省力化・自動化の設備に使える補助金|「カタログから選ぶ」という近道

掲載212制度のうち、ロボットや自動化設備に言及があるのは84件。締切のない随時受付の制度もあります。省力化の補助金を、工程の選び方から効果の書き方まで整理しました。

人が採れない。募集を出しても応募が来ない。だから設備で補いたい。そう考えたときに、いま最も手厚くなっているのが省力化・自動化まわりの補助金です。掲載212制度のうち、RPAやロボット、自動化設備に言及がある制度は83件ありました。この記事では、その探し方と、意外に知られていない「カタログから選ぶ」型の使い勝手をまとめます。

カタログから選ぶか、計画を立てて作るか

同じ「省力化」でも、進め方はまったく違う二つの型があります。ここを取り違えると、準備の量も期間もずれます。

カタログから選ぶ型 計画を立てて作る型
選び方 登録済みの製品一覧から選ぶ 自社に合わせて設備・システムを設計する
向いている場面 やることが決まっている定番の自動化 現場固有の工程、既存設備との連携
準備の重さ 軽い(要件が定型) 重い(事業計画の作成が要る)
締切 随時受付の制度がある 回ごとの締切がある

意外と知られていないのが、締切のない制度が存在することです。中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型は随時公募で、締切日が設定されていません。「次の公募まで待つ」必要がないぶん、思い立った時期から動けます。掲載212件のうち、締切日を設けていない通年・随時受付は34件。多数派ではありませんが、補助金=年に数回しかチャンスがないとも限りません。手が足りない会社ほど、準備の軽い型から入る意味があります。

まず、どの工程を機械に渡すかを決める

設備の話は、カタログを眺めるところから始めると迷います。先に決めるのは工程です。目安になるのは、この3つが重なっている作業です。

  • 毎日、または毎週かならず発生する
  • 手順がだいたい決まっていて、判断がほとんど入らない
  • 人がやっても、機械がやっても、できあがりが変わらない

検品、仕分け、搬送、計量、包装、そして事務側なら伝票の転記。このあたりが最初の候補になりやすいところです。事務側をソフトで減らすなら、設備の制度より業務ソフト・クラウド導入に使える補助金のほうが合うこともあります。逆に、例外対応が多く、そのつど判断が要る工程を最初に狙うと、導入後に「結局、人が張り付いている」という結果になりがちです。判断が入る部分は、設備よりも生成AIの導入に使える補助金の側で考えると噛み合う場合もあります。

効果は「時間」ではなく「人数」で書く

申請書でも社内の説明でも、効果は人数に直しておくと通りが違います。フルタイム1人の年間労働時間を約2,080時間として計算します。

工程 いまの人手 導入後 年間で減る時間
入荷検品 2名 × 2時間/日 1名 × 1時間/日 約750時間
ピッキング・仕分け 3名 × 3時間/日 2名 × 2時間/日 約1,250時間
伝票の転記 1名 × 2時間/日 0.2名 × 1時間/日 約450時間
合計 約2,450時間
2,450時間を人に直すと

2,450 ÷ 2,080 = 約1.2人分。「募集しても来ない1人」を、設備で埋めるという話になります。金額の話より、この一行のほうが社内では動きます。

※ 上の表は考え方を示すための例です。実際の数字は、自社の工程を測って入れてみてください。

賃上げとセットで、上限が変わる制度がある

ここ数年の制度で目立つのが、従業員の給与を上げることを条件に、補助の上限額が引き上がる仕組みです。従業員規模と賃上げの有無で上限が段階的に変わる設計になっている制度があり、条件を満たせるかどうかで、受け取れる額がかなり変わります。

ただし、賃上げの要件には期間と達成義務が付きます。達成できなかった場合に補助金の一部返還を求められる制度もあるため、「上限が上がるから」だけで選ぶ判断はおすすめしにくいところです。人件費の見通しと合わせて、無理のない枠を選んでおくと、結果的に落ち着きます。

入れてからが本番

最後にひとつ。省力化の設備は、入れた瞬間に効果が出るものばかりではありません。現場の動線を変え、手順書を書き直し、担当者が慣れるまでの数週間があります。この期間を見込まずに計画を立てると、実績報告のときに数字が届かないことがあります。

申請書には、導入後3か月・6か月でどこまで立ち上げるかを書いておく。それは審査のためというより、自社が迷わないための地図になります。設備の代金は先に払い、補助金が入るのはそのあとなので、その間の資金繰りは補助金は「後払い」。入金までのお金をどうつなぐかで扱っています。

設備そのものではなく、人の手順のほうを減らす選び方もあります。倉庫管理システム資機材管理システムは、機械を増やさずに数え直しと転記をなくす形の例で、どちらもデモを触れます。

省力化・自動化の制度は省力化・自動化のカテゴリから一覧できます。要件・締切・上限額は改定されます。申請前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。

この記事を書いた人
MONOSASHI 編集部
「測る」メディアの編集部。システム開発・AI・DXの実務知識を、現役エンジニアと元発注担当の視点で、判断に効く形に編集しています。
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