令和8年度予算 スキャンツール補助事業
自動車の電子装置の故障診断に使う整備機器「スキャンツール」の購入費と、その活用のための研修の受講費の一部を補助する、国土交通省の制度です。補助率は機器が1/3(検査専用のものは1/4)、研修が1/3で、1事業場あたり最大32万円。自動車整備事業者が対象で、先着順の受付が続いていますが、予算の残りはわずかと案内されています。
公式サイトの記載を 2026.10.02 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
自動車整備技術の高度化を図り、自動車の事故の防止を進めるために、自動車整備事業者へスキャンツールの導入などを支援する制度です。スキャンツールは、自動車の車載コンピュータと通信して故障診断を行う、持ち運びのできる通信インターフェースの機器で、タブレット型などの情報端末と組み合わせて使うものや、故障診断用のソフトを入れて専ら故障診断に使う情報端末も含まれます。整備能力の向上で先進安全自動車の事故を防ぎ、被害者の保護を増すことが目的とされています。
補助の内容は2つです。ひとつは、一定の要件を満たすスキャンツールの購入費で、補助率は1/3(OBD検査のみに対応した検査専用のものは1/4)、1事業場あたりの上限は30万円。もうひとつは、スキャンツールを使いこなすための研修の受講費で、補助率は1/3、上限は2万円です。対象は、補助事務局のサイトに載っている「補助対象機器一覧」「補助対象研修一覧」のものに限られ、令和8年4月1日以降に購入・受講して、令和9年1月29日までに支払いまで終えたものが対象になります。
経費の細かい条件もあります。一覧にある機器を使うために必要な追加購入機器は、同じ申請でまとめて出す場合に限って計上でき、追加購入機器だけの申請はできません。情報端末は、申請時にWindows11が入っているものが対象で、主としてスキャンツール以外の用途に使うものは対象外です。PC・スマートフォン・タブレットだけの申請もできません。故障診断用のソフトは、購入費のほか、事業期間中に支払いが済む月額・年額の利用費も対象ですが、導入開始日から1年を超える期間の利用料相当分は除きます。消費税・地方消費税、周辺機器の取得費、振込手数料は対象外で、値引きがあれば値引き後の金額で申請し、100円未満は切り捨てです。
申請の受付は令和8年8月7日(金)10時から令和9年1月29日(金)17時までで、先着順、申請は補助事務局のサイトにある申請システムからパソコンで行います。一級自動車整備士が在籍していることを証明すると、優先採択を受けられます。ただし、補助事務局は申請額が予算の90%を超えた旨を8月20日に案内しており、サイトには「予算残りわずか。申請受付終了間近」と表示されています。予算上限に達し次第、申請の受付期間を待たずに受付が終了します。
予算額を超えるおそれがあるときは、優先採択の要件を満たす事業者を優先して、ほかの申請を不受理とすることがあります。申請システムで受け付けられたあとに不受理となっても、申請に要した経費は自己負担です。購入や研修の受講を決める前に、補助事務局のサイトで受付状況を確かめる必要があります。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 機器の購入(検査専用のものを除く) | 30万円 | 1/3以内 | 補助対象機器一覧にあるスキャンツールの導入費 |
| 機器の購入(検査専用のもの) | 30万円 | 1/4以内 | 検査専用(OBD検査のみ対応)のスキャンツールの導入費 |
| 研修の受講 | 2万円 | 1/3以内 | スキャンツールを活用するための、補助対象研修一覧にある研修の受講費 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(機器は1/3以内(検査専用のスキャンツールは1/4以内)、研修は1/3以内) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 最大32万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- パソコン・周辺機器:補助対象機器一覧にあるスキャンツールの購入費が対象です。一覧の機器を使うために必要な追加購入機器は、同じ申請でまとめて出す場合に限り計上できます。情報端末は、申請時にWindows11が入っているものが対象で、主としてスキャンツール以外の用途に使うものは対象外です。PC・スマートフォン・タブレットだけの申請はできません。周辺機器の取得費も除かれます。
- ソフトウェア・クラウド:故障診断用のソフトウェアの購入費のほか、事業期間中に支払いが済む月額・年額の利用費も対象です。導入開始日から1年を超える期間の利用料相当分は対象外です。
