金融機関連携型中小企業支援事業費補助金
倉敷市内の中小企業者が、金融機関の伴走支援を受けながら行う設備やソフトウェアの導入などを支援する制度です。デジタル化推進、海外販路開拓、事業承継、事業継続計画(BCP)推進の4つが対象で、補助率は3分の2、上限は事業に応じて100万円または50万円です。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
金融機関の伴走支援を受けながら進める取り組みに、費用の一部を出す制度です。伴走支援というのは、経営課題の把握と分析、解決策の選択と実行についての助言を、取引のある金融機関から受けること。市の説明では、社会経済の変化に対応して持続的な成長に向かう中小企業者を支えることが目的とされています。令和8年度は一次募集で予算の上限に達しなかったため、二次募集が行われています。
対象になる事業は4つに分かれます。デジタル化推進事業は、生産性の向上のためのAI、IoT、ロボット(パソコン作業を自動化するRPAを含む)の導入で、機械装置とソフトウェアの購入または借用に要する費用が対象。ここでいう購入には、既製品を買う場合だけでなく、機械装置の製作やソフトウェアの開発・カスタマイズも含まれます。借用にはリース・レンタルのほかクラウドサービスの利用も含まれ、サブスクリプション利用料を含むクラウドサービス利用料は最長1年間分が対象です。
一方で、線引きははっきりしています。機械装置やソフトウェアは専ら補助事業のために使うものが対象で、汎用性があり目的外にも使えるもの、つまりパソコン、事務用プリンタ、複合機、タブレット端末、Webカメラ、一般事務用ソフトなどは対象外。中古品の購入も認められません。機械装置の据付費(運搬費を含む)は対象に含まれます。
残る3つは、海外販路開拓事業(市場調査、外国向けの出店型ECサイト利用、外国での展示会出展、外国での企画展開催のうち2つ以上を実施するもの)、事業承継事業(自社の価値算定や売却仲介の委託)、事業継続計画(BCP)推進事業(自家発電装置や蓄電池、止水板などの設備導入)です。BCP推進事業は、岡山県BCP認定制度の認定を受けた計画か、国の認定を受けた事業継続力強化計画があることが前提になります。
手続きで注意したいのは順番です。金融機関に相談したうえで、事業計画書を出す前に必ず市の商工課へ事前相談(電話予約のうえ来庁)を行う必要があり、事前相談をしていない計画書は受け付けられません。発注や契約、購入といった着手ができるのは交付決定のあった日以後です。応募は1事業者1回、交付を受けられるのは3年度に1回までで、令和6年度または令和7年度に交付を受けた事業者は令和8年度は応募できません。審査は書類審査で、一定の水準を満たすものの中から予算の範囲内で、総合的な評価が高いものから順に採択されます。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| デジタル化推進事業 | 上限100万円 | 2/3 | 生産性の向上のためのAI、IoT、ロボット(RPA含む)の導入にかかる機械装置・ソフトウェアの購入または借用 |
| 海外販路開拓事業 | 上限100万円 | 2/3 | 市場調査、外国向け出店型ECサイトの利用、外国での展示会出展、外国での企画展開催のうち2つ以上を実施するもの |
| 事業承継事業 | 上限50万円 | 2/3 | 自社の事業に係る資産等の価値算定、または売却に係る仲介の委託 |
| 事業継続計画(BCP)推進事業 | 上限50万円 | 2/3 | 自家発電装置、無停電電源装置、蓄電池、止水板、排水ポンプなどBCPの推進に必要な設備の購入 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(2/3) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限100万円(事業承継事業と事業継続計画(BCP)推進事業は上限50万円) が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:生産性の向上のためのAI、IoT、ロボット(RPA含む)の導入に使うソフトウェアが対象で、開発やカスタマイズも購入に含まれます。一般事務用ソフトなど汎用性があり目的外使用になり得るものは対象外。中古品も対象外です
- 機械・設備:専ら補助事業のために使用する機械装置が対象で、据付費(運搬費を含む)も対象に含まれます。中古品の購入は対象外です
- パソコン・周辺機器:パソコン、事務用プリンタ、複合機、タブレット端末、Webカメラなど、汎用性があり目的外使用になり得るものは対象外とされています
- ホームページ・EC:海外販路開拓事業で、外国向けの出店型ECサイトに出店する場合の自社ページの制作・運用に係る委託費、初期登録費、月額利用料(6か月を限度)が対象です。国内向けの自社サイト制作についての記載はありません
