秋田市中小企業賃上げ基盤強化支援事業費補助金
業務の効率化につながる設備の導入や、ITツール・AIを使った業務のデジタル化にかかる費用の2分の1を、秋田市が補助します。市内で1年以上事業を続け、従業員を1人以上雇っていて、令和7年9月10日以降に1時間あたりの賃金を80円以上引き上げた中小企業者・個人事業者が対象です。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
最低賃金の引上げや物価高騰に対応できる経営体制をつくることを狙いにした補助金です。設備の導入やAIなどを使った業務のデジタル化を支援して、生産性を高め、収益力の強化につなげることが目的として掲げられています。特徴は、賃上げが要件になっている点で、令和7年9月10日以降に1時間あたりの賃金を80円以上引き上げていることが求められます。申請要領には、業務工程の改善によって従業員1人あたりの付加価値額の伸び率が年平均3%以上となることを目安とする、とも書かれています。
事業区分は2つに分かれていて、上限額が違います。機械や設備の導入で業務の効率化・高度化を図る「設備導入事業」が上限100万円、ITツールやAIで業務効率化・省人化を図る「デジタル推進事業」が上限50万円。補助率はどちらも対象事業費の2分の1以内で、交付額は千円未満を切り捨てて計算されます。要領には具体例として、薬局が全自動散薬分包機を導入して分包速度を上げる例、AIを使って原材料の発注・在庫管理を行う例が挙げられています。
対象になる費用には、はっきりした線引きがあります。まず単価3万円以上であること。設備導入事業では機械装置、運搬具、特殊車両等、ソフトウェア、工具・機器および備品が対象ですが、汎用性の高いもの、つまり一般車両やパソコン、表計算ソフトなどは除かれます。設備導入に伴う店舗や事業所の改造・改装の工事費も見てもらえます。デジタル推進事業では、ソフトウェアや機械装置などの導入費に加えて、DX推進のための専門業者(アドバイザー)への委託費、研修の受講料や外部講師への謝金といった社員育成費も対象に含まれます。なお、補助対象経費に消費税および地方消費税は含めません。
タイミングにも決まりがあります。事業は原則として交付決定のあった日以降に着手し、令和9年(2027年)1月31日までに完了させる必要があります。やむを得ず交付決定前に始める場合は、着手前に「補助金交付決定前着手届」を出しておく必要があります。補助金は事業を終えてからの精算払い(後払い)で、交付は一事業者につき1回が上限です。国・県・市などから同じ目的の補助金や交付金をすでに受けている事業は対象になりません。
申請期間は令和8年(2026年)4月1日から11月30日までですが、予算上限に達した時点で期間内でも受付は終了します。申請を希望する場合は、まず商工貿易振興課に問い合わせるよう案内されています。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 設備導入事業 | 上限100万円 | 1/2以内 | 設備機器の導入により業務の効率化・高度化を図る事業 |
| デジタル推進事業 | 上限50万円 | 1/2以内 | ITツールやAIのデジタル技術を活用し、業務効率化や省人化を図る事業 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2以内) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限100万円(設備導入事業)/上限50万円(デジタル推進事業) が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:単価3万円以上のソフトウェアが対象。ただし設備導入事業では、表計算ソフトなど汎用性の高いものは除かれる
- パソコン・周辺機器:単価3万円以上の工具・機器および備品が対象。ただし設備導入事業では、パソコンなど汎用性の高いものは除かれる
- 機械・設備:単価3万円以上の機械装置が対象(設備導入事業・デジタル推進事業とも)
- 車両・運搬具:単価3万円以上の運搬具、特殊車両等は対象。一般車両は汎用性が高いものとして対象外
- 店舗改装・内装工事:設備導入事業の工事費として、設備導入に伴う店舗や事業所等の改造・改装に要する経費が対象。設備導入を伴わない工事は区分にない
- 専門家への謝金・コンサル:デジタル推進事業の委託費として、DX推進のための専門業者(アドバイザー)への委託費用が対象。設備導入事業には委託費の区分がない
- 外注・委託:対象になるのはデジタル推進事業のDX推進のための専門業者への委託費用まで。それ以外の外注は区分にない
- 研修・人材育成:デジタル推進事業の社員育成費として、DX推進のための研修の受講料や外部研修講師への謝金等が対象。設備導入事業には研修の区分がない
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
秋田市内で食品の加工と卸をしている、従業員8人ほどの会社を思い浮かべてみます。注文は電話とファクスで入り、事務の方がそれを表計算ソフトに打ち直して、在庫は倉庫に行って紙で数える。昨年9月の賃上げで時給は80円上がったので、要件の「令和7年9月10日以降に80円以上」は満たしている状態です。
ここでデジタル推進事業を使うとします。受発注と在庫を一本で管理できるクラウドのサービスの導入に60万円、設定と業務の組み替えをDX推進のアドバイザーに委託して20万円、現場の担当者向けの研修に10万円。合計90万円(消費税抜き)です。補助率は2分の1以内なので45万円。デジタル推進事業の上限50万円に収まるため、45万円が補助され、手元から出るのは残りの45万円と消費税分ということになります。減るのは、注文の打ち直しと在庫を数えに行く往復です。1日30分でも、20営業日で10時間分になります。
