北九州市生産性向上・賃金引上げ応援補助金
国(福岡労働局)の業務改善助成金を受けて賃上げと業務改善の設備投資を行った北九州市内の事業場に、市が補助対象経費の最大2/10を上乗せする制度です。あわせて、事業場内の最低賃金を70円以上引き上げた事業者には、10万円×引き上げる労働者数(1事業者あたり上限50万円)の奨励金が令和8年度から新設されています。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
物価やエネルギー価格の高騰が続くなかで、賃金を上げながら会社を続けていくには、同じ人数でこなせる仕事を増やす(=生産性を上げる)ことが要る、という考え方でつくられた制度です。北九州市は、市内の中小企業の生産性向上と最低賃金の引上げを応援するため、国の業務改善助成金に「上乗せ」する形で補助を行っています。財源は国の重点支援交付金とされています。
国の業務改善助成金は、事業場内でいちばん低い賃金を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に費用の一部を助成する制度です。市の応援補助金は、その助成金の交付額確定通知を受けた事業場に対して、業務改善に要した設備投資等の補助対象経費の最大2/10を上乗せします。国と市を合わせても補助対象経費の95%が上限で、少なくとも5%は自己負担が残る組み立てです。
順番が決まっているのが、この制度のいちばんの特徴かもしれません。先に国の業務改善助成金を申請して交付決定を受け、賃上げと設備投資を実施し、実績報告を経て交付額確定通知を受ける。市への申請はそのあとになります。市の補助金だけを単独で申請することはできません。
令和8年度からは、これとは別に「北九州市生産性向上・賃金引上げ奨励金」が新設されました。業務改善助成金の交付決定を受けたうえで、事業場内最低賃金を70円以上引き上げた事業者が対象で、金額は10万円×引き上げる労働者数(1事業者あたり上限50万円)。人数は国の業務改善助成金の事業実施計画書に基づく人数で数えます。市の案内には、上乗せ補助金制度と併せて申請できると書かれています。
申請期限は令和9年3月5日必着ですが、予算の範囲内での交付のため、期限内に受付を終了する場合があるとの注記があります。市は応援補助金・奨励金それぞれについてQAのPDFと交付要綱を公開しているので、判断に迷う点は先にそちらを確認しておくと手戻りが少なくなります。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 応援補助金(上乗せ) | 上限額の記載なし | 補助対象経費の最大2/10(国・市あわせて95%が上限) | 業務改善助成金の交付額確定通知を受けた市内の事業場 |
| 奨励金(令和8年度新設) | 1事業者あたり50万円 | 定額(10万円×引き上げる労働者数) | 業務改善助成金の交付決定を受け、事業場内最低賃金を70円以上引き上げた事業者 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(2/10以内(国・市あわせて補助対象経費の95%が上限)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 奨励金は1事業者あたり上限50万円(10万円×引き上げる労働者数)。上乗せの応援補助金は上限額の記載がなく、補助率で決まります が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:業務改善に要する設備投資等にかかる補助対象経費が対象で、導入した設備の内容や金額を証する書類(納品書、導入物の写真等)の提出が求められます
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
もし、この制度を使うなら。たとえば北九州市内で、パートを含めて10人ほどが働く食品加工の会社を思い浮かべてみます。計量と包装を手作業でこなしていて、繁忙期は残業でしのいでいる。人を増やしたいけれど募集しても集まらないし、時給も上げないと今いる人が続かない。よくある行き詰まり方だと思います。
この制度は、賃上げと設備投資をセットで動かす前提でできています。まず国の業務改善助成金で設備を入れて作業時間を減らし、そのうえで市が経費の一部を上乗せする。手を動かす順番としては、設備の見積もりを取りながら、いくら賃金を上げられるかを同時に計算していく形になります。作業が減れば残業が減り、その分を時給に回せる、という筋道です。
金額のイメージをひとつ。設備投資等の補助対象経費が100万円だった場合、市の上乗せは最大で20万円(100万円×2/10)です。ただし国と市を合わせても補助対象経費の95%までなので、少なくとも5万円は自己負担が残ります。国の助成金がいくらになるかは賃金の引上げ額と対象人数で変わるため、そこは福岡労働局の助成金の条件で確認することになります。加えて事業場内最低賃金を70円以上引き上げるなら、対象が3人であれば奨励金として30万円(10万円×3人)が別に受けられる計算です。どの設備が対象経費になるかは国の業務改善助成金の判断に沿うので、設備を決める前に労働局へ相談しておくと安心です。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 北九州市内にある事業場であること
