事業承継設備補助金
事業承継をきっかけに行う設備の導入や、老朽化した設備の入れ替えにかかる費用の2分の1を、江東区が補助する制度です。区内に本店と事業所があり、5年以内に事業承継を予定している、または承継後5年を経過していない中小企業者が対象になります。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
代替わりのタイミングで設備に手を入れたい、という区内の中小企業を後押しする制度です。対象になるのは、事業承継に伴って行う「競争力の強化または生産性の向上のための設備の導入」と「老朽化による設備の更新(入替えを伴う導入)」の2つ。補助率は補助対象経費の2分の1で、上限は製造業が200万円、その他の業種が100万円です。補助金額は1,000円単位で、1,000円未満は切り捨てになります。
対象になる設備は、所得税法施行令第6条第3号の機械・装置と、同条第7号の工具・器具・備品です。設備そのものの購入費や賃借料に加えて、運搬費、設置費(初期設定を含む)、更新に伴って出る既存設備の廃棄費用も対象経費に入ります。中古品も、中古品の販売事業者から買って売買契約書の写しを出せるものなら対象です。ただし、パソコンやスマートフォン、その他の電子計算機など、汎用的に使える事務機器・通信機器は対象外とされています。リースのように定期的な支払いをするものは、1年分が上限。更新で下取りが発生した場合は、更新にかかった費用から下取り額を引いた額が対象経費になります。
支払いのタイミングには決まりがあります。対象になるのは交付決定の通知日以後に支払い、実績報告の時点で支払い済みのものだけ。交付決定より前に支払った経費は対象外です。また、設置と支払いが申請年度内に完了している必要があり、年度内に終わる見込みがなくなった場合は交付決定が取り消されることがあります。
申請の前段階に、この制度ならではの手順が入ります。あらかじめ事業承継計画書を作り、江東区経営相談員の審査・確認を済ませておくことが必要です。相談は区のホームページから予約し、予約時の備考欄に「補助金申請に係る事業承継計画書の作成を希望」と入れておきます。相談が複数回になることもあるので、設備の入れ替え時期から逆算して早めに動くほうが無理がありません。さらに、申請後の計画審査時と実績報告後の2回、区が委託する中小企業診断士による現地調査(いずれも必須)が入ります。
対象外の扱いもはっきり書かれています。設備を置くのは区内事業所に限られ、区外事業所への導入は対象外。事業承継のうちM&A資金(企業合併・買収など第三者による承継)は原則対象外です。会社法上の子会社等(親会社等が中小企業者である場合を除く)、フランチャイズチェーンの加盟店として営む事業、風俗営業等に該当する事業、過去にこの要綱で補助金の交付を受けたことがある場合も対象になりません。国・東京都・公社その他の団体が実施する同種の補助金を受けている場合も対象外です。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 200万円 | 1/2 | 中小企業基本法第2条第1項第1号に規定する業種 |
| その他の業種 | 100万円 | 1/2 | 中小企業基本法第2条第1項第2号から第4号に規定する業種 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限200万円(製造業)/その他の業種は上限100万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:事業に使う機械・装置、工具・器具・備品の購入費や賃借料が対象です。運搬費、設置費(初期設定を含む)、更新に伴う既存設備の廃棄費用も含められます。中古品も、販売事業者から購入して売買契約書の写しを出せるものなら対象です。
- パソコン・周辺機器:パソコン、スマートフォンその他の電子計算機など、汎用的に使える事務機器・通信機器は対象外です。ただし機械装置を構成する一部であるなど、設置や使用の方法から汎用的に使えない機器はこの限りではないとされています。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、江東区内で金属加工を営む町工場が、先代からの代替わりを控えているとします。長く使ってきた加工機が止まるたびに手直しが入り、その都度、段取りのやり直しと納期の調整に時間を取られている。承継を機に、この加工機を入れ替える。300万円(税込)の機械なら補助は150万円、自己負担は150万円です。運搬費と据え付けの費用、それに古い機械の廃棄費用も対象経費に入れられるので、見積もりの段階からまとめて計上しておくと差が出ます。製造業の上限は200万円なので、対象経費が400万円までは2分の1がそのまま返ってくる計算になります。
