大阪府業務改善・賃上げ促進補助金
国(厚生労働省)の業務改善助成金を使って設備投資などを行い、時給を引き上げた事業者に、大阪府が上乗せで補助する制度です。大阪府内に事業場があり、国の助成金の支給決定を受けた中小企業等が対象になります。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
物価高騰などで経営環境が厳しい府内の中小企業等が、生産性の向上や労働能率の増進につながる設備投資などに取り組み、その先に持続的な賃上げを実現できるように、という狙いで設けられた補助金です。国の中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金。以下、国助成金)を使う事業者への上乗せという位置づけで、財源には物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が充てられています。
補助額は、補助対象経費に4分の1を乗じた額です。200万円を超える場合は200万円で頭打ちになります。ここでいう補助対象経費は、府が独自に費目を並べているわけではなく、国助成金交付要綱の様式第9号別紙1「国庫補助金精算書」に記載された対象経費支出済額がそのまま使われます。つまり、何が対象になるかは国助成金の判断に沿う形になります。
要件は4つあり、大阪府内に事業場があること、国助成金の支給決定を受けていることに加えて、賃金の引き上げについて2つの条件が付いています。ひとつは、事業場内最低賃金(その事業場で雇入れ後6か月を経過した労働者のうち、最も低い時間当たり賃金)の引上げ額を、国助成金の事業実施計画書に書いた引上げ額より上回らせること。もうひとつは、引き上げ後の事業場内最低賃金を、令和8年度大阪府最低賃金の発効日の前日までに、その最低賃金額をさらに2%上回る額にすることです。国の計画どおりに上げるだけでは足りない、という設計になっています。
申請は「事前登録」と「交付申請」の2段階です。まず令和8年9月1日から事前登録を受け付け、その後、大阪労働局長から令和9年3月5日までの日付で国助成金の交付額確定・支給決定の通知を受けた事業者が、令和8年12月1日から令和9年3月10日までのあいだに交付申請(交付申請書兼実績報告書の提出)を行います。交付申請できるのは事前登録をした事業者に限られるため、先に事前登録の期間を押さえておく必要があります。
事前登録は、国助成金の申請時に提出した(または提出する)事業実施計画書の写しをもとに記入します。国助成金の申請書類は必ずコピーを手元に残しておくよう、府のページでも念を押されています。申請方法の詳細は、後日公開予定の申請マニュアルで示されるとのことです。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/4) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限200万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:補助対象経費は、国の業務改善助成金の精算書に記載された対象経費支出済額です。府が独自に費目を定めていないため、国助成金で対象と認められた設備投資などの範囲に限られます。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、大阪府内で食品加工をしている10人ほどの会社が、手作業の計量と箱詰めを機械に置き換えて、パート従業員の時給を上げるとします。まず国の業務改善助成金に申請して設備を入れ、計画どおりに事業場内最低賃金を引き上げる。そこからさらに一段上げて、国の計画書に書いた引上げ額を上回らせ、令和8年度の大阪府最低賃金を2%超える水準に届かせる。この二段構えができたときに、府の上乗せが視野に入ります。
仮に、国助成金の精算書に載った対象経費支出済額が200万円だったとすると、府の補助金はその4分の1で50万円です。600万円なら150万円、800万円で上限の200万円に届き、それ以上使っても補助額は増えません。国の助成金とは別に受け取れる分なので、設備の残り代金や、賃上げ後に増える人件費の一部を埋める原資として考えることになります。
注意しておきたいのは、動く順番です。府の補助金だけを先に押さえることはできず、国の業務改善助成金の申請が起点になります。国助成金を申請する段階で、賃上げの幅を「計画より少し上」に置けるかどうかを社内で決めておくと、あとから条件を満たすために慌てずに済みます。事前登録の受付は令和8年9月1日から、交付申請は令和8年12月1日からと、窓口が開く時期も分かれています。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 大阪府内に事業場を設置していること
- 国の業務改善助成金について、令和8年9月1日以降に大阪労働局長へ交付申請を行い、令和9年3月5日までの日付で交付額確定および支給決定の通知を受けていること
- 事業場内最低賃金の引上げ額を、国助成金の事業実施計画書に記載した引上げ額を上回る額にすること
- 引き上げ後の事業場内最低賃金を、令和8年度大阪府最低賃金の発効日の前日までに、同賃金額をさらに2%上回る額にすること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 大阪府内に事業場を設置し、国の業務改善助成金について令和8年9月1日以降に大阪労働局長へ交付申請を行い、令和9年3月5日までの日付で交付額確定および支給決定の通知を受けた事業者。あわせて、事業場内最低賃金の引き上げについて府が定める2つの要件を満たす必要があります。
- 対象地域
- 大阪府
- 実施機関
- 大阪府 商工労働部雇用推進室労働環境課 労働環境推進グループ
申請前に知っておきたい注意点
- 国の業務改善助成金を活用していることが前提の制度です。国助成金の申請をしていない場合は対象になりません。
- 事前登録をした事業者だけが交付申請に進めます。事前登録の期間(令和8年9月1日から)を逃さないようにしてください。
- 事前登録は、国助成金の申請時に提出した(または提出する)事業実施計画書の写しの内容をもとに記入します。申請書類のコピーを取っておいてください。
- 交付申請の際は、国助成金交付要綱の様式の写しが必要です。
- 国助成金の交付額確定および支給決定の通知は、令和9年3月5日までの日付のものである必要があります。
- 申請方法の詳細は、後日公開予定の申請マニュアルで示されます。申請前に必ず募集要項と補助金交付要綱を確認してください。
- 大阪府の補助金を騙るSNS広告について、府が注意喚起を出しています。
申請の手順
国の業務改善助成金を申請する
厚生労働省の業務改善助成金について、大阪労働局長へ交付申請を行います。提出した事業実施計画書の写しを手元に残しておきます。
事前登録を行う
様式第1号(事前登録書)、様式第2号(要件確認申立書)、様式第3号(暴力団等審査情報)を提出します。記入は、国助成金の事業実施計画書に書いた内容をもとに行います。
設備投資などを実施し、賃金を引き上げる
国助成金の計画に沿って取り組み、事業場内最低賃金を、計画に書いた引上げ額を上回る額、かつ大阪府最低賃金を2%上回る額にします。
国助成金の支給決定通知を受け取る
大阪労働局長から交付額確定および支給決定の通知を受けます。
交付申請(兼 実績報告)を行う
様式第4号その1(交付申請書兼実績報告書)と様式第4号その2(申請内容書)に、国助成金交付要綱の様式の写しを添えて提出します。
スケジュール
- 募集要項等の公開令和8年7月30日
- 事前登録の受付開始令和8年9月1日
- 事前登録の締切令和8年度大阪府最低賃金の発効日の前日、または令和8年11月30日のいずれか早い日
- 国助成金の交付額確定・支給決定通知令和9年3月5日までの日付のもの
- 交付申請(交付申請書兼実績報告書)の受付令和8年12月1日から令和9年3月10日まで
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 様式第1号(第5条関係)事前登録書(事前登録時)
- 様式第2号(第5条関係)要件確認申立書(事前登録時)
- 様式第3号(第5条関係)暴力団等審査情報(事前登録時)
- 様式第4号その1(第6条関係)交付申請書(兼)実績報告書(交付申請時)
- 様式第4号その2(第6条関係)申請内容書(交付申請時)
- 国助成金交付要綱の様式の写し(交付申請時)
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。