大分県省力化・生産性向上支援補助金
国の省力化投資補助金、またはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で額の確定を受けた事業者に、大分県が上乗せで補助する制度です。対象は大分県内に事業所を持つ中小企業・小規模事業者等で、ロボットや機械、システムを入れたときの費用負担を、国の分と合わせて軽くできます。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
この補助金は、県が単独で出すものではなく、国の補助金に県が上乗せする形をとっています。ロボットやIoT(機械やセンサーをネットにつないで状況を把握する仕組み)といった汎用製品、あるいはオーダーメイドの設備を入れる中小企業等の負担を軽くして、省力化と生産性向上を進めることが目的だと書かれています。つまり、まず国の補助金に採択されて事業を終えていることが、この制度に入るための前提になります。
入口は2つあります。ひとつは国の中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)で額の確定を受けた場合。カタログ注文型は補助率3/4(国1/2以下、県1/4)で上限2,250万円(国1,500万円+県750万円)、一般型は同じ補助率で上限1億750万円(国1億円+県750万円)と示されています。設備の例としては、清掃ロボット、スチームコンベクションオーブン、券売機、測量機などが挙げられています。もうひとつは国のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)のインボイス枠インボイス対応類型で、こちらは補助率3/4(国2/3以下、県1/12)、上限約430万円(国380万円+県52万5千円)。ただしデジタル化の枠は、県が定める賃上げの要件を満たすことが条件に加わります。
県が出す金額は、事業費に直接かけて決まるのではなく、国の補助金の確定額をもとに計算します。交付要綱の別表によると、通常は「国補助金の確定額の1/3以下」、国の補助金で『大幅な賃上げを行う場合』の上限が適用されたときは「1/2以下」。そのうえで従業員数ごとの上限があり、カタログ注文型なら5人以下166万6千円/6〜20人250万円/21人以上333万3千円(大幅な賃上げの場合は375万円/500万円/750万円)となっています。一般型は中小企業で5人以下250万円・6人以上500万円(大幅な賃上げなら500万円・750万円)、小規模事業者等は大幅な賃上げの場合のみで125万円・187万5千円。なお一般型では、県の補助は国補助金の補助額1,500万円までを対象とすると注記されています。金額は千円未満切り捨てです。
対象になる費用は、国の補助金の対象経費と同じ範囲です。別表には「機械装置・システムの導入・借用に要する経費(リース料を含む)」と書かれていて、買い切りだけでなくリースも入る点が使いやすいところかもしれません。逆に言えば、国の補助金の対象外だったものは、この上乗せでも見てもらえません。
申請のタイミングは、国の補助事業を終えて額の確定通知を受け取ったあと。令和9年1月29日までに大分県補助金事務局へ申請することとされ、事業実施期間も令和8年4月1日から令和9年1月29日までと定められています。支払いは精算払いで、県の交付決定書と額の確定通知書がアップロードされたのを確認してから交付請求書を出す流れです。令和8年8月7日には交付要綱が改正され、カタログ注文型の県上限額が引き上げられました(従業員5人以下は66万6千円から166万6千円、6〜20人は166万6千円から250万円へ)。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 省力化投資補助金(カタログ注文型) | 上限2,250万円(国1,500万円+県750万円) | 3/4(国1/2以下+県1/4) | 国の省力化投資補助金(カタログ注文型)で額の確定を受けた事業者 |
| 省力化投資補助金(一般型) | 上限1億750万円(国1億円+県750万円) | 3/4(国1/2以下+県1/4) | 国の省力化投資補助金(一般型)で額の確定を受けた事業者 |
| デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠インボイス対応類型) | 上限約430万円(国380万円+県52万5千円) | 3/4(国2/3以下+県1/12) | 国の同補助金で額の確定を受け、県が定める賃上げの要件を満たした事業者 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(3/4(国1/2以下+県1/4。デジタル化・AI導入の枠は国2/3以下+県1/12)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限1億750万円(一般型・国1億円+県750万円の合計)。カタログ注文型は2,250万円(国1,500万円+県750万円)、デジタル化・AI導入は約430万円(国380万円+県52万5千円) が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:国補助金の対象経費のうち、機械装置の導入・借用に要する経費(リース料を含む)が対象。清掃ロボット、スチームコンベクションオーブン、券売機、測量機などが設備例として挙げられている
- ソフトウェア・クラウド:システムの導入・借用に要する経費が対象。デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠インボイス対応類型)で額の確定を受けたITツールも、県の上乗せの対象になる
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、大分県内で従業員10人の食品加工をしている会社を思い浮かべてみます。国の省力化投資補助金(カタログ注文型)で自動洗浄機や計量機を入れ、国から補助金の確定額300万円の通知を受けたとします。この場合、県への申請可能額は300万円÷3で100万円(従業員6〜20人の通常上限250万円の範囲内)。国と県を合わせると400万円が手元に戻る計算です。仮に対象経費が600万円で国が1/2の300万円だったとすると、自己負担は200万円まで下がります。
減るのは、洗いものや計量にかかっていた手作業の時間です。朝晩1時間ずつ人が張り付いていた作業がなくなれば、その分をほかの工程や早い時間の退勤にまわせます。国の補助金でカタログから製品を選ぶところまでは同じ手間ですから、県の上乗せは「同じ申請の続きで、もう一段負担が軽くなる」という位置づけに近いかもしれません。
