常陸太田市中小企業等ビジネスチャレンジ事業費補助金
常陸太田市が、市内の中小企業等の新たな取り組みを7つの事業区分で支援する補助金です。デジタル技術による業務の効率化や販路開拓(DX促進支援事業)のほか、BCP、事業承継、空き店舗改修、経営革新、技能訓練、販路拡大が同じ一つの補助金の中から選べます。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
常陸太田市がこれまで別々に出していた複数の補助金を、一つの補助金にまとめたものです。中身は7つの事業区分(BCP関連支援、事業承継支援、空き店舗改修支援、DX促進支援、経営革新支援、技能訓練支援、販路拡大支援)に分かれていて、自社がやろうとしていることに合う区分を選んで申請します。共通する対象者は、主たる事業所が市内にある中小企業者です。
デジタル関連にあたるのがDX促進支援事業です。対象になる事業は二つで、一つはデジタル技術を使った販路開拓(電子商取引やキャッシュレス決済など非接触の商取引を進めるもの)で売上につながることが見込まれるもの。もう一つは、デジタル技術を取り入れて業務の効率化、人的コスト削減や人手不足の解消、生産量の拡大、不良率の低減といった生産性向上に取り組むものです。対象経費は、ITコンサルティング費用、自社のサービス・製品の開発費(外注費、原材料費等)、システム導入費(外注費、ソフトウェア使用料、ソフトウェア購入費、ホームページ製作費等)、DX人材の育成・教育費、機器購入費(パソコン、カメラ、入力端末等)の5項目です。補助率は補助対象経費の3分の2、上限は20万円。ただし機器購入費だけは上限10万円までと決まっていて、公式ページには「20万円のパソコンと10万円のカメラを買っても補助金額は10万円。そこに15万円のソフトウェアを加えれば合わせて20万円」という例が載っています。
他の区分の上限額は幅があります。BCP関連支援事業は計画策定で10万円から20万円、計画実践で20万円から100万円。事業承継支援事業と空き店舗改修工事は100万円。経営革新支援事業はチャレンジ枠25万円、経営革新枠50万円。技能訓練支援事業は1名の補助事業1回あたり3万円で、同一年度に1事業者あたり社員2名まで。販路拡大支援事業は国内の見本市等で20万円、国外で50万円です。DX促進支援事業以外の補助率は2分の1(空き店舗改修に伴う家財道具処分のみ10分の10)です。
使い方には制限があります。一度ある事業区分の交付を受けると、3年の間は同じ区分で再度受けられません(技能訓練支援事業は除く)。事業承継支援事業はさらに厳しく、一度使うと過去10年の間は交付を受けられません。同一の事業に対して国や地方公共団体、その他の団体の補助金(市の他の補助金を含む)を受けている場合も対象外です。一方で、同一年度に複数の区分を使うこと自体は認められています。ただし同じ経費に複数の区分を重ねることはできません。
事業は、交付申請を行った年度内(交付決定を受けた日から3月31日まで)に完了させる必要があります。設備を入れる場合は、年度内に納品されるかを先に確かめておきたいところです。また、すべての区分が予算がなくなり次第終了で、令和8年7月時点では予算が残りわずかな区分もあるとして、申請前に一度相談するよう案内されています。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| BCP関連支援事業 計画策定(BCP) | 20万円 | 1/2 | 市内の事業所を含むBCPの策定・改定 |
| BCP関連支援事業 計画策定(事業継続力強化計画) | 10万円 | 1/2 | 事業継続力強化計画の策定・改定 |
| BCP関連支援事業 計画実践(BCP) | 100万円 | 1/2 | 策定した計画に基づく設備の導入等 |
| BCP関連支援事業 計画実践(事業継続力強化計画) | 20万円 | 1/2 | 策定した計画に基づく設備の導入等 |
| 事業承継支援事業 | 100万円 | 1/2 | 事業承継計画の策定、事業所の改修、計画に記載のある設備の購入 |
| 空き店舗改修支援事業(改修工事) | 100万円 | 1/2 | 小売業・飲食業・サービス業等の空き店舗の改修工事 |
| 空き店舗改修支援事業(家財道具処分) | 20万円 | 10/10 | 空き店舗改修に伴う残存家財道具等の処分 |
| DX促進支援事業 | 20万円(機器購入費は10万円まで) | 2/3 | デジタル技術を活用した販路開拓、業務効率化・生産性向上 |
