中小企業者持続的成長・賃金引き上げ促進事業
従業員の賃金を一定以上引き上げ、生産性の向上に取り組む萩市内の中小企業者が、デジタル化・DX、省エネ化、高付加価値化、職場環境の改善のために設備・機器等を導入した費用の1/2が補助されます。上限は従業員規模に応じて25万円、50万円、100万円で、申請期間は2026年11月30日までです。
公式サイトの記載を 2026.10.02 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
エネルギー価格などの物価高騰を乗り越え、成長と賃上げの好循環を促すために、従業員の賃金を一定以上引き上げるとともに、生産性の向上に取り組む萩市内の中小企業者へ、設備投資等に対する費用の一部を支援する制度です。補助率は補助対象事業費の1/2で、上限は従業員規模に応じて、5人以下が25万円、20人以下が50万円、21人以上が100万円です。国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用しています。
対象になるのは、生産性の向上が期待される設備・機器等の導入経費です。取り組みの内容は、デジタル化・DXによる業務改善・効率化(AI活用、生産管理システムの導入など)、省エネ化・コスト削減による経営の持続化(高効率設備への更新など)、高付加価値化・売上拡大による持続的成長(新商品開発、生産能力強化に向けた設備の導入など)、環境整備による職場改善・効率化(職場環境改善のための設備導入など)の4つに分かれています。
市のページには、導入機器の具体例を費目ごとにまとめた別表があります。設備導入費、システム導入費、建物費、外注費、原材料費・消耗品費、運搬費・移設費、技術導入経費、知的財産権等取得費、広告宣伝・販売促進費、教育訓練費・リスキリング費の10の費目が挙げられていて、機器やソフトの購入だけでなく、設置・工事費、外部への委託、従業員の講習費なども例に入っています。一方で、省エネ化・コスト削減のための設備の新規導入、事務所の移転、老朽化による通常の修繕、不動産の購入、システムの保守・管理が主な目的の経費、消費税は対象外です。別表はあくまで一例とされているため、詳しくは事前に窓口で相談します。
この補助金は、賃金の引き上げが条件です。令和7年10月分の基本給と比べて、実績報告書を提出する時点で、常時雇用する従業員全員の賃金を、月額3.0%以上、または時給50円以上のうち、いずれか低い条件で引き上げ、その後も継続します。役員、派遣労働者、短時間労働者などは対象の従業員に含まれません。申請では、賃金引き上げ計画書と、賃上げの方針を従業員へ表明したことを示す書類が必要です。
申請期間は令和8年4月1日から11月30日までです。交付決定後から令和9年2月末までに納品・支払い等の手続きが完了するものが対象で、実績報告(支給申請)の期限は令和9年2月26日の予定です。設備等の導入の前に、事前に相談するよう案内されています。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 従業員5人以下 | 25万円 | 1/2 | デジタル化・DX、省エネ化・コスト削減、高付加価値化・売上拡大、環境整備による職場改善・効率化のための設備・機器等の導入経費 |
| 従業員20人以下 | 50万円 | 1/2 | デジタル化・DX、省エネ化・コスト削減、高付加価値化・売上拡大、環境整備による職場改善・効率化のための設備・機器等の導入経費 |
| 従業員21人以上 | 100万円 | 1/2 | デジタル化・DX、省エネ化・コスト削減、高付加価値化・売上拡大、環境整備による職場改善・効率化のための設備・機器等の導入経費 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 最大100万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- パソコン・周辺機器:設備導入費として、セルフレジ、自動発注型POSシステム、OCRスキャナ(手書き伝票のデータ取込用)、倉庫管理用ハンディターミナルなどが例に挙がっています。単価が5万円以上のものが対象です