- 展示会・販路開拓:外国で開催される展示会への出展(海外主催のオンライン展示会を含む)にかかる会場費(小間料)、会場設営費、通訳料が対象です。国内の展示会は対象事業に含まれていません
- 広告・宣伝:外国で開催される展示会への出展、または外国での企画展開催にかかる広告宣伝費が対象です。それ以外の広告宣伝についての記載はありません
- 専門家への謝金・コンサル:事業承継事業で、専門家による企業価値、事業価値、株式価値等の算定に要する費用が対象です。他の事業での専門家経費についての記載はありません
- 外注・委託:市場調査の委託費、ECサイトのページ制作・運用の委託費、売却に係る仲介の委託費(着手金、成功報酬、登録料・利用料等)など、事業ごとに定められたものが対象です。支援を受ける金融機関への支払い、親会社・子会社・関連会社や3親等以内の親族など特別な関係にある者への支払いは対象外です
- 原材料・試作:事業継続計画(BCP)推進事業では、飲料水や食料、簡易トイレ、毛布などの消耗品の購入は対象外とされています
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
倉敷市内で部品加工を続けている、社員15人ほどの工場を思い浮かべてみます。日々の生産実績や在庫の数は、現場のホワイトボードと手書きの日報で回していて、事務所ではそれを夕方にパソコンへ打ち直している。この転記の時間そのものが、毎日30分ずつ積み上がっていく。ここに、設備の稼働データを自動で集めるIoTの仕組みや、集計作業を肩代わりするRPAを入れる、というのがデジタル化推進事業の想定に近い形です。
仮に、センサーと収集ソフトウェア、初期設定まで含めて150万円かかったとします。補助率は3分の2ですから計算上は100万円で、上限とちょうど同じ。自己負担は50万円になります。もう少し小さく、90万円の構成で始めるなら補助は60万円、手元から出るのは30万円です(補助金の額は1,000円未満を切り捨てて算出されます)。ただしパソコンやタブレット、一般の事務用ソフトは対象から外れるので、見積りを取る段階で費用を分けておくと、後の説明がしやすくなります。
この制度で少し変わっているのは、金融機関の伴走支援が前提になっている点です。取引先の銀行や信用金庫に「何に困っていて、どう解決するつもりか」を先に話し、その助言を受けながら計画書を書く。市への事前相談も来庁が必要で、9月7日で締まります。設備の目星がついていて、取引金融機関に相談できる相手がいる会社ほど、動きやすい制度だと言えそうです。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者であること
- 倉敷市内に住所および事業所を有する個人事業主、または市内に主たる事業所(本社機能を有する事業所か、登記上の本店所在地で事業実態がある事業所)を有する会社であること
- 倉敷市制度融資取扱金融機関(中国銀行、広島銀行、百十四銀行、トマト銀行、山陰合同銀行、もみじ銀行、香川銀行、伊予銀行、水島信用金庫、玉島信用金庫、吉備信用金庫、おかやま信用金庫、笠岡信用組合)の伴走支援を受けること。対応してもらえる場合は市外の支店による支援も可
- 事業計画書の提出前に、市(商工課)へ電話予約のうえ来庁して事前相談を行っていること
- 市税を滞納していないこと
- 同一の事業について、市または他の団体から別の補助金の交付を受けていないこと
- 令和6年度または令和7年度にこの補助金の交付を受けていないこと
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に定める風俗営業、性風俗関連特殊営業、接客業務受託営業を行っていないこと
- 暴力団との関係を有していないこと
- 事業実施に必要な許認可など、関係法令上の要件を欠いていないこと
- 事業継続計画(BCP)推進事業は、岡山県BCP認定制度の認定を受けたBCP、または国の認定を受けた事業継続力強化計画があること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者のうち、倉敷市内に住所および事業所を有する個人事業主、または市内に主たる事業所を有する会社。主たる事業所とは、本社機能を有する事業所か、登記上の本店所在地で事業実態がある事業所を指します。
- 対象地域
- 岡山県倉敷市
- 実施機関
- 倉敷市 文化産業局 商工労働部 商工課
申請前に知っておきたい注意点
- 事業計画書を出す前に、必ず市(商工課)への事前相談が必要です。電話予約(086-426-3405)のうえ来庁します。事前相談を行っていない事業計画書は受け付けられません
- 二次募集の事前相談の実施期限は令和8年9月7日(月曜日)で、事業計画書の受付期限(9月14日)より1週間早く締まります
- 補助事業に着手できるのは交付決定のあった日以後です。着手とは発注、契約、購入などを指します
- 応募は1事業者1回まで。補助金の交付を受けられるのは3年度に1回のみで、令和6年度または令和7年度に交付を受けた事業者は令和8年度は応募できません
