令和8年度 愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金
愛知県内の介護事業所・施設が、介護ロボットや介護ソフトなどの介護テクノロジーを導入する費用を、補助率4/5で支援する制度です。介護保険法に基づく指定介護サービス事業所・施設と、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームの開設者が対象で、1事業所あたり1,000万円を上限に申請できます。
公式サイトの記載を 2026.08.14 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
介護の現場では、これから需要が増える一方で働き手は減っていくと見込まれています。国は「省力化投資促進プラン」で2040年に20%以上の業務効率化を図る必要があるとしており、なかでも業務時間の削減効果が確認されている見守り機器・介護記録ソフト・インカムを、小規模な事業者にも広げようとしています。この補助金は、その国の事業(介護テクノロジー定着支援事業)を愛知県が実施主体として動かすものです。補助率は4/5で、事業所の持ち出しは5分の1にあたります。
申請のかたちは2つあります。ひとつは「介護テクノロジー等の導入支援」で、機器を単体で入れる場合です。もうひとつは「介護テクノロジー等のパッケージ型導入支援」で、記録・情報共有・請求を担う介護ソフトなどの機器と、それと組み合わせることで効果が高まる機器をセットで入れる場合にあたります。対象になる機器は、テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定されたものが原則で、これに加えて愛知県が独自に認めた機器として、移乗支援、入浴支援に該当する機器、床走行式リフト、一括で調理支援を行う機器、加熱・冷蔵機能等を備えた配膳車、配膳ロボット、スライディングボード、インカム、バックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理)、バイタル測定が可能なウェアラブル端末、とろみサーバーの11種類が挙げられています。
費用の見てもらえる範囲は、介護ソフトを入れる場合にやや広くなります。ソフトそのものだけでなく、一体で使うPC・タブレット端末(リース費用を含む)、Wi-Fi環境を整えるための配線工事やモデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築、そして導入前後にベンダーが行うサポート費用までが「介護ソフトの定着促進支援」として対象になります。
一方で、外れるものもはっきり書かれています。保険料、通信費、メンテナンス費、既に持っている機器の廃棄にかかる費用、導入予定機器の送料は対象外です。交付決定を受ける前に購入・契約したものも対象になりません。他の補助金の交付を受けた場合(受ける予定を含む)も対象外で、IT導入補助金や地域医療介護総合確保基金の介護テクノロジー導入支援事業との重ねづかいはできない扱いです。令和8年度の交付申請は、1法人あたり2事業所までです。
申請の進め方は令和8年度から変わっています。事前協議がなくなり、交付申請から直接受け付けるかたちになりました。受付はJグランツのみで、持参・郵送・メールは受け付けていません。JグランツにはGビズIDが要り、取得に2週間ほどかかる場合があるとされているため、機器の検討と並行して進めておく必要があります。交付決定は9月末ごろ、実績報告の締切は令和9年1月31日で、契約・支払い・納品の3つをこの日までに終える必要があります。逆算すると、発注してから納品まで動ける期間はおよそ4か月です。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 介護テクノロジー等の導入支援 | 1事業所あたり1,000万円(パッケージ型と合わせた上限) | 4/5 | TAISで「介護テクノロジー」として選定された機器等の購入費・リース代。機器ごとに基準額あり |
| 介護テクノロジー等のパッケージ型導入支援 | 1事業所あたり1,000万円(介護ソフトの定着促進支援を合わせて行う場合は1,015万円) | 4/5 | 「介護業務支援」の機器+「見守り・コミュニケーション」の機器/「介護業務支援」に該当する複数の機器/介護ソフト+インカム の3つの組み合わせのみ |
| 機器ごとの基準額(移乗支援・入浴支援・インカム等) | 1台100万円 | 4/5 | 移乗支援(装着型・非装着型)、入浴支援、インカム、およびこれらと同水準と判断された機器 |