- ソフトウェア・クラウド:システム導入費として、ERP、CRM、CAD/CAM、AI解析ソフト、クラウド型の生産管理・在庫管理システム、会計・人事給与ソフト、受発注システムなどが例に挙がっています。事業年度内に支払いが完了するものは1年分までが対象で、システムの保守・管理が主な目的の経費は対象外です
- 機械・設備:高性能NC旋盤、マシニングセンタ、自動包装機、高性能3Dプリンターなどの生産設備が例に挙がっています(単価5万円以上)。省エネ化・コスト削減のための設備は、新規導入が対象外です
- ホームページ・EC:広告宣伝・販売促進費として、ECサイトの構築費が例に挙がっています。新商品・サービスや増産分の販売促進に要する経費が対象です
- 広告・宣伝:新商品・サービスや増産分の販売促進に要する経費として、Web広告の出稿料、パンフレットの作成費が例に挙がっています
- 展示会・販路開拓:新商品・サービスや増産分の販売促進に要する経費として、展示会の出展料(小間代)が例に挙がっています
- 専門家への謝金・コンサル:専門家からの技術指導に要する経費(専門家謝金・旅費)、DX推進のための業務フロー設計コンサルティング、弁理士等への報酬が例に挙がっています
- 外注・委託:本事業の遂行に必要な加工、設計、検査、調査、システムの開発等の外部委託経費が対象です。業務フローの見直し(BPR)の委託や、既存システムと新システムのデータ連携構築などが例に挙がっています
- 研修・人材育成:デジタル化や新技術の導入に伴う従業員のスキルアップに要する経費が対象です。外部講習の受講料、eラーニングの利用料、導入機器のための資格取得試験の受験料が例に挙がっています
- 店舗改装・内装工事:生産性向上に資する施設の建設、拡張、改修や、建物の付随設備の導入が対象です。断熱改修、クリーンルームの設置、レイアウト変更などが例に挙がっています。事務所の移転、老朽化による通常の修繕、居住用スペースの改修、不動産の購入、事業に直接関係のない外構工事は対象外です
- 原材料・試作:試作品の開発や、新設備の導入に伴うテスト稼働に直接必要な経費(試作用の材料費、金型代、治具の製作費など)が対象です。単価が5万円以上のものに限られます
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、萩市内で部品を製造している従業員12人の会社で、取引先からの注文を電話やFAXで受け、手書きの伝票をパソコンへ入力し直している場合を考えます。受発注システムと、手書き伝票のデータを取り込むOCRスキャナを入れると、伝票の入力や在庫の確認にかかる時間が減ることが見込めます。市のページの別表にも、受発注システム、クラウド型の生産管理・在庫管理システム、OCRスキャナが例として挙がっています。
試算としては、受発注システムの構築に60万円、OCRスキャナに30万円、合わせて90万円(税抜)を支出した場合、補助対象事業費の1/2で、補助額は45万円です。従業員20人以下の上限50万円の範囲内にあたります。消費税の部分は補助の対象外のため、税込99万円のうち、自己負担は54万円です。クラウド型で利用料を支払う場合は、事業年度内に支払いが完了するものは1年分までが対象になります。
この補助金は、賃金の引き上げが条件です。令和7年10月分の基本給と比べて、実績報告書の提出時に、常時雇用する従業員全員の賃金を、月額3.0%以上と時給50円以上のうち、いずれか低い条件で引き上げ、その後も続けます。賃上げの計画を立てたうえで、設備の導入の前に、窓口へ事前に相談するところから進めます。申請期間は2026年11月30日までです。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 萩市内に本社等がある、中小企業基本法に規定する中小企業者(個人事業者を含む)であること
- 本社等や個人の住所が市外の場合、一次産業事業者、NPO法人や社団法人などは対象外
- 令和7年10月分の基本給と比べて、実績報告書の提出時に、常時雇用する者全員の賃金が、月額3.0%以上、または時給50円以上のうち、いずれか低い条件で引き上げられていること。その後も継続すること