- 同一の事業について市または他の団体から別の補助金の交付を受ける場合は対象外です
- 支援を受ける金融機関への支払い、親会社・子会社・関連会社や3親等以内の親族など特別な関係にある者への支払いは対象外です
- 補助対象経費に、消費税、地方消費税、印紙税、登録免許税、公証人手数料相当額は含みません
- 補助対象経費の支払いは原則として銀行振込です。ポイントによる支払い、小切手や手形、他の取引との相殺は経費の支払いとして認められません
- 実績報告時は原則として請求書と領収書をセットで添付します。領収書がない場合は、内訳が分かる請求書に加えて振込明細など支払いを証するものが必要です
- 補助事業の実施にあたり、金融機関との面談が着手前、実施中、完了後の3回必須です。実績報告時には金融機関の支援実施報告書を添付します
- 審査は予算の範囲内で、総合的な評価が高いものから順に採択されます。申請すれば必ず交付されるものではありません
- 実績報告書の提出期限は令和9年3月23日(火曜日)です
- 補助金で取得した財産は、事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年を経過する日以前に処分するとき、市長の承認が必要です(取得価格または効用の増加価格が50万円未満のものを除く)
- 補助金に係る経理の証拠書類は、事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年間保存する必要があります
申請の手順
金融機関に相談する
倉敷市制度融資取扱金融機関に相談し、経営課題の把握と分析、解決策の選択について助言を受けます。金融機関からの融資を受けることは、補助金交付の要件ではありません
市に事前相談する
商工課へ電話予約のうえ来庁します。企業概要、経営課題と申請事業を実施する理由、申請事業の内容が要件を満たすかを中心にヒヤリングがあります。金融機関の同席も可能です
事業計画書を作成して提出する
金融機関の助言を受けながら、申請者自身が主体的に作成します。金融機関支援表明書や市税完納証明書などを添えて、商工課へ郵送または持参します
審査と採択の通知を受ける
必要書類がそろい要件に合致したものについて書類審査が行われ、予算の範囲内で総合評価の高いものから採択されます。内容についてヒヤリングが行われる場合があります
交付申請を行い、交付決定を受ける
採択された事業者が交付申請書を提出し、交付決定の通知を受けます。発注や契約はこの決定の後からになります
補助事業を実施する
金融機関と着手前、実施中、完了後の3回面談しながら進めます。支払いは原則銀行振込で、請求書と領収書を残しておきます
実績報告と請求を行う
実績報告書、金融機関支援実施報告書、支払いを証する書類などを提出します。額の確定後、補助金請求書を出して支払いを受けます
スケジュール
- 二次募集 事業計画書の受付令和8年7月17日(金曜日)から9月14日(月曜日)まで
- 事前相談の実施期限令和8年9月7日(月曜日)
- 採択・不採択の通知令和8年10月上旬(予定)
- 交付申請と交付決定通知令和8年10月中旬(予定)
- 実績報告の提出期限令和9年3月23日(火曜日)
- 一次募集令和8年4月1日から6月1日まで(終了)。予算の上限に達しなかったため二次募集が行われています
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 事業計画書(原本1部、写し5部)
- 金融機関支援表明書(原本1部、写し5部)
- 市税完納証明書(原本1部、3か月以内に取得したもの。個人事業主は個人分と事業主分の両方)
- 履歴事項全部証明書(法人のみ。原本1部、写し5部、3か月以内に取得したもの)
- 住民票(個人事業主のみ。原本1部、写し5部、3か月以内に取得したもの)
- 企業概要資料(会社パンフレット等)6部
- 対象経費の見積書(写し可)6部
- デジタル化推進事業:導入する機械装置、ソフトウェアの内容が分かる資料(カタログ等)6部
- デジタル化推進事業・海外販路開拓事業:直近2年分の決算関係書類の写し6部(法人は貸借対照表および損益計算書、個人は青色申告決算書または収支内訳書)
- 海外販路開拓事業:ECサイト、展示会、企画展の内容が分かる資料(カタログ、募集要項、企画書等)6部
- 事業承継事業:売却仲介委託の内容が分かる資料(契約書雛形、マッチングサービスカタログ等)1部、作成済みの場合は事業承継計画1部
- 事業継続計画(BCP)推進事業:岡山県BCP認定制度で認定されたBCPと認定証の写し、または事業継続力強化計画と認定通知書の写しのいずれか1部、購入する機械設備等の内容が分かる資料(カタログ等)1部
- 事業承継事業と事業継続計画(BCP)推進事業は、共通書類も1部のみの提出です
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。