| 機器ごとの基準額(上記以外の機器) | 1台30万円 | 4/5 | TAISで「介護テクノロジー」に選定された機器およびそれと同水準と判断された機器のうち、上記(1台100万円の区分・介護ソフト・バックオフィスソフト)にあたらないもの |
| 介護ソフト・バックオフィスソフトの基準額 | 職員数1〜10名100万円/11〜20名150万円/21〜30名200万円/31名以上250万円 | 4/5 | 職員数に応じてライセンス数が変わる契約の場合。それ以外の契約方式は一律250万円。居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所が令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携する場合は基準額に5万円を加算 |
| 介護ソフトの定着促進支援を合わせる場合の基準額 | 職員数1〜10名115万円/11〜20名165万円/21〜30名215万円/31名以上265万円 | 4/5 | 介護ソフトと一体で使うPC・タブレット、Wi-Fi環境整備、ベンダーのサポート費用を合わせて申請する場合。それ以外の契約方式は一律265万円 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(4/5) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限1,000万円(1事業所あたり)。パッケージ型導入支援で介護ソフトの定着促進支援を合わせて行う場合は1,015万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:介護ソフト(記録業務・情報共有業務・請求業務を一気通貫で行えるもの)、バックオフィスソフト(電子サインシステム、給与、勤怠管理)が対象
- 機械・設備:移乗支援(装着型・非装着型)、入浴支援に該当する機器、床走行式リフト、一括で調理支援を行う機器、加熱・冷蔵機能等を備えた配膳車、配膳ロボット、スライディングボード、インカム、とろみサーバー、バイタル測定が可能なウェアラブル端末などの購入費・リース代
- パソコン・周辺機器:介護ソフトと一体で使うPC・タブレット端末(リース費用を含む)は「介護ソフトの定着促進支援」として対象。スマートフォン・タブレット・ノートパソコンは介護テクノロジーの利用に伴って導入する場合に限られる
- 通信費・利用料:Wi-Fi環境を整備するためのモデム・ルーター、アクセスポイント、システム管理サーバー、ネットワーク構築は対象。通信費そのものは対象外
- 店舗改装・内装工事:Wi-Fi環境整備のために必要な配線工事(有線LANの設備工事を含む)は対象。建物そのものの改修工事についての記載はない
- 研修・人材育成:本補助金で導入する介護ソフトについて、導入前後にベンダーが行うサポート費用は「介護ソフトの定着促進支援」として対象。国実施要綱では、メーカーや販売店等による機器の操作説明は業務改善支援の対象としないとされている
- 専門家への謝金・コンサル:愛知県の交付要綱で対象経費とされているのは国実施要綱4(1)と4(2)の経費で、コンサルティング会社等による業務改善支援(国実施要綱4(3)ア)は含まれていない。愛知県は業務改善支援を研修動画の視聴または研修会の受講で代えることとしている
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、職員が20名ほどの通所介護事業所を思い浮かべてみます。日中はサービスに手を取られ、その日の記録は夕方から事務所でまとめて紙に書き、あとから請求ソフトに打ち直している。同じ内容を二度書いている時間が、毎日一人あたり30分ずつ積み上がっている、という状態です。
ここで、記録・情報共有・請求が一つながりになった介護ソフトと、フロアで声をかけ合うためのインカムを、パッケージ型導入支援として一緒に申請するかたちが考えられます。介護ソフトの基準額は職員11〜20名で150万円。これにインカム10台分50万円を加えて、対象経費の合計が200万円だとすると、補助率4/5で補助額は160万円、事業所の持ち出しは40万円になります。パッケージ型の上限(1事業所あたり1,000万円)には十分収まる規模です。
減るのは、転記の時間と、口頭やメモでの申し送りにかかっていた時間です。20名が1日30分の転記をやめられれば、10時間分の作業が消える計算になります。ただし、ソフトを入れただけで自動的にそうなるわけではないので、この制度が業務改善計画の作成と研修の受講を要件にしているのは、そこを一緒に動かしてほしいという趣旨だと読めます。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 愛知県内に所在する、介護保険法に基づく指定介護サービス事業所・施設(市町村等の指定分を含む)の開設者であること