- 賃金引き上げの対象となる従業員から、役員、派遣労働者、短時間労働者等は除く
- 市税等に滞納がないこと
- 対象事業が、デジタル化・DXによる業務改善・効率化、省エネ化・コスト削減、高付加価値化・売上拡大、環境整備による職場改善・効率化のいずれかに当てはまる設備・機器等の導入であること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 萩市内に本社等のある、中小企業基本法に規定する中小企業者(個人事業者を含む)で、令和7年10月分の基本給と比べて従業員全員の賃金を引き上げ、その後も継続する事業者です。本社等や個人の住所が市外の場合、一次産業事業者、NPO法人や社団法人などは対象外です。
- 対象地域
- 山口県萩市
- 実施機関
- 萩市 産業政策課
申請前に知っておきたい注意点
- 設備等の導入の前に、事前に窓口へ相談します。
- 対象は、交付決定後から令和9年2月末までに、納品・支払い等の手続きが完了するものです。
- 賃金は、令和7年10月分の基本給と比べて、実績報告書の提出時に引き上げられていて、その後も継続している必要があります。引き上げの条件は、月額3.0%以上と時給50円以上のうち、いずれか低いほうです。
- 賃金引き上げの対象は常時雇用する者全員で、役員、派遣労働者、短時間労働者等は除かれます。
- 補助額は補助対象事業費の1/2で、千円未満は切り捨てです。上限は従業員規模によって異なります。
- 消費税の部分は、補助の対象になりません。
- 設備導入費と原材料費・消耗品費は、単価が5万円以上のものが対象です。
- システム導入費は、事業年度内に支払いが完了するものについては、1年分までが対象です。システムの保守・管理を主な目的とした経費は対象外です。
- 省エネ化・コスト削減のための設備・機器等は、新規導入が対象外です。
- 建物費では、単なる事務所の移転、老朽化による通常の修繕、居住用スペースの改修、不動産(土地・建物)の購入、事業に直接関係のない外構工事(門扉、フェンス、駐車場舗装など)は対象外です。
- 収支予算書には、機器等の見積書の写しやカタログ等を添付します。
- 申請書には、市県民税、法人市民税、固定資産税、国民健康保険料などの情報や、従業員の賃上げ状況に関する情報を、市が調査・収集することへの同意欄があります。
申請の手順
事前相談
設備等を導入する前に、窓口で相談します。導入機器の具体例は、市のページで公開されています。
賃上げ方針の表明
賃金を引き上げる方針を従業員代表に説明し、従業員へ表明します。表明したことを示す書類(第5号様式)を用意します。
交付申請
交付申請書(第1号様式)に、事業計画書、収支予算書、賃金引き上げ計画書、賃金の状況が分かる書類、従業員への方針表明を証する書類などを添えて提出します。
交付決定
市の審査を経て、交付が決定されます。
導入
交付決定後に、設備・機器やシステムの導入を進めます。納品・支払い等の手続きは、期限までに終えます。
賃金の引き上げ
令和7年10月分の基本給と比べて、常時雇用する従業員全員の賃金を引き上げ、その後も継続します。
実績報告
期限までに実績報告書を提出し、補助金の支給を申請します。
スケジュール
- 申請期間2026年4月1日〜11月30日
- 事前相談設備等の導入の前
- 導入(納品・支払い等の完了)交付決定後から2027年2月末まで
- 実績報告・支給申請の期限2027年2月26日(予定)
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付申請書(第1号様式)
- 事業計画書(第2号様式。事業の概要、導入予定の設備・機器等の概要、導入後に見込まれる事業効果などを書く)
- 収支予算書(第3号様式。機器等の見積書の写しやカタログ等を添付)
- 賃金引き上げ計画書(第4号様式。同じ内容が記載されていれば任意の様式でも可)
- 引き上げ前の各従業員ごとの給料支払額が分かる書類(写)
- 従業員への方針表明を証する書類(第5号様式)
- そのほか市長が必要と認める書類
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。