小規模事業者等経営改善補助金
足立区内で1年以上事業を続けている小規模な会社やお店が、経営改善の計画をつくり、その計画を実行するための設備・備品の購入や店舗の改修、工場の防音・防臭工事にかかる費用の補助を受けられます。見積書の合計額の半分以上を区内の事業者から調達する場合は経費の3分の2、上限250万円まで補助されます。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
設備を買うだけの補助金ではなく、経営改善の計画をつくるところから始まる制度です。区の中小企業相談員による計画書の作成相談を必ず受けたうえで申請し、区の審査を通って認定されると、その計画を実行するための設備投資や店舗改修の費用が補助されます。認定の翌年度には区の相談員が現地を訪問し、計画の実施状況や購入した物品の使い方を確認する仕組みになっています。
コースは3つあり、併用はできません。生産力・販売力の向上を目的とした設備・備品の購入や設置工事、修理・改造にあてる「機械設備等購入費補助」、集客力の向上を目的とした店舗改修を含む「店舗改修費補助」、近隣への配慮として防音・防臭・防振などの工場改修を行う「操業環境改善費補助」です。前の2つは5万円から上限250万円、操業環境改善費補助は40万円から上限250万円と、下限額も決められています。
交付額と補助割合は、どこから調達したかで変わります。申請書に添える見積書の合計額のうち50%以上が区内事業者によるものなら「区内調達」となり、上限250万円・補助割合3分の2。50%未満なら「区外調達」となり、上限150万円・補助割合2分の1です。区外事業者からの購入そのものは認められていますが、区内から調達すると審査時の加点対象にもなると案内されています。
対象になる費用は、機械設備等の購入費・リース料(1年分が上限)・設置工事費・修理改造費・維持費、店舗改修コースならこれに設計工事費と店舗デザイン相談費が加わります。一方で、汎用的に使えるものは幅広く対象外とされていて、パソコンやタブレット、周辺機器、ソフトウエア単体、電話機やコピー機などの事務機器、消耗品費、原材料費、人件費、ちらしやネット広告といった販売促進費、ホームページの作成委託費は認められません。キャッシュレス決済端末やレジスター、機械制御用パソコンなど例外として扱われるものもあるため、迷う費目は事前に相談することが案内されています。
タイミングの制約が厳しい制度です。区の認定日から令和9年2月28日までに、契約(発注を含む)・支払・納品のすべてが完了したものだけが対象経費になります。認定前に発注したもの、令和9年3月1日以降にずれ込んだものは、いずれも対象になりません。補助金は後払いで、いったん自分で全額を支払ってから交付申請する流れです。予算枠は機械設備等購入費補助・店舗改修費補助が400件程度、操業環境改善費補助が2件程度で、予算額に達した時点で受付は終了します。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 機械設備等購入費補助 | 5万円から上限250万円(区外調達は上限150万円) | 区内調達 2/3・区外調達 1/2 | 生産力・販売力の向上を目的とした設備、備品等の購入、設置工事、修理または改造 |
| 店舗改修費補助 | 5万円から上限250万円(区外調達は上限150万円) | 区内調達 2/3・区外調達 1/2 | 集客力の向上を目的とした設備、備品等の購入または店舗改修 |
| 操業環境改善費補助 | 40万円から上限250万円 | 1/2 | 近隣住民への配慮のための防音・防臭・防振等の工場改修と、それに伴う設備の更新・導入 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(2/3(区内調達)/1/2(区外調達・操業環境改善費補助)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限250万円(見積書の合計額の50%以上が区外事業者による場合は上限150万円) が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:機械設備等の購入費、リース料(1年分が上限)、設置工事費、修理費・改造費、維持費が対象経費として挙げられています。