| 経営革新支援事業 チャレンジ枠 | 25万円 | 1/2 | 新商品・新サービスの開発、新規事業分野への進出等 |
| 経営革新支援事業 経営革新枠 | 50万円 | 1/2 | 承認を受けた経営革新計画に従って行う事業 |
| 技能訓練支援事業 | 1名1回あたり3万円 | 1/2 | 国家資格の取得、指定機関の技術力向上研修の受講 |
| 販路拡大支援事業(国内) | 20万円 | 1/2 | 国内で開催される見本市等への出展 |
| 販路拡大支援事業(国外) | 50万円 | 1/2 | 国外で開催される見本市等への出展 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2(DX促進支援事業は2/3、空き店舗改修に伴う家財道具処分は10/10)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 事業区分により異なる(最大100万円。DX促進支援事業は上限20万円) が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:DX促進支援事業のシステム導入費にソフトウェア購入費とソフトウェア使用料が挙がっている。経営革新支援事業でもソフトウェア使用料が対象
- パソコン・周辺機器:DX促進支援事業の機器購入費(パソコン、カメラ、入力端末等)が対象だが、機器購入費への補助額は10万円が上限
- 機械・設備:事業承継支援事業と経営革新支援事業の設備購入費が対象。事業承継は事業計画書に具体的な記載のあるもの、経営革新枠は経営革新計画別表4に記載のあるものに限られる
- ホームページ・EC:DX促進支援事業のシステム導入費にホームページ製作費が含まれている
- 広告・宣伝:経営革新支援事業の役務費に広告宣伝費が挙がっている。他の事業区分の対象経費には出てこない
- 展示会・販路開拓:販路拡大支援事業で出展料(小間料を含む)、旅費、運搬費、資料作成費、会場設営費が対象
- 専門家への謝金・コンサル:DX促進支援事業のITコンサルティング費用、BCP関連や事業承継のコンサルティング・専門家への委託料など、複数の区分で対象
- 外注・委託:DX促進支援事業のサービス・製品開発費とシステム導入費の外注費、経営革新支援事業の委託料が対象
- 研修・人材育成:DX人材育成・教育費(講座受講料、講師謝礼等)、技能訓練支援事業の受講料・教材費、経営革新支援事業の研修費が対象
- 人件費:人件費は、どの事業区分の対象経費にも挙げられていない
- 店舗改装・内装工事:空き店舗改修支援事業の工事費、事業承継支援事業の事業所改修工事、経営革新支援事業の店舗・事務所改修費が対象。経営革新支援事業では新築、建替え、建物本体に影響を与える増改築、外構工事は除かれる
- 原材料・試作:経営革新支援事業の需用費(原材料費、消耗品費等。食糧費は除く)とDX促進支援事業のサービス・製品開発費の原材料費が対象
- 通信費・利用料:経営革新支援事業の役務費に通信運搬費が挙がっている。他の事業区分の対象経費には出てこない
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、常陸太田市内で受発注をファックスと電話で受けている卸売業の会社が、DX促進支援事業を使う場面を考えてみます。注文が入るたびに紙に書き写し、それを別の担当者が販売管理ソフトに入力し直す。転記の途中で数量を取り違えて、あとから謝りの電話を入れる。そんな往復をなくしたい、というのが出発点です。
クラウドの受発注システムを入れて、取引先が画面から直接注文を入れられるようにする。初期設定と自社の商品マスタの取り込みを外部に頼み、合わせて30万円かかったとします。補助率は3分の2なので計算上は20万円、上限も20万円ですから補助額は20万円、手元から出るのは10万円です。ここで注意したいのは機器購入費の扱いで、入力用のタブレットを一緒に買うと、その分の補助は10万円までに抑えられます。パソコンや端末をまとめて揃えるより、システム側にお金を寄せたほうが補助は伸びる作りになっています。
減るのは、転記そのものと、転記を確かめる時間です。ファックスを見て入力する作業が1日1時間あったなら、そこが空きます。導入した年度の3月31日までに完了させる必要があるので、逆算すると年明けからの着手は慌ただしくなります。予算が残りわずかな区分もあると案内されているため、動くと決めたら早めに窓口へ相談しておくと確実です。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 主たる事業所が常陸太田市内にある中小企業者であること
