機器:パソコン、スマートフォン、タブレットなど、汎用性があってこの事業以外の用途にも使えるものの購入費は対象外です。
- 車両・運搬具:車両・運搬具は、汎用性があってこの事業以外の用途にも使えるものとして対象外です。
- 広告・宣伝:事業で開発した製品及び技術を市場展開する際の広告宣伝費及び販売促進費は、補助対象経費から除かれています。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
村内で金属部品の加工をしている会社が、これまで積み上げてきた加工技術を土台に、材料と工程を変えた新しい部材をつくる。そんな計画を思い浮かべてみます。試作用の工具器具(設備費)、試作を繰り返す原材料費、強度や耐久性の試験分析を外部の機関に頼む費用(外注費)を積み上げて、税抜200万円の計画にしたとします。
補助率は2分の1なので、受け取れるのは100万円、自己負担も100万円。上限が100万円なので、計画をこれより大きくしても補助額は変わりません。逆に税抜100万円の計画なら補助は50万円です。千円未満は切り捨て、そして審査の結果、申請額より交付決定額が下がることもあると明記されています。試験分析を外に出せば、社内で条件を振りながら測り直す手間はそのぶん減りますが、外注費は総事業費の2分の1までという枠があるので、外注だけで組み立てる計画にはできません。
ソフトウェアの受託開発をしている会社(情報サービス業)の場合は、研究開発に従事する社員の人件費が対象になる点が効いてきます。受注の合間に自社製品を育てたい、という会社とは相性がよさそうです。ただしパソコンやタブレットのような汎用の道具は対象外で、できあがった製品を売り出すための広告費も見てもらえません。開発そのものにお金を使う計画として組む必要があります。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者であること
- 村内に事業所又は事務所を有すること
- 同一内容で過去に他の公的機関等から補助金等を受けていないこと
- 村税を滞納していないこと
- 自ら有する技術を活用し、高付加価値な新製品の開発に取り組む事業であること
- 申請前にビジネスサポート窓口(中小企業診断士)へ相談し、事業計画の確認が取れていること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者で、村内に事業所又は事務所を有する方。同一内容で過去に他の公的機関等から補助金等を受けておらず、村税の滞納がないことが条件です。
- 対象地域
- 茨城県東海村
- 実施機関
- 東海村 産業部 産業政策課 産業政策推進担当
申請前に知っておきたい注意点
- 交付決定前の事前着手は原則認められません。補助対象経費は原則として交付決定の後に支払った経費です。
- 申請前に、商工業支援コーディネーターとビジネスサポート窓口(中小企業診断士)への相談が必須です。承諾までに複数回の相談になる場合があります。
- 申請は1事業者につき1年度1回、1事業まで。交付決定を受けた最終年度の翌年度と翌々年度は申請できません。
- 同一内容で他の公的機関等から補助金等を受けている場合は対象外です。
- 原材料費、設備費、外注費、事務費、その他の経費で1件50万円以上になるものは、2社以上の見積書が必要です。見積書は発行日から3か月以内のものを添付します。
- 外注費、謝金、産業財産権取得費は、それぞれ総事業費(税抜)の2分の1を超えない額までです。
- 補助額は千円未満切り捨て。審査結果により、申請額より交付決定額が下回る場合があります。
- 最終締切日前であっても、予算がなくなり次第、募集は終了します。複数件の申請があって予算が足りない場合は、総得点の高い申請から順に採択されます。
- 事業実施中も、ビジネスサポート窓口(中小企業診断士)と商工業コーディネーターとの定期的な面談が必要です。
- 事業完了後、補助事業者の名称と製品開発等の名称・概要が村のホームページ等で公表されます。
- 経費の支払いは現金払い、銀行振込、小切手で行います。他の取引との混合払い・相殺払い、手形の裏書譲渡による支払いはできません。
- 経理の帳簿等は、事業が完了した日の属する会計年度の末日の翌日から5年間保存します。50万円以上の機械・装置等を目的に反して処分する場合は村長の承認が必要です。
申請の手順
商工業コーディネーターへ相談
事業内容や計画について、東海村経営支援室の商工業コーディネーターに事前に相談します。
ビジネスサポート窓口(中小企業診断士)へ相談
中小企業診断士への相談は必須です。事業計画の確認が取れてから申請に進みます。窓口は事前予約制で、予約はコーディネーターが取次ぎます。
申請書類を提出
申請書類一式を揃えて、東海村産業政策課へ提出します。受付時間は午前8時30分から午後5時15分まで(正午から午後1時を除く)です。
審査
締切日ごとに「令和8年度審査基準及び審査要領」に基づく書類審査が行われます。審査期間の目安は10日前後です。
交付決定
採択結果は通知が郵送されます。
事業実施
事業計画に沿って開発を進めます。期間中は中小企業診断士の窓口と商工業コーディネーターとの面談を定期的に行います。
実績報告
実績報告書、成果書、収支決算書、支払を証する書類の写しを産業政策課へ提出します。
補助金の確定と請求
書類の審査や必要に応じた現地調査を経て補助額が確定します。交付請求書を提出して補助金を請求します。
スケジュール
- 1次募集締切令和8年6月15日(月曜日)17時15分まで
- 2次以降の締切1次募集締切後は、予算の範囲内で毎月15日が締切(15日が休日の場合は前営業日)
- 最終締切令和8年10月15日(木曜日)
- 募集の終了最終締切日前であっても、予算がなくなり次第終了
- 審査締切日ごとに書類審査、期間の目安は10日前後
- 補助事業期間交付決定日から申請年度内(希望すれば連続する2か年度での申請も可能)
- 実績報告の期限事業が完了した日の翌日から30日を経過した日、または当該補助年度の3月末日のいずれか早い日まで
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付申請書(様式第1号)
- 事業計画書(様式第2号)
- 収支予算書(様式第3号)
- 主な事業内容、社歴等の概要を説明する資料
- 履歴事項証明書(法人)/直近の確定申告書の写し等(個人事業主)
- 前年度決算書の写し
- 補助対象経費の内訳が確認できる書類(見積書等。発行日より3か月以内。1件50万円以上は2社以上)
- 業者選定理由書(様式第4号)※2社以上の見積書の取得が合理的理由で困難な場合
- 人件費を計上する場合は、労働契約書(雇用条件通知書)、標準報酬決定通知書の写し、就業規則、就業カレンダー等
- その他村長が必要と認める書類
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。