- 店舗改装・内装工事:店舗改修費補助の設計工事費、操業環境改善費補助の工場改修費として対象になります。ただし店舗・建物の新築、増築に関する費用は対象になりません。
- パソコン・周辺機器:パソコン、タブレット端末、スマートフォン、記憶装置、周辺機器は汎用的に使えるものとして対象外です。ただしキャッシュレス決済端末やレジスター、機械装置等の稼働に不可欠なパソコンは対象になり得ます。
- ソフトウェア・クラウド:ソフトウエアのみの購入は対象外です。機械制御用パソコンやCAD/CAM用ソフトウエア、専門性の高い機械装置に付随するソフト(ハードとの合計費用のうちソフトが概ね半額以下)は対象になり得ます。
- 専門家への謝金・コンサル:店舗改修費補助では、建築士や店舗デザイナーなどへの店舗デザイン相談費が、補助金の目的に適合する場合に対象となります。
- 車両・運搬具:車両運搬具、バイク、自転車は対象外です。ただしフォークリフトとキッチンカーは対象外から除かれています。
- ホームページ・EC:ホームページの作成委託費が対象外として挙げられています。
- 広告・宣伝:販売促進費(ちらしやカタログ、ネット広告、試供品など)が対象外として挙げられています。
- 展示会・販路開拓:展示会等出展費が販売促進費の一つとして対象外に挙げられています。
- 外注・委託:委託費が対象外として挙げられています。
- 人件費:人件費が対象外として挙げられています。
- 原材料・試作:消耗品費、原材料費が対象外として挙げられています。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
足立区で長く続けている小さな金属加工の工場が、手作業での段取り替えに時間を取られている、という状況を思い浮かべてみます。段取りの回数が多い日は、実際に削っている時間より準備している時間のほうが長い、といったことが起きます。ここで設備を入れ替えて段取りを短くできれば、残業を減らしたり、同じ人数で受けられる仕事の量を増やしたりする余地が出てきます。
仮に、区内の機械商社から180万円で設備を導入したとします。見積書の合計額がすべて区内事業者によるものなので「区内調達」となり、補助割合は3分の2。補助額は120万円、手元から出るのは60万円という計算になります。同じ設備を区外の事業者から買うと補助割合は2分の1、補助額は90万円になり、30万円の差がつきます。どこから買うかを見積もりの段階で比べておく意味があるのは、この差のためです。
お店の側でも使い道があります。セルフレジやキャッシュレス決済端末を入れてレジ締めと現金の取り扱いを減らす、という組み立ては、この制度の対象になり得ると案内されています。ただしパソコンやソフトウエア単体、ホームページの制作費は対象から外れているので、「デジタル化したい」という漠然とした動機よりも、「どの機械を入れて、どの作業を減らすのか」を計画書に書き切れるかどうかが実際の分かれ目になります。相談員との面談が必須になっているぶん、そこで詰める時間は確保されています。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 中小企業基本法の規定を準用する小規模事業者等であること
- 機械設備等購入費補助・店舗改修費補助は、製造業・建設業・運輸業・その他が従業員30人以下、商業またはサービス業が従業員10人以下であること
- 操業環境改善費補助は、製造業が従業員30人以下、機械等修理業が従業員10人以下であること
- 機械設備等購入費補助・店舗改修費補助は、申請時点で足立区で継続して1年以上同一の事業を営んでいること(法人は足立区を本店の所在地とする登記を行って1年以上経過していること)
- 操業環境改善費補助は、申請時点で足立区で継続して3年以上同一の製造業・機械等修理業を営んでいること(法人は本店登記から3年以上経過していること)
- 計画は、足立区内の、申請時点で開設後1年以上(操業環境改善費補助は3年以上)経過している事業所・店舗・工場で実行すること
- 住民税、個人事業税、法人都民税、法人事業税を滞納していないこと(操業環境改善費補助は固定資産税も含む)
- 大企業が単独で発行済株式総数または出資総額の2分の1以上を所有・出資していないこと
- 大企業が複数の事業者と合わせて発行済株式総数または出資総額の3分の2以上を所有・出資していないこと
