茅野市製造業等労務環境改善・競争力強化促進補助金
茅野市内の製造業などの中小企業が、現場で働く人の負担を減らす設備や、生産性を高める設備を買うときに、購入費の一部を市が補助します。DX(業務のデジタル化)やGX(脱炭素の取り組み)について専門家の指導を受ける費用も、別の枠で対象になります。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
茅野市が、市内の製造業などの中小企業に向けて出している補助金です。通称は「製造現場改善補助金」。経済社会情勢の変化やDX(デジタルトランスフォーメーション=データとデジタル技術を使って製品やサービス、業務の進め方を変えていくこと)、GX(グリーントランスフォーメーション=脱炭素に向けた取り組みを成長の機会と捉え、燃料や電力を再生可能エネルギーへ転換していくこと)に対応した、労務環境の改善と競争力の強化を後押しする、というのが市の説明です。中身は「設備投資事業」と「指導受入事業」の2本立てになっています。
設備投資事業で対象になるのは、設備等(器具、工具、機械、装置、ソフトウェア、建物付属設備)の購入費です。ひとつは「労務環境改善設備」で、開発や生産の過程で生じる臭気、騒音などの負担を軽くするもの。除塵機、防音装置、自動洗浄機、業務用エアコンなどが例として挙がっています。1台または1基あたり税抜10万円以上が条件です。もうひとつは「競争力強化設備」で、既存製品の生産性向上、生産品の変更、新製品の生産のために設置するもの。こちらは1台または1基あたり税抜30万円以上が条件になります。
対象外の線引きははっきり書かれています。独立した事務室や会議室、役員室のように、開発や生産の過程に関わらない場所に置くもの、来客用や福利厚生用のものは対象になりません。汎用性の高いパソコン等の購入、ソフトウェアの更新、設備等の運搬・設置・工事、既存設備の撤去も対象経費から外れます。ソフトウェアについては、専用のソフトを新しく入れる場合や、生産管理システムを新規に導入して労務環境改善などの効果を証明できる場合に限り、市長が認めれば対象になり得る、という書き方です。リースは対象になりません。中古品は対象になりますが、新品の販売価格の見積書を取って提出し、適切かどうか確認を受ける必要があります。
補助率は、買う相手が市内の事業者か市外の事業者かで変わります。労務環境改善設備は市内から買えば20%以内、市外からなら18%以内。競争力強化設備は市内から買えば10%以内、市外からなら9%以内です。上限は合計55万円、市外に事業所を有する事業者からのみ購入した場合は合計45万円。交付は同一の市内中小企業者について1年度に1回限りですが、1回の事業計画で複数の設備を買うことはできます。
もうひとつの指導受入事業は、DXまたはGXに関する専門家の指導を受ける経費が対象で、補助率は50%以内、上限は合計10万円です。設備投資事業と違って事前相談は必要ありませんが、指導を受ける前に交付申請を済ませておく必要があります。設備投資事業のほうは、事前相談の申込と市の確認、交付申請を経てから購入・設置する順番で、これより先に買ってしまうと対象外になります。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 設備投資事業(労務環境改善設備) | 合計55万円(市外の事業者からのみ購入した場合は45万円) | 2/10以内(市外の事業者から購入した場合は18%以内) | 臭気や騒音など、開発・生産の現場で働く人の負担を軽くする設備等の購入費(1台または1基が税抜10万円以上) |
| 設備投資事業(競争力強化設備) | 合計55万円(市外の事業者からのみ購入した場合は45万円) | 1/10以内(市外の事業者から購入した場合は9%以内) | 既存製品の生産性向上、生産品の変更、新製品の生産のために設置する設備等の購入費(1台または1基が税抜30万円以上) |
| 指導受入事業 | 合計10万円 | 1/2以内 | DX(業務のデジタル化)またはGX(脱炭素の取り組み)に関する専門家の指導を受ける経費 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(労務環境改善設備は2/10以内(市外に事業所を有する事業者から購入した場合は18%以内)、競争力強化設備は1/10以内(同9%以内)、指導受入事業は1/2以内) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 設備投資事業は合計55万円が上限(市外に事業所を有する事業者からのみ購入した場合は合計45万円)。指導受入事業は合計10万円が上限 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:労務環境改善設備(1台または1基が税抜10万円以上)と競争力強化設備(同30万円以上)の購入費が対象です。中古品も、新品の販売価格の見積書を添えて確認を受ければ対象になります。