- 日本標準産業分類の対象業種(鉱業・採石業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの))に属する事業を営んでいること
- 除外業種(興信所、易断所・観相業・相場案内業、競輪・競馬等の競走場や競技団、芸ぎ業、場外馬券売場・場外車券売場・予想業、集金業・取立業、政治経済文化団体、宗教、その他のサービス業、外国公務)に該当しないこと
- 営業に許認可や法律に基づく資格が必要な場合は、取得しているか取得する見込みがあること
- 暴力団、暴力団員、これらに準ずる反社会的団体やその構成員でないこと(役員等を含む)
- 市税等の滞納がないこと
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 主たる事業所が常陸太田市内にある中小企業者で、日本標準産業分類の対象業種に属する事業を営んでいること。市税等の滞納がないことなど、共通要件をすべて満たす必要があります。
- 対象地域
- 茨城県常陸太田市
- 実施機関
- 常陸太田市 商工振興・企業誘致課 商工振興・企業誘致係
申請前に知っておきたい注意点
- 一度ある事業区分の交付を受けると、3年の間は同じ事業区分で再度交付を受けられない(技能訓練支援事業はこの限りではない)
- 事業承継支援事業は、一度活用すると過去10年の間は交付を受けられない
- 同一の事業に国、地方公共団体、その他の団体の補助金(市の他の補助金を含む)を受けている場合は対象外
- 同一年度に複数の事業区分を使うことはできるが、同一の経費に複数の区分を重ねて使うことはできない
- 交付申請を行った年度内(交付決定を受けた日から3月31日まで)に事業を完了させる必要がある。設備を導入する場合は年度内に納品されるかを確認しておく
- 予算がなくなり次第終了。令和8年7月時点で予算が残りわずかな事業区分があり、申請前に相談するよう案内されている
- DX促進支援事業の機器購入費に対する補助額は10万円が上限
- 空き店舗改修支援事業は、交付申請日前に改修工事を開始しているものは対象外
- 設備等を導入する事業では、実績報告時に導入後の写真を添付する。写真が難しい場合は現地調査で現物を確認されることがある
- 補助金の入金は、交付請求書の提出から2週間程度かかる
申請の手順
事前に相談する
事業区分によっては予算が残りわずかなため、申請前に商工振興・企業誘致課へ相談するよう案内されている
交付申請
交付申請書(様式第1号)に事業計画書、収支予算書、見積書の写し、事業所が分かる書類などを添えて提出する
審査と交付決定
市が書類を審査し、交付に適した内容であれば交付決定通知書が届く
事業を実施する
交付決定を受けた日から3月31日までの間に事業を完了させる。内容の変更や中止が必要になったときは、速やかに連絡し変更承認申請書(様式第5号)を提出する
実績報告
事業完了後、実績報告書(様式第7号)に事業成果書、収支決算書、支払を証する書類の写しなどを添えて提出する
補助金額の確定
交付決定時の内容と適合するか確認され、適合が認められると補助金額確定通知書が届く
請求と入金
交付請求書(様式第11号)を提出する。入金は提出から2週間程度
スケジュール
- 受付通年(予算がなくなり次第終了)
- 予算の残り令和8年7月時点で、事業区分によっては令和8年度の予算が残りわずか
- 事業の完了期限交付決定を受けた日から3月31日まで
- 補助金の入金交付請求書の提出から2週間程度
- 公式ページの更新2026年7月15日
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付申請書(様式第1号)
- 事業計画書(様式第2号)
- 収支予算書(様式第3号)
- 必要経費及びその内訳が分かる書類(見積書の写し等)
- 主たる事業所が分かる書類(法人は履歴事項全部証明書等、個人事業主は開業届の写し等)
- 申請者の主な事業内容、社歴等の概要を説明する書類
- 空き店舗改修支援事業の場合は、空き店舗確認書、賃貸借契約書の写し、空き店舗の位置図、工事図面(平面図)、改修工事前の写真、開業に必要な資格等を証明する書類の写し
- 経営革新支援事業の経営革新枠で申請する場合は、経営革新計画の承認書の写しと、承認を受けた経営革新計画別表1・別表2・別表4の写し
- 販路拡大支援事業の場合は、見本市等の開催要領その他概要が分かる書類
- その他市長が必要と認める書類
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。