働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)
長時間労働が課題になりやすい業種の中小企業が、労働時間を減らすために設備やソフトを入れる費用を国が支援する助成金です。労務管理ソフト、デジタル式運行記録計、作業効率を上げる機械など、いわゆる「労働能率の増進に資する設備・機器」が対象になります。補助率は3/4(小規模なら4/5)で、上限額は選ぶ成果目標によって変わります。交付申請の締切は令和8年11月30日ですが、予算がなくなり次第、早期に締め切られます。
公式サイトの記載を 2026.08.10 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
この助成金は、令和6年4月から時間外労働の上限規制が適用された建設業、運送業等、病院等(病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院)、鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業、情報通信業、宿泊業を営む中小企業事業主を対象に、長時間労働の削減や休日確保に向けた取り組みを支援する制度です。
研修の実施、労務管理用ソフトウェアや機器の導入、就業規則の整備、外部専門家によるコンサルティングなどの改善事業を1つ以上行い、あわせて「時間外・休日労働の上限設定」「所定外労働時間の削減」「年次有給休暇の計画的付与の導入」「勤務間インターバルの導入」など、業種ごとに用意された成果目標のうち1つ以上を選んで、その達成を目指します。建設業には「週休2日制の推進」、病院等には「医師の働き方改革の推進」という業種特有の目標も選べます。
成果目標の達成状況に応じて助成上限額が決まり、実際に使った改善事業の費用に補助率(3/4、条件を満たせば4/5)を掛けた額と、上限額の低い方が交付されます。さらに、賃金引き上げや所定割増賃金率の引き上げを行うと、加算を受けられる仕組みもあります。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 時間外・休日労働の上限設定(初回選択) | 150万円〜250万円(36協定の時間数区分により変動) | 3/4(条件により4/5) | 建・運・病・砂・情 |
| 時間外・休日労働の上限設定(2回目以降) | 25万円または100万円 | 3/4(条件により4/5) | 建・運・病・砂・情 |
| 所定外労働時間の削減 | 50万円(5〜10時間未満削減)/100万円(10時間以上削減) | 3/4(条件により4/5) | 建・運・病・砂・情 |
| 年次有給休暇の計画的付与の導入 | 25万円 | 3/4(条件により4/5) | 建・運・病・砂・情 |
| 時間単位の年次有給休暇及び特別休暇の導入 | 25万円 | 3/4(条件により4/5) | 建・運・病・砂・情 |
| 勤務間インターバルの導入 | 60万円〜170万円(業種・導入状況・時間数により変動) | 3/4(条件により4/5) | 建・運・病・砂・情 |
| 週休2日制の推進 | 25万円〜100万円(実施前後の休日日数により変動) | 3/4(条件により4/5) | 建設業のみ |
| 医師の働き方改革の推進 | 50万円 | 3/4(条件により4/5) | 病院等のみ |
| 賃上げ加算 | 6万円〜720万円(労働者数区分・引上げ人数・引上げ率により変動) | 加算額として上限額に上乗せ | 全業種(賃上げ対象労働者を指定する場合) |
| 割増賃金率引上げ加算 | 25万円/75万円/100万円 | 加算額として上限額に上乗せ | 全業種 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(3/4(常時使用する労働者数30人以下かつ設備・機器導入等を実施し所要額30万円超の場合は4/5)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 選択した成果目標ごとに上限額を設定(建設業の成果目標①は最大250万円、成果目標②は最大100万円 等)+加算あり が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:労務管理用ソフトウェア等の導入・更新が改善事業の対象です。
- パソコン・周辺機器:原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンの導入・更新は対象となりません。
- 機械・設備:労務管理用機器、デジタル式運行記録計(デジタコ)、その他労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新が対象です。
- 専門家への謝金・コンサル:外部専門家によるコンサルティング(経営コンサルティング経費)が対象です。
- 研修・人材育成:労務管理担当者・労働者に対する研修(勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修を含む)、周知・啓発が対象です。
- 車両・運搬具:原則として、乗用自動車の導入・更新は対象となりません。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
対象になる会社
- 労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業主であること
- 資本金の額又は出資の総額及び常時使用する労働者数が業種別の基準のいずれかに該当する中小企業事業主であること(卸売業:資本金1億円以下または労働者100人以下/小売業:資本金5000万円以下または労働者50人以下/サービス業:資本金5000万円以下または労働者100人以下/病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院:労働者300人以下/その他の事業:資本金3億円以下または労働者300人以下)