- ソフトウェア・クラウド:ソフトウェアは対象となる設備等に含まれますが、更新は対象外です。専用のソフトを新規導入する場合、または生産管理システムを新規に導入して労務環境改善などの効果を証明できる場合で、市長が認めたときに限られます。
- パソコン・周辺機器:汎用性の高いパソコン等の購入は、補助対象経費になりません。
- 専門家への謝金・コンサル:指導受入事業として、DXまたはGXに関する専門家の指導を受ける経費が50%以内・合計10万円まで対象です。
- 店舗改装・内装工事:設備等の運搬、設置および工事、既存の設備等の撤去にかかる費用は、補助対象経費になりません。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、茅野市内で金属部品の加工をしている会社。切削のときの粉じんと音が作業場にこもっていて、夏場は熱もたまる。そこで集じん機と業務用エアコンを入れる、という計画を立てたとします。市内の販売店から税抜200万円で購入した場合、労務環境改善設備の補助率は20%以内なので40万円。上限55万円の範囲に収まるので、手元の負担は160万円(税別)ということになります。同じ設備を市外の事業者からだけ買うと18%以内・上限45万円になるので、見積もりを取る段階で市内に扱いのある店を当たっておくと差が出ます。
もうひとつの使い方が、指導受入事業です。受注から出荷までの進み具合を紙とホワイトボードで管理していて、聞かれるたびに現場を見に行っている、という状態は珍しくありません。ここを整理するために、DX(業務のデジタル化)に詳しい専門家に20万円で指導を受けるとすると、補助は50%以内・上限10万円なので10万円。負担は10万円です。何をどう変えるかが決まっていない段階では、いきなり設備を買うより、この枠で進め方を固めるほうが先かもしれません。
どちらも、順番だけは崩せません。設備投資事業は、事前相談を出して市の確認を受け、交付申請をしてからでないと買えない。先に発注してしまうと、内容が制度に合っていても対象外になります。年度内(令和9年3月31日まで)に購入・設置を終える必要もあるので、納期の長い設備を考えているなら、逆算して事前相談の時期を決めることになります。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 茅野市内に主たる事業所を有する中小企業者であること
- 日本標準産業分類の大分類E(製造業)を主たる事業として営むこと
- 大分類G(情報通信業)のうち中分類39(情報サービス業)を主たる事業として営むこと
- 大分類L(学術研究、専門・技術サービス業)のうち726(デザイン業。製造業に関するデザインを主たる事業とするものに限る)または743(機械設計業)を主たる事業として営むこと
- みなし大企業でないこと(発行済株式の総数または出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有、3分の2以上を大企業が所有、役員総数の2分の1以上が大企業の役員・職員を兼ねている、のいずれにも当たらないこと)
- 購入した設備を、市内に所有または賃借して使用する事業所に設置すること
- 設備投資事業は、労務環境改善設備なら1台または1基が税抜10万円以上、競争力強化設備なら税抜30万円以上であること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 茅野市内に主たる事業所を有する中小企業者のうち、製造業、情報サービス業、製造業に関するデザイン業、機械設計業を主たる事業として営む方が対象です。みなし大企業は除かれます。
- 対象地域
- 長野県茅野市
- 実施機関
- 茅野市 産業経済部 商工課 工業・産業振興係
申請前に知っておきたい注意点
- 設備投資事業は、必ず設備の購入・設置の前に事前相談申込書を出し、市の確認を受けてから交付申請を行います。事前相談や交付申請より先に購入・設置したものは対象になりません。
- 事前相談がない場合、補助金の交付申請はできません。