- 研修・人材育成:スキャンツールを活用するための研修で、補助対象研修一覧にあるものの受講費が対象です(補助率1/3、上限2万円)。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、電子制御装置整備の認証を受けている(または申請する)自動車整備工場が、車載コンピュータと通信して故障診断を行うスキャンツールを新しく導入するとします。電子制御装置まわりの診断を、これまで他社に任せていた場合は、自社で診断から整備までを進められるようになり、診断の依頼や待ち時間にかけていた手間が減ります。研修もあわせて受けると、導入した機器を使いこなす準備まで補助の対象に入ります。
試算の一例です。スキャンツールの購入費が税抜90万円なら、補助率1/3で30万円が補助され、上限の30万円ちょうどになります。研修の受講費が6万円なら、補助率1/3の2万円が補助されて、こちらも上限です。合わせて32万円が補助となり、手元から出るのは機器と研修の合計96万円のうち、残りの64万円と消費税分です。検査専用のスキャンツールは補助率が1/4なので、30万円の補助を受けるには購入費が120万円必要になります。
進めるうえで注意したいのは、この補助金が購入と支払いを終えてから申請する形で、予算がなくなれば不受理になる点です。補助事務局のサイトでは予算残りわずかと案内されているので、購入を決める前に、受付状況を事務局のコールセンター(03-4446-4346)やサイトで確かめておく必要があります。一級自動車整備士が在籍している場合は、その証明を出すと優先採択を受けられます。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 道路運送車両法第78条の認証を受けた自動車特定整備事業者であること(電子制御装置整備を含む認証を受けた者、または、その認証を申請する自動車分解整備事業者に限る。すでに申請している場合も含む)
- または、自社が保有する自動車関連施設で自動車整備事業を行い(三級自動車整備士と自動車タイヤ整備士を除く自動車整備士が配置されていること)、電子制御装置整備の認証を申請する者であること(すでに申請している場合も含む)
- 同一の事業について、国が交付する他の補助金(国が特殊法人等を通じて交付するものを含む)を受けないこと
- 補助事業が完了したあとに、国土交通省や事務局が行う調査に全面的に協力すること
- 国土交通省からの補助金等停止措置・指名停止措置を受けていないこと、暴力団排除に関する誓約事項に該当しないこと、道路運送車両法と関係法令を守っていること
- 優先採択を希望する場合は、一級自動車整備士が在籍していること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 自動車整備事業者。道路運送車両法第78条の認証を受けた自動車特定整備事業者などが対象で、電子制御装置整備の認証を受けていない事業者は、今後その認証を申請する予定の者に限られます。
- 対象地域
- 全国
- 実施機関
- 国土交通省 物流・自動車局 自動車整備課(補助事務執行団体:TOPPAN株式会社)
申請前に知っておきたい注意点
- 補助事務局のサイトでは、予算の消化率が90%を超えたと案内され、現在は「予算残りわずか。申請受付終了間近」と表示されています。予算上限に達し次第、申請受付期間(令和9年1月29日)を待たずに受付が終了します。
- 受付は原則として申請順です。予算額を超えるおそれがあるときは、優先採択の要件(一級自動車整備士が在籍していることの証明)を満たす事業者を優先し、ほかの申請を不受理とすることがあります。予算上限に達したあとにシステムで受け付けられても、後日不受理となります。
- 不受理になった場合でも、申請に要した経費は全額自己負担です。補助金の交付は審査で適切と認められた場合に限って決まり、事務局が交付を保証するものではありません。
- 対象は、令和8年4月1日以降に購入・受講し、令和9年1月29日(申請受付の途中で募集を終える場合はその最終日)までに支払いまで終えたものです。
- 対象の機器・研修は、補助事務局のサイトの補助対象機器一覧・補助対象研修一覧にあるものに限られます。
- PC・スマートフォン・タブレットだけの申請はできません。情報端末は、申請時にWindows11が入っているものが対象で、主としてスキャンツール以外の用途に使うと目的外使用となり、補助金等適正化法で罰せられる場合があります。
- 消費税・地方消費税、周辺機器の取得費、振込手数料は補助対象外です。値引きがあった場合は値引き後の金額で申請し、補助金額は100円未満が切り捨てです。
- 令和8年度以降に始まった国の他の補助金で、同じ機器・研修について補助を受けた場合は、この補助金で重複して申請できません。