- 主たる事業が、建設業、運送業等(自動車運転業務従事者を雇用)、病院等、鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業、情報通信業、宿泊業のいずれかに該当すること
- 全ての指定事業場について年休管理簿を作成していること。常時10人以上の労働者を使用する指定事業場は年次有給休暇の時季指定に関する定めがある就業規則を作成し、交付申請前に所轄労働基準監督署長に届け出ていること
- 全ての指定事業場について、労働時間等設定改善法及び労働時間等設定改善指針に基づく措置(労使の話し合いの機会の整備、苦情対応窓口の設置、労働者への事業実施計画の周知)を実施すること
- 過去5年間に助成金の不正受給がないこと、交付申請日の前日から起算して過去1年間に労働基準関係法令違反が明らかでないこと等の欠格事由に該当しないこと
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 建設業、運送業等、病院等(病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院)、砂糖製造業(鹿児島県・沖縄県)、情報通信業、宿泊業の中小企業事業主
- 対象地域
- 全国
- 実施機関
- 厚生労働省(都道府県労働局 雇用環境・均等部(室))
申請前に知っておきたい注意点
- 国の予算額に制約されるため、交付申請期限(令和8年11月30日17時)前に、予告なく早期に受付を締め切る場合があります。
- 助成対象経費は交付決定日から支給申請日までの期間に実際に支出した費用に限られ、交付決定前に発注・支出した費用は対象になりません(交付決定は原則、申請から1箇月以内)。
- 改善事業を実施できる期間は、原則として交付決定の日から当該年度の1月31日まで(砂糖製造業は3月14日まで)です。
- 過去5年間に助成金の不正受給を行っている場合や、交付申請日の前日から起算して過去1年間に労働基準関係法令違反が明らかな場合などは、交付決定を受けられません。
- 同一年度内に、同一の改善事業または成果目標について、国や地方公共団体の他の補助金(間接補助金を含む)の交付を受けている場合は、交付決定されません。
- 選択した成果目標を達成できなかった場合は、交付決定が取り消されることがあります。
申請の手順
改善事業・成果目標の検討
労務管理ソフト導入や研修等の改善事業を1つ以上、時間外労働の上限設定など業種に応じた成果目標を1つ以上選び、事業実施計画を作成する(成果目標①と②は同時選択不可、業種により選択できる目標の範囲が異なる)
交付申請
様式第1号・事業実施計画・添付書類を労働局長に提出。事業実施年度の11月30日17時までが期限
交付決定
労働局長が審査し適当と認めれば交付決定(様式第2号)。原則申請から1箇月以内。交付決定前の発注・支出は対象外
改善事業の実施
交付決定日から当該年度の1月31日(砂糖製造業は3月14日)までに改善事業を実施し、経費を実際に支出する
支給申請
様式第10号・第11号等を提出。事業実施予定期間の終期から30日後、または交付決定年度の2月5日(砂糖製造業は3月19日)のいずれか早い日までに申請
交付額の確定
労働局長が審査し、内容に適合すれば交付額を確定(様式第12号)。原則申請から1箇月以内
スケジュール
- 交付申請様式第1号(事業実施計画・添付書類含む)を労働局長に提出。事業実施年度の11月30日午後5時までが期限(令和8年度は令和8年11月30日)。
- 改善事業の実施交付決定の日から当該年度の1月31日(砂糖製造業は3月14日)までに改善事業を実施。
- 支給申請様式第10号・様式第11号等を提出。事業実施予定期間の終期から30日後の日、または交付決定を受けた年度の2月5日(砂糖製造業は3月19日)のいずれか早い日までに申請。
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 働き方改革推進支援助成金交付申請書(様式第1号)及び事業実施計画
- 働き方改革推進支援助成金支給申請書(様式第10号)
- 働き方改革推進支援助成金事業実施結果報告書(様式第11号)
- 支給申請時の就業規則の申立書(常時10人未満の労働者を使用する事業場で就業規則の届出を行っていない場合)
よくある質問
どの業種が対象ですか?
建設業、運送業等(自動車運転の業務に従事する労働者を雇用する事業主)、病院等(病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院)、鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業、情報通信業、宿泊業を主たる事業とする中小企業事業主が対象です。
補助率はどれくらいですか?
補助率は3/4です。ただし、常時使用する労働者数が30人以下で、労務管理用ソフトウェア等・機器・デジタコ等の設備・機器導入を実施し、かつその所要額が30万円を超える場合は補助率が4/5になります。
パソコンやタブレットの購入は対象になりますか?
原則として、乗用自動車やパソコン、タブレット、スマートフォンの導入・更新は対象となりません。
いつまでに申請すればよいですか?
交付申請期限は令和8年11月30日(月)午後5時です。ただし国の予算額の制約により、期限前に受付を締め切る場合があります。
成果目標はいくつ選ぶ必要がありますか?
時間外・休日労働の上限設定など、業種等に応じて選択できる成果目標のうち1つ以上を選び、その達成を目指す内容で改善事業を計画する必要があります。加えて賃上げ加算・割増賃金率引上げ加算も選択できます。
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。