- 指導受入事業は事前相談は不要ですが、専門家の指導を受ける前に交付申請が必要です。事後の申請は対象になりません。
- 令和9年(2027年)3月31日までに購入・設置する計画が対象です。令和9年4月1日以降に購入する計画では申請できません。
- 対象経費は、補助金の交付を受けようとする年度に支出するものに限られます。
- リースは対象になりません。
- 市、国、他の地方公共団体などから同じ趣旨の補助金を受けようとしている、または受けた場合は対象外です。
- 現に設置されている設備と同一または同等性能の設備への取り換えなど、労務環境改善や競争力強化の効果が認められないものは対象外です。
- 過去にこの補助金を受けた設備を取り換えて新たに設置する場合、または同一の内容とみなされる指導受入事業は対象外です。
- 事業所を住居と併用していて事業所と住居部分の区分が明確でない場合、または専ら事業に使う場所と認められない場合は対象外です。
- 購入先が申請者と同一人・同一法人(関連会社を含む)とみなされる売買(代表者が同一、親会社と子会社間など)は、補助対象事業に認められません。
- 補助を受けた設備には処分制限があります。取得した年度から5年以内に目的に反して使用・譲渡・交換・貸付け・担保に供するときは市長の承認が必要で、違反すると返還になる場合があります。
- 交付は同一の市内中小企業者について1年度に1回限りです。ただし1回の事業計画で複数の設備を購入することはできます。
- 補助金の額に1,000円未満の端数があるときは切り捨てになります。
- 中古品を申請するときは、中古を扱う業者1社とメーカーから新品の販売価格が記載された見積書を取って提出します。
申請の手順
事前相談を申し込む(設備投資事業)
設備を買う前の事業計画の段階で、事前相談申込書(様式第1号)と事業計画書(様式第2号)などを商工課に提出します。
市の確認を受ける
提出した内容について市の確認を受けます。確認が済むまで次に進めません。
交付申請を出す
交付申請書(様式第3号)を提出します。事前相談のときから内容に変更がなければ、添付書類の提出は省略できます。
交付決定を受けてから購入・設置する
決定のあとに設備を購入し、市内に所有または賃借する事業所へ設置します。
実績報告を出す
事業完了日から起算して30日以内に、実績報告書(様式第7号)、設置後の現況と稼働状況が分かる写真、経費の支払を証する書類の写しなどを提出します。
補助金を請求する
補助金交付請求書(様式第9号)を提出して、補助金を受け取ります。
指導受入事業の場合
事前相談は不要です。専門家の指導を受ける前に交付申請書(様式第3号)と事業計画書などを提出し、指導後に実績報告と請求を行います。
スケジュール
- 受付開始令和8年(2026年)4月1日
- 事前相談申請の受付期限(設備投資事業)令和9年(2027年)2月28日
- 交付申請の受付期限(指導受入事業)令和9年(2027年)2月28日
- 設備の購入・設置の期限令和9年(2027年)3月31日まで
- 実績報告事業完了日から起算して30日以内
- 交付の範囲予算の範囲内で交付
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 事前相談申込書(様式第1号)※設備投資事業の事前相談時
- 事業計画書(様式第2号)
- 法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、または定款の写し
- 直近の決算書類
- 会社概要を明らかにした書類(会社内容、パンフレット、組織図等)
- 設置する設備等の仕様等が分かる製品カタログ等
- 設備投資を行う場所が分かる図面
- 設備投資を行う場所の現況写真(3枚)
- 購入先事業者の所在地等が分かる書類
- 見積書の写し(中古品の場合は、中古を扱う業者1社とメーカーから新品の販売価格が記載された見積書)
- 直近の市税の納税証明書
- 交付申請書(様式第3号)※交付申請時。事前相談時から変更がなければ添付書類は省略可
- DXまたはGXに関する専門家の指導受入に係る仕様書の写しと、その見積書の写し※指導受入事業
- 指導を行う者がDXまたはGXに関する専門性を有することが分かる書類の写し※指導受入事業
- 実績報告書(様式第7号)と、設備投資後の現況・稼働状況が分かる写真、経費の支払を証する書類の写し※実績報告時
- 補助金交付請求書(様式第9号)※請求時
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。