- 役員総数の2分の1以上を大企業の役員または職員が兼務していないこと、大企業が実質的に経営に参画していないこと
- 前年度に本補助金の交付を受けていないこと
- 計画で定めた経費について、国・地方公共団体・これらに準じる公的機関から類似する補助金の交付を受けておらず、受ける見込みもないこと
- 当該年度において足立区新製品・新事業開発補助金の候補事業計画として採択されていないこと
- チェーン店、フランチャイズ店ではないこと
- 計画内容が法令等に抵触せず、必要な許認可等を取得していること
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に定める営業を営む者でないこと
- 足立区暴力団排除条例に基づく暴力団、暴力団員に該当しないこと
- 社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人、組合、有限責任事業組合は対象外
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 常時使用する従業員が30人(商業またはサービス業は10人)以下の小規模事業者等で、申請時点において足立区で継続して1年以上同一の事業を営んでいる個人または法人(法人は足立区を本店の所在地とする登記を行って1年以上経過していることが必要)。操業環境改善費補助は製造業・機械等修理業で3年以上が条件になります。
- 対象地域
- 東京都足立区
- 実施機関
- 足立区産業経済部産業振興課ものづくり振興係
申請前に知っておきたい注意点
- 区の認定日より前に契約(発注を含む)・支払・納品をしたものは対象になりません。認定前の発注は、納品がまだでも対象外です
- 令和9年3月1日以降に契約・支払・納品をしたものも対象外です。契約から支払・納品まで令和9年2月28日までに終える必要があります
- 中小企業相談員による計画書の作成相談は必須です。相談を受けずに申請することはできません
- 補助金は後払いです。いったん自分で全額を支払い、契約・支払・納品が完了してから交付申請します
- 支払いは金融機関等に記録が残る方法にします。同一取引先への50万円以上の現金払い(分割払いを含む)は対象経費として認められません
- 見積書は、項目ごとにメーカー名・型番等の記載があり金額の算定根拠が分かるものが必要です。支払条件が「現金払い」のもの、日付や見積発行者名が不明なものは受付されません
- 各コースの併用はできません
- 前年度に本補助金の交付を受けている場合は申請できません
- 同一の事業計画・補助対象経費で国などの補助金の交付を受けている場合は申請できません。事業計画も補助対象経費も異なる場合は申請できます
- 申請者による自己取引、親族が経営する事業者との取引、実質的に申請者の経営に参画している事業者との取引は対象外です
- 認定後に支払額が申請時を上回っても、認定通知書に記載された金額が交付限度額です
- 一度提出した書類の訂正や差し替えはできず、提出した書類・資料は返却されません
- 帳簿や支出根拠となる証拠書類は、計画完了後5年間の保管義務があります
- 機械設備等の区外設置や区外店舗の改修など、区外での計画実行が判明した場合は交付決定が取り消され、返還を求められることがあります
- 予算額に達し次第、受付は終了します
申請の手順
相談を予約する
相談予約票と、下書きをした申請書(経営改善計画書および確認書)を、産業振興課ものづくり振興係へ郵送・FAX・オンライン申請システムのいずれかで提出します。操業環境改善費補助は予約票の提出は不要で、まず電話で連絡します
計画書の作成相談を受ける
区役所で中小企業相談員と面談し、計画書を仕上げます。下書きした申請書、直近の確定申告書(決算書を含む)、見積書等を持参します。説明できるのは代表者または社内の担当者に限られます
認定申請書を提出する
完成した申請書を、事前に連絡したうえで産業振興課ものづくり振興係へ郵送または窓口で提出します。操業環境改善費補助は郵送できません
書類審査を受ける
区が認定基準に基づいて採点し、一定基準以上の評価を受けた計画が認定されます。認定・不認定の通知が届きます
認定された計画を実行する
認定日以降に契約(発注を含む)・支払・納品を行います。操業環境改善費補助は区の職員が訪問して実施状況を確認します
交付申請書を提出する