もし現場そのものを変えたいなら、設備導入事業のほうが上限は100万円と大きく、設備の導入に伴う店舗や事業所の改装工事も一緒に見てもらえます。ただし単価3万円未満のものや、パソコン・表計算ソフトのような汎用性の高いものは対象から外れるので、見積もりの段階で線引きを商工貿易振興課に確認しておくと安心です。支払いは事業を終えてからの後払いで、交付は一事業者につき1回。使いどころは選んだほうがよさそうです。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 市内に主たる事業所等を有し、1年以上の事業実績がある中小企業者。または市内に施設を所有・賃借し、その施設で1年以上の事業実績がある個人事業者
- 市内の事業所に常時使用する労働者を1人以上雇用していること
- 令和7年9月10日以降、1時間あたりの労働者の賃金を80円以上引き上げていること
- 本事業を利用したことにより、事業終了後1年間は事業者の都合による人員削減を行わないこと
- 市税に滞納がないこと
- 事業者およびその代表者、役員、従業員などが暴力団等に該当せず、将来にわたっても該当しないこと
- 農業、林業、水産業を主たる事業として営む事業者は対象外
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条各項に掲げる営業を営む者、営もうとする者は対象外
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 市内に主たる事業所等を有し、1年以上の事業実績がある中小企業者。または市内に施設を所有・賃借し、その施設で1年以上の事業実績がある個人事業者。農業・林業・水産業を主たる事業として営む事業者は対象外です。
- 対象地域
- 秋田県秋田市
- 実施機関
- 秋田市産業振興部 商工貿易振興課
申請前に知っておきたい注意点
- 原則として交付決定のあった日以降に着手すること。交付決定前に始める場合は、着手前に「補助金交付決定前着手届」の提出が必要
- 事業は令和9年(2027年)1月31日までに完了させる必要がある
- 実績報告の期限は令和9年(2027年)2月26日
- 国、県、市等から現に同様の目的の補助金または交付金の交付を受けている事業は対象外
- 補助金の交付は一事業者につき1回が上限
- 補助対象経費に消費税および地方消費税は含めない。交付額は千円未満を切り捨て
- 補助金は事業を終えてからの精算払い(後払い)
- 予算上限に達し次第、申請期間内であっても受付を終了する
- 対象経費の総額や配分の変更、事業内容の変更、中止・廃止をするときは、あらかじめ市長の承認が必要(交付額に変更がなく各区分の変更が20パーセント以内の場合を除く)
- 実績報告では、実施状況や成果を示す写真、請求書・領収書など支出が確認できる資料を求められる
- 事業に係る収入・支出の帳簿と証拠書類は、事業完了後5年間保管する
- 事業終了の翌年度に、労働者名簿や賃金台帳の写しなどによる完了後の状況報告が必要
申請の手順
問い合わせ・確認
申請を希望する場合は、秋田市商工貿易振興課に問い合わせる。あわせて要綱・申請要領・よくあるご質問に目を通しておく
交付申請
補助金交付申請書、収支予算書、事業計画書、見積書、労働者名簿、賃金台帳の写しなどをそろえて、商工貿易振興課へ提出する
交付決定
市が内容を審査し、交付または不交付の決定が通知される
事業の実施
交付決定を受けてから設備導入やDX推進の取り組みに着手する。やむを得ず決定前に着手する場合は、着手前に交付決定前着手届を出しておく
実績報告
実績報告書、収支決算書、事業報告書に加え、実施状況が分かる写真や、請求書・領収書など支出が確認できる資料を提出する
額の確定・請求
市が事業の完了を確認して補助金額を確定した後、請求書を提出する
補助金の受取
精算払い(後払い)で補助金が交付される
完了後の状況報告
事業終了の翌年度に、労働者名簿、賃金台帳の写し、完了後の状況を報告する書類などを提出する
スケジュール
- 申請受付開始令和8年(2026年)4月1日
- 申請締切令和8年(2026年)11月30日
- 受付終了の条件予算上限に達し次第、期間内であっても終了
- 事業の完了期限令和9年(2027年)1月31日
- 実績報告の期限令和9年(2027年)2月26日
- 補助金の支払請求のあった日から30日以内、または令和9年(2027年)3月31日のいずれか早く到来する日まで
- 完了後の状況報告令和9年度中に市から別途指定
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 補助金交付申請書(様式第1号)
- 収支予算書(様式第2号)
- 事業計画書
- 必要経費の見積書、その他事業計画に関する資料
- 労働者名簿
- 賃金台帳の写し(賃金改定前月および賃金改定月分)
- 直近の決算書の写し(個人事業主の場合は確定申告書の写し)
- 履歴事項全部証明書(個人事業主の場合は住民票)※発行から3か月以内のもの
- 市税に未納がない証明書 ※申請月に発行されたもの
- その他市長が必要と判断した資料
- 補助金交付決定前着手届(交付決定前の着手を希望する場合のみ)
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。