- 取得単価(または効用の増加価格)が50万円以上の機器は、購入の日から5年間(財産処分の制限期間)は保有する義務があります。処分する場合は事前に事務局の承認が必要で、原則として補助金の一部を返還します。
- 申請はパソコンのブラウザから申請システムで行います。紙の郵送での申請は受け付けていません。スマートフォンやタブレットは動作保証外です。
- 補助事業者自身や、100%同一資本のグループ企業、関係会社から機器等を調達する場合は、利益等排除の対象となるため、事務局に申し出ます。
- 書類に虚偽の記載があるなど不正が認められたときは、交付決定が取り消され、補助金の返還を求められます。
申請の手順
機器の購入・研修の受講
補助対象機器一覧・補助対象研修一覧を確認し、令和8年4月1日以降に購入・受講して、支払いまで終えます。機器と研修は、両方でもどちらか一方でも申請できます。
アカウント登録・交付申請
補助事務局のサイトの申請システムでアカウントを登録してログインし、パソコンから交付申請(実績報告を兼ねます)をします。経費使用明細書、請求書・領収書の写し、機器の写真などをアップロードします。
審査・交付決定
事務局が申込み順に審査し、必要に応じて現地調査を行います。交付決定通知書兼交付額確定通知書で通知されます。
請求
通知を受け取ったあと、請求書(様式第6号)と振込先がわかる書類を、申請システムで提出します。
補助金の受領
指定の口座に補助金が交付されます。
スケジュール
- 申請の受付期間令和8年8月7日(金)10時から令和9年1月29日(金)17時まで(先着順。予算がなくなり次第終了)
- 予算の状況8月20日に予算消化率が90%に達したと案内。現在は「予算残りわずか。申請受付終了間近」の表示(10月2日に補助事務局のサイトで確認)
- 対象になる期間令和8年4月1日以降に購入・受講し、令和9年1月29日までに支払いまで終えたもの
- 審査申込み順
- 請求交付決定通知書兼交付額確定通知書を受け取ったあと
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付規程様式第1号(申請システムでの入力)
- 経費使用明細書(Excel。第1号様式その2の1、その2の2)
- 自動車特定(分解)整備事業者であることを証する書面(認証書)。出せない場合は、自動車整備士である証明(合格証書の写し等)と、法人は現在事項全部証明書の写し(発行後3か月以内)、個人事業主は住民票の写し(発行後3か月以内)または自動車運転免許証の写し
- 設備費の申請:補助対象経費に係る請求書の写し
- 設備費の申請:支払いを証する書類(領収書等)の写し
- 設備費の申請:補助対象機器の写真(情報端末はWindows11が入っていることが分かるもの)
- 研修費の申請:研修受講証明書等の写し
- 研修費の申請:研修受講費の支払いを証する書類(領収書等)の写し
- 宣誓書(別紙様式1。申請システムでの入力)
- 優先採択を求める場合:一級自動車整備士が在籍していることを証明する書類
- 交付決定のあと:請求書(様式第6号)と、振込先がわかる書類
よくある質問
どのように申請したらよいですか
補助事務局のサイトの申請システムで申請します。
どのような事業者が申請できますか
車両法第78条の認証を受けた自動車特定整備事業者、または自社が保有する自動車関連設備で自動車整備事業を行う者で、電子制御装置整備の認証を申請する者(すでに申請している者も含む)が対象です。
どのようなスキャンツール機器や研修が対象になりますか
国土交通省が指定したスキャンツールの導入に要する経費(設備費)と、国土交通省が指定したスキャンツール利活用のための研修に要する経費(研修費)が対象です。PC・スマートフォン・タブレットだけの申請はできません。
すでに購入しているスキャンツールや、受講した研修も対象になりますか
補助対象機器一覧または補助対象研修一覧に該当するもので、令和8年4月1日以降に購入・受講し、令和9年1月29日までに支払いが完了(事業完了)したものであれば対象です。
複数台、複数の事業場の申請はできますか
どちらも申請できます。ただし、複数台を申請する場合の1事業場あたりの補助金限度額は、機器30万円・研修2万円です。
他の補助金を受けている場合でも、交付を受けられますか
同一の事業で、国が交付する他の補助金(国が特殊法人等を通じて交付する補助金を含む)を受けた場合は、同一の機器を重複して申請することはできません。
予算の状況によって、期限の前に申請が締め切られることはありますか
予算の消化率が90%を超えた場合、ホームページの予算消化率の表示を、受付終了間近であることを示す表示に切り替えます。予算額の超過が起きた場合は、TOPPANの判断で申請の受付を締め切ります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。