- または愛知県内に所在する、老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームの開設者であること
- 交付申請の時点で介護事業所の指定を受けている(事業所番号が付与されている)こと
- 導入する機器が、テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で「介護テクノロジー」として選定・掲載されていること(令和8年8月31日までに掲載されている必要がある)
- 申請書にTAISコードを記載すること
- 愛知県生産性向上総合相談センターの研修動画を視聴する、または愛知県・あいち介護生産性向上総合相談センター主催の「生産性向上に向けた研修会」を受講すること
- 情報処理推進機構(IPA)の「SECURITY ACTION」で「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言すること
- 業務改善計画を作成して県に提出すること
- 補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を県に報告すること
- 国実施要綱に定めるサービス種別の事業所は、令和8年度内に「ケアプランデータ連携システム」の利用を開始すること(登録だけでは足りず、ケアプランの送受信の実績が必要)
- 国実施要綱に定めるサービス種別の事業所は、利用者の安全・介護サービスの質の確保・職員の負担軽減を検討するための委員会を設置すること
- 申請はJグランツのみのため、GビズIDを取得していること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 愛知県内に所在する介護保険法に基づく指定介護サービス事業所・施設(市町村等の指定分を含む)の開設者、および愛知県内に所在する老人福祉法に基づく養護老人ホーム・軽費老人ホームの開設者。
- 対象地域
- 愛知県
- 実施機関
- 愛知県 高齢福祉課(令和8年度は受付業務を外部委託。窓口は令和8年度愛知県介護テクノロジー導入支援事業費補助金事務局)
申請前に知っておきたい注意点
- 交付決定を受けた日より前に購入・契約したものは対象外。県から交付決定を受けた日以降に購入・契約する
- 他の補助金の交付を受けた場合(受ける予定を含む)は対象外。IT導入補助金や地域医療介護総合確保基金の介護テクノロジー導入支援事業との併用はできない
- 令和8年度は事前協議を行わず、交付申請からの受付。申請はJグランツのみで、持参・郵送・メールでは受け付けない
- Jグランツの利用にはGビズIDが必要で、取得に2週間ほどかかる場合がある。申請の検討と並行して取得を進める
- 令和8年度は1法人あたり2事業所まで。交付申請は事業所ごとではなく法人で取りまとめ、提出の際は優先順位を付ける
- 予算の範囲内での交付で、応募多数の場合は優先して採択される事業所が決まっている。令和8年度にあいち介護生産性向上総合相談センターから伴走支援・試用貸出などの業務改善支援を受けている、令和7年度の愛知県介護事業所人材育成認証評価事業で認証を受けている、過去に介護ロボット導入支援・介護事業所ICT導入支援・介護テクノロジー導入支援の各補助金を受けていない、の該当が多い事業所から採択される
- 交付決定後の導入機器の変更や台数の変更は、販売中止など特別な事情がない限り認められない
- 機器の契約・支払い・納品の3つを令和9年1月31日までに完了させる必要がある。間に合わなければ対象外になる
- TAISコードが付与されているだけでは対象にならない。TAISで「介護テクノロジー」に分類されて掲載されている必要がある
- 保険料、通信費、メンテナンス費、既に所有している機器の廃棄にかかる費用、導入予定機器の送料は対象外
- 不具合なく使えている機器を、最新の機器を使いたい・メーカーに勧められたという理由で買い換える場合は対象外
- 申請できる台数は、利用者が使う機器は定員数まで、職員が使う機器は職員数まで
- 実績報告では導入機器の写真の提出が必須。申請事業所名を貼付して撮影する
- 単価30万円以上の機器は、国が定める期間を経過するまで、知事の承認なく目的に反した使用・譲渡・貸付・廃棄などができない
- この補助金は国の「介護テクノロジー定着支援事業」を都道府県が実施主体となって行うもので、パッケージ型導入支援の上限額(国は400万円以上1,000万円以下と定め、その範囲で都道府県が設定)など、条件は都道府県ごとに異なる。愛知県以外の事業者は、事業所が所在する都道府県の同種の事業を確認する