事務側で考えるなら、デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠インボイス対応類型)の枠があります。請求書や会計をクラウドのサービスに移して国の補助を受けたあと、県から最大52万5千円が上乗せされる形です。ただしこの枠は県が定める賃上げの要件があり、賃金台帳の写しや賃金増加率の計算表を出す必要があります。国の申請の段階から、賃金の資料をそろえておくと後が楽になりそうです。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 大分県内に事業所を有する中小企業・小規模事業者等であること
- 省力化投資の枠は、国の中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)の額の確定を受けていること
- デジタル化の枠は、国のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)インボイス枠インボイス対応類型の額の確定を受け、かつ県が定める賃上げの要件を満たしていること
- デジタル化の枠は、国の補助金でIT導入支援事業者の登録取消、またはITツールの登録取消をされていないこと
- 事務局が交付対象者として不適当と判断する者でないこと
- 暴力団・暴力団員、またはこれらと密接な関係を有する者でないこと(誓約書の提出が必要)
- 国の補助金で「最低賃金引上げに係る事業者」の補助率が適用された場合は、県の補助(省力化投資の一般型)は対象外
- 省力化製品の導入モデル事例として、県または県が委託する事業者のヒアリングや事例集づくりに協力すること(誓約事項)
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 大分県内に事業所を有する中小企業・小規模事業者等のうち、国の中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)の額の確定を受けた事業者。デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠インボイス対応類型)の枠は、国の額の確定を受け、かつ県が定める賃上げの要件を満たした事業者が対象です。
- 対象地域
- 大分県
- 実施機関
- 大分県 先端技術挑戦課(先端技術・DX推進班)/大分県省力化・生産性向上支援補助金事務局
申請前に知っておきたい注意点
- 県の補助は国の補助金への上乗せ。国の補助事業を終えて額の確定通知を受け取っていることが申請の前提になります
- 申請期限は令和9年1月29日。事業実施期間も令和8年4月1日から令和9年1月29日までと定められています
- 県の補助額は事業費ではなく「国補助金の確定額」から計算します。通常は確定額の1/3以下、国で『大幅な賃上げを行う場合』の上限が適用されたときは1/2以下。金額は千円未満切り捨てです
- 一般型では、県の補助は国補助金における補助額1,500万円までを対象とすると注記されています
- 国の補助金で「最低賃金引上げに係る事業者」の補助率が適用された場合、一般型の県補助は対象外です
- 同じ内容で他の補助金・助成金を重複して受けることは不正行為とされ、交付決定の取消しと返還請求の対象になります
- 支払いは精算払い。県の交付決定書及び額の確定通知書がアップロードされたことを確認してから交付請求書(省力化投資は第4号様式、デジタル化は第7号様式)を提出します
- 預金通帳、出納簿、契約書、領収書などの証拠書類は、補助事業が完了した日の属する年度の翌年度から5年間保管します
- 取得した財産のうち1件50万円以上のものを処分するときは、あらかじめ知事の承認が必要です
- 消費税等の申告で仕入控除税額が確定したときは、その額を知事に報告して返還します
- 国の補助金が何らかの事由で支払われなかった場合、県の交付決定は取り消されることがあります
- 令和8年8月7日に交付要綱が改正され、カタログ注文型の県上限額が引き上げられています(5人以下は66万6千円から166万6千円へ、6〜20人は166万6千円から250万円へ)
申請の手順
国の補助金に申請する
まず国の中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)、またはデジタル化・AI導入補助金(インボイス枠インボイス対応類型)に申請します
国の事業を終えて額の確定を受ける
設備やITツールの導入と支払いを終え、国から額の確定通知を受け取ります。この通知が県への申請の前提です
事前登録する
申請フォームから、国補助金の額の確定通知と誓約書(第2号様式)を登録します。デジタル化の枠はデジタル化用の誓約書(第3号様式)も登録します
実績報告を申請する
国の交付申請書類(交付決定の概要)、交付決定通知、口座情報の写しなどを提出します。デジタル化の枠は賃金増加率計算表と賃金台帳の写しも添えます
県の交付決定・額の確定を受ける
大分県から交付決定書及び額の確定通知書が届きます
交付を請求する
通知がアップロードされたことを確認してから交付請求書を提出します。補助金は精算払いで振り込まれます
スケジュール
- 事業実施期間令和8年4月1日から令和9年1月29日まで
- 申請期限令和9年1月29日まで(国の補助事業を終了し、額の確定通知を受領していること)
- 交付要綱の改正(省力化投資)令和8年8月7日施行。カタログ注文型の県上限額を改定
- 交付要綱の改正(デジタル化)令和8年3月19日更新
- 補助金の支払い精算払い。県の交付決定書及び額の確定通知書の確認後に交付請求
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 【省力化投資・事前登録時】国補助金に係る書類(額の確定通知)
- 【省力化投資・事前登録時】誓約書 第2号様式(申請システムより登録)
- 【省力化投資・実績報告時】国補助金に係る書類(交付申請書類(交付決定の概要)、交付決定通知)
- 【省力化投資・実績報告時】交付請求書(第4号様式)
- 【省力化投資・実績報告時】口座情報の写し
- 【デジタル化・事前登録時】国補助金に係る書類(額の確定通知)
- 【デジタル化・事前登録時】誓約書 第2号様式(申請システムより登録)
- 【デジタル化・事前登録時】デジタル化 誓約書 第3号様式(申請システムより登録)
- 【デジタル化・実績報告時】国補助金に係る書類(交付申請書類(交付決定の概要)、交付決定通知)
- 【デジタル化・実績報告時】賃金増加率計算表(第4号様式)
- 【デジタル化・実績報告時】賃金増加率計算表対象外従業員一覧(第5号様式)
- 【デジタル化・実績報告時】国への交付申請前1か月分の賃金台帳の写し
- 【デジタル化・実績報告時】国への交付申請から県への交付申請・実績報告までの期間における1か月分の賃金台帳の写し
- 【デジタル化・実績報告時】交付請求書(第7号様式)
- 【デジタル化・実績報告時】口座情報の写し
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。