- 令和7年4月1日以降に福岡労働局から業務改善助成金の交付決定の通知を受けていること
- 令和9年2月28日までに業務改善助成金の交付額確定通知を受けていること
- 奨励金は、令和8年4月1日から令和9年2月28日までに業務改善助成金の交付決定の通知を受けていること
- 奨励金は、事業場内最低賃金を70円以上引き上げた事業者であること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 北九州市内にある事業場で、令和7年4月1日以降に福岡労働局から業務改善助成金の交付決定の通知を受け、令和9年2月28日までに交付額確定通知を受けている事業場です。新設の奨励金は、令和8年4月1日から令和9年2月28日までに業務改善助成金の交付決定を受け、事業場内最低賃金を70円以上引き上げた事業者が対象になります。
- 対象地域
- 福岡県北九州市
- 実施機関
- 北九州市 産業経済局地域経済振興部雇用・産業人材政策課
申請前に知っておきたい注意点
- 国(福岡労働局)の業務改善助成金の交付額確定通知を受けていることが前提で、市の補助金だけを単独で申請することはできません
- 予算の範囲内で交付するため、申請期限内に受付を終了する場合があります
- 国・市あわせて補助対象経費の95%が上限で、全額が補助されるわけではありません
- 賃上げを証する書面として、賃上げ前後2か月分の賃金台帳等の写しが必要です
- 導入した設備投資等について、納品書や導入物の写真といった証拠書類が必要です
- 令和8年3月1日以降に令和7年度の業務改善助成金の交付額確定通知を受けて市に申請した事業場も、改めて令和8年度の業務改善助成金を申請し、令和9年2月28日までに交付額確定通知を受ければ、令和8年度の応援補助金に申請できます
- 令和7年度に福岡労働局へ業務改善助成金を申請した事業者は、令和7年度のチラシの補助上限額を確認するよう案内されています
- 奨励金の労働者数は、業務改善助成金の事業実施計画書に基づく人数で数えます
- 本事業は国の重点支援交付金を財源としています
申請の手順
国の業務改善助成金に申請する
まず福岡労働局(厚生労働省)の業務改善助成金に申請し、交付決定の通知を受けます
賃上げと設備投資を実施する
事業場内の最低賃金を引き上げ、業務改善に要する設備投資等を行います
交付額確定通知を受ける
業務改善助成金の実績報告を経て、交付額確定及び支給決定通知書を受け取ります
市の様式と証拠書類をそろえる
交付申請書(様式第1号)、申請総括表(様式第2号)、照会同意書・回答同意書(様式第6号・第7号)に、国の通知書の写しや賃金台帳、納品書などを添えます
事務局へ提出する
北九州市賃金引上げ・雇用関係補助金等事務局へ、郵送または電子メールで提出します
奨励金も使う場合は併せて申請する
事業場内最低賃金を70円以上引き上げる場合は、奨励金の様式一式を用意し、上乗せ補助金と併せて申請します
スケジュール
- 受付開始令和8年5月1日(金曜日)
- 業務改善助成金の交付決定(応援補助金の対象)令和7年4月1日以降
- 業務改善助成金の交付決定(奨励金の対象)令和8年4月1日から令和9年2月28日まで
- 業務改善助成金の交付額確定通知令和9年2月28日まで
- 申請期限令和9年3月5日(金曜日)必着
- 受付終了の可能性予算の範囲内での交付のため、申請期限内に受付を終了する場合あり
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 北九州市生産性向上・賃金引上げ応援補助金交付申請書(様式第1号)
- 申請統括表(様式第2号)
- 照会同意書・回答同意書(様式第6号・第7号)
- 業務改善助成金の交付額確定及び支給決定通知書(国様式第11号)の写し
- 業務改善助成金の事業実績報告書に添付した国庫補助金精算書(国様式第9号 別紙1)の写し
- 業務改善助成金の事業実績報告書に添付した事業実施結果報告(国様式第9号 別紙2)の写し
- 賃金引上げを証する書面(賃上げ前後2か月分の賃金台帳等)の写し
- 導入した設備投資等の内容や金額を証する書類(納品書、導入物の写真等)
- 通帳(写し)
- 奨励金を申請する場合は、交付決定通知書(国様式第2号-1)の写し、事業実施計画書(国様式第1号の別紙2)の写し、労働基準監督署に届け出た就業規則の写し、賃金引上げ後1か月の賃金台帳
よくある質問
市の補助金だけを単独で申請できますか
対象は業務改善助成金の交付額確定通知を受けた事業場とされているため、国の助成金を受けていることが前提になります。
応援補助金と奨励金は両方申請できますか
市の案内では、奨励金は上乗せ補助金制度と併せて申請できるとされています。
令和7年度に申請した事業場でも、令和8年度に申請できますか
令和8年3月1日以降に令和7年度の交付額確定通知を受けて市に申請した事業場が、改めて令和8年度の業務改善助成金を申請し、令和9年2月28日までに交付額確定通知を受けた場合は、令和8年度分に申請できるとされています。
提出先はどこですか
北九州市賃金引上げ・雇用関係補助金等事務局(運営:株式会社プラスアドグループ、北九州市小倉北区室町2丁目10番4号)へ、郵送または電子メールで提出します。
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。