申請の手順
対象になる機器を確かめる
テクノエイド協会の「福祉用具情報システム(TAIS)」で、導入したい機器が「介護テクノロジー」として選定されているかを確認し、TAISコードを控える
GビズIDを取得する
申請はJグランツのみで受け付けるため、未取得の法人はGビズIDを取得する
研修を受ける
愛知県生産性向上総合相談センターの研修動画を視聴する、または県などが主催する生産性向上の研修会を受講する。視聴すべき動画はサービス種別ごとに決まっている
業務改善計画を作る
介護生産性向上総合相談センターに相談しながら、業務改善計画を作成する
見積書とカタログを集める
導入する機器の見積書の写しと、性能がわかるカタログや仕様書を用意する。複数事業所で按分する場合は按分表も作る
Jグランツで交付申請する
Jグランツに添付されている申請書一式のエクセルファイルに記入し、添付書類とともに提出する。法人で取りまとめて提出する
交付決定を受けてから発注する
交付決定通知を受けた日以降に、申請した内容で購入・契約する
実績報告を出す
契約・支払い・納品をすべて終えたうえで、Jグランツから実績報告を行う。導入機器の写真の提出が必須
補助金を受け取る
額の確定と補助金請求を経て、補助金が支払われる
効果を報告する
業務改善計画に対する効果を、補助を受けた翌年度から3年間、県に報告する
スケジュール
- 交付申請の受付締切2026年8月31日(Jグランツのみ)
- 交付決定2026年9月末ごろ
- 実績報告の締切2027年1月31日
- 額の確定・補助金請求2027年3月上旬ごろ
- 補助金の支払い2027年3月末ごろ
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付申請書(別紙様式1。Jグランツに添付されている申請書一式のエクセルファイル)
- 導入する機器の見積書の写し
- 導入する機器のカタログや仕様書など、機器の詳細が明確にわかる資料
- 複数事業所と按分して申請する場合は按分表(按分計算がわかる資料)
- 実績報告時:導入機器の写真(申請事業所名を貼付して撮影したもの。本補助金で導入する全ての機器が対象)
- 実績報告時:契約書(発注書など発注日がわかるもの)、請求書、納品書
- 実績報告時:ケアプランデータ連携システムの利用実績がわかる資料(対象のサービス種別の場合)
よくある質問
建設中で、まだ指定を受けていない事業所も申請できますか
交付申請の時点で介護事業所の指定を受けていない(事業所番号が付与されていない)場合は補助対象外です
1法人でいくつの事業所を申請できますか
令和8年度は1法人あたり2事業所までです。事業所ごとではなく、法人で取りまとめて提出します
過去にこの補助金を受けたことがありますが、また申請できますか
申請できます
いつから機器を購入・契約してよいですか
交付申請を提出したあと、県から交付決定を受けた日以降です
介護ソフトのライセンス料が複数年分の場合、いくらが対象になりますか
補助対象額は当年度の支払金額です。複数年のライセンスでも当年度に全額支払った場合は全額が対象、毎年払いなら1年分が対象になります。リースも同じ考え方です
既に使っている介護ソフトの改修費用は対象ですか
ケアプランデータ連携標準仕様、入退院時情報連携標準仕様、訪問看護計画等標準仕様、財務諸表のデータ出力機能、LIFE標準仕様に対応するための改修は対象です。ただし介護テクノロジー単体での申請に限られ、パッケージ型では認められません
インカムのイヤホン・マイクは職員数分が対象になりますか
それがないとインカムとしての機能を果たせない場合に限り、インカムの台数分が対象です。インカム本体は職員数まで導入できます
見守り機器は何台まで申請できますか
「20台もしくは2ユニット定員数まで」という制限は令和8年度から撤廃されました。ただし1事業所の上限は、事業所・施設の許可申請時に登録している利用者定員数です
導入予定機器の送料は対象ですか
対象外です
同じ建物に複数の事業所があり、Wi-Fiをまとめて導入する場合はどう申請しますか
申請時に申告している床面積で按分し、按分した金額で事業所ごとに申請書を作ります。按分計算がわかる資料を添付します
「補助事業の完了の日」とはいつですか
機器等の契約、支払い、納品がすべて完了した日を指します。遅くとも令和9年1月31日までに3つとも終える必要があります
「SECURITY ACTION」の宣言は、どんな書類を出せばよいですか
令和8年度はJグランツの申請フォームでチェックリストにチェックすることが、提出書類の代わりになります
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。