契約・支払・納品の完了後、支払を証明する書類を添えて速やかに提出します。複数回に分けての提出はできません
交付決定を受けて請求する
交付決定通知とともに届く請求書兼口座振込依頼書を、指定された期日までに提出します。振込先は個人事業者は事業主本人名義、法人は会社名義の口座に限られます
現地確認と実績報告に対応する
区の相談員が訪問し、計画の実施状況や購入した物品の使用状況を確認します。事業が完了した翌年度に実績報告書を提出します
スケジュール
- 相談予約票の提出期間令和8年4月1日から令和8年12月28日
- 計画書の作成相談令和8年4月1日から令和9年1月29日
- 認定申請書の提出令和8年5月1日から令和9年1月29日(予算額に達し次第受付終了)
- 審査結果の通知申請書提出後およそ1か月
- 対象経費の契約・支払・納品区の認定日から令和9年2月28日まで
- 交付申請書の提出令和9年3月5日まで
- 請求書兼口座振込依頼書の提出令和9年3月中旬まで
- 補助金の振込依頼書の提出後およそ1か月後
- 現地確認令和9年(予定)
- 実績報告令和10年3月頃(予定)
- 予算枠機械設備等購入費補助・店舗改修費補助が400件程度、操業環境改善費補助が2件程度
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 相談予約票
- 申請書(経営改善計画書および確認書)
- 直近の確定申告書(決算書を含む)
- 見積書等(項目ごとにメーカー名・型番等の記載があり、金額の算定根拠が分かるもの)
- 改修承諾書(店舗改修費補助・操業環境改善費補助で、賃貸物件で営業・操業している場合)
- 相談内容報告書(店舗改修費補助で店舗デザイン相談費を経費に含める場合)
- 交付申請書と、支払を証明する書類(通帳の写し、振込明細書、当座勘定照合表など)
- 請求書兼口座振込依頼書
- 実績報告書(事業完了の翌年度)
よくある質問
本店登記は足立区外ですが、計画は区内の事業所で実行します。申請できますか
申請できません。法人は足立区内に本店登記があることが要件です。逆に本店登記が区内でも、計画を主に区外の事業所で実行する場合は申請できません
NPO法人や医療法人も申請できますか
申請できません。社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人、組合などは中小企業基本法上の会社に該当しないと解されるため対象外です
設備や機器は区内の事業者から購入しないと対象になりませんか
区外事業者からの購入も対象になります。ただし区内事業者から購入すると交付額や補助割合が上がるほか、審査時の加点対象にもなります
機械を制御するソフトウエアの費用は対象になりますか
専門性の高い機械装置に付随するソフトウエアは、ハードとソフトの合計費用のうちソフトが概ね半額以下の場合に対象となり得ます。半額を超える場合は区のIT・IoT導入補助金が案内されます
キャッシュレス決済端末は対象経費になりますか
申請場所となる区内の店舗等で決済専用端末として使用する場合は対象になります
エアコンの購入や修理に使えますか
製造工程に関わる工場や作業場の業務用エアコン、店舗専用に設置するエアコンなど、補助金の目的に適合する場合は使えます。従業員が休憩に使う部屋のエアコンなど適合性が弱い場合は対象外です
5年契約のリースで導入する場合、リース料は対象になりますか
認定申請時は見積書にある経費が対象となるため、リース料のうち1年分を上限として対象経費に扱います。交付申請後に支払う分は対象になりません
認定前に発注した物品(まだ納入されていない)は対象になりますか
対象になりません。区の認定後に契約(発注を含む)・支払・納品が行われた物品が対象経費です
個人経営の農家や農業法人も申請できますか
農業は中小企業基本法で定める「製造業、建設業、運輸業その他の業種」に該当するため、従業員30人以下という人数要件や、農機具・ビニールハウス設備といった対象経費の条件を満たせば申請できます
税込50万円以上の物品を現金の分割払いで購入しました。対象になりますか
対象になりません。通帳や振込明細書、ATMや電子マネーの利用票など、金融機関や決済機関に支払記録が残っているものが対象です
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。