製造業以外の業種でも使えますが、上限は100万円です。たとえば飲食店で厨房機器を入れ替える、検査や計測の機器を新しくするといったケース。対象経費が160万円なら補助は80万円、自己負担は80万円ということになります。ここで気をつけたいのは、パソコンやスマートフォンなど汎用的に使える機器が対象外だという点。事務作業をソフトで減らしたい、という投資には向いていません。あくまで現場に据え付ける設備が中心の制度です。
段取りの面では、申請より前の準備に時間がかかります。事業承継計画書を経営相談員と一緒に仕上げるところから始まり、相談が複数回になることもある。そのうえで申請、現地調査、交付決定、と進んで、ようやく発注できる。交付決定前の支払いは対象外なので、機械の納期が長いものほど、逆算して早めに動いておくほうが安全です。設置と支払いを申請年度内に終える必要がある点も、あわせて頭に入れておきたいところです。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者であること
- 区内に本店(個人は主たる事業所)と、補助対象事業を行う事業所があること
- 直近の法人住民税および法人事業税(個人は住民税および個人事業税)を滞納していないこと
- 申請日時点で、中小企業者からの事業承継を5年以内に予定している、または事業承継後5年を経過していないこと
- 申請日時点で、区内で引き続き1年以上事業を営んでいる、またはその方から事業を承継した者であること
- 事業承継後も区内で事業を営む意向と具体的な事業計画があり、江東区経営相談員の診断を受けて適当と認められていること
- 国、東京都、公社その他の団体が実施する同種の補助金の交付を受けていないこと
- 会社法第2条第3号の2に規定する子会社等(親会社等が中小企業者に該当する場合を除く)でないこと
- フランチャイズチェーンの加盟店として事業を営んでいないこと
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に規定する事業、これに準ずる事業を営んでいないこと
- 過去にこの要綱に基づく補助金の交付を受けていないこと
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 江東区内に本店(個人は主たる事業所)と補助対象事業を行う事業所を持つ中小企業者で、申請日時点で5年以内に事業承継を予定している方、または事業承継後5年を経過していない方が対象です。承継後も区内で事業を続ける意向と具体的な事業計画があり、江東区経営相談員の診断を受けて適当と認められていることが求められます。
- 対象地域
- 東京都江東区
- 実施機関
- 江東区 地域振興部 経済課 産業振興係
申請前に知っておきたい注意点
- 申請の前に事業承継計画書を作り、江東区経営相談員の審査・確認を完了しておく必要があります
- 交付決定の通知日より前に支払った経費は対象外です。発注や支払いは交付決定を受けてから行ってください
- 設備の設置と支払いを、申請年度内に完了させる必要があります。年度内に完了する見込みがなくなると交付決定が取り消されることがあります
- 設備を置けるのは区内事業所に限られ、区外事業所に導入する設備の経費は対象外です
- パソコン、スマートフォンなど汎用的に使える事務機器・通信機器は対象外です
- 事業承継のうち、M&A資金(企業合併・買収等の第三者による承継)は原則対象外です
- 国、東京都、公社その他の団体が実施する同種の補助金を受けている場合は対象になりません
- 過去にこの要綱に基づく補助金の交付を受けたことがある場合は申請できません
- 計画審査時と実績報告後の2回、区が委託する中小企業診断士による現地調査が必須です。原則平日9時から17時に事業所を訪問します
- 交付決定は補助金額を確定するものではありません。金額は実績報告後の審査で決まります
- 設備導入計画を変更するときは、事前に変更承認の申請が必要です
- 収支の帳簿と証拠書類は、事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年間保存します
- 補助金額は1,000円単位で、1,000円未満の端数は切り捨てです
申請の手順
事前の相談と計画づくり
区のホームページから経営相談(事業承継に関する相談)を予約し、備考欄に「補助金申請に係る事業承継計画書の作成を希望」と入力します。経営相談員の指導・助言に基づいて事業(承継)計画書を仕上げます。参考様式が区のページで配布されています
交付申請
補助対象事業を行う前に、交付申請書と設備導入計画書、経営相談員の確認を受けた事業承継計画書などを揃えて、郵送または窓口で提出します。提出先は江東区地域振興部経済課産業振興係(区役所本庁舎4階29番窓口)です
計画審査・現地調査
書類の審査を行い、要件を満たす申請について現地調査があります。区が委託する中小企業診断士が事業所を訪問し、設備導入計画書と事業承継計画書の内容に相違がないか確認します
交付決定
現地調査の結果、適当と認められると交付決定通知書と、実績報告に必要な書類が郵送されます
設備の導入・更新
設備導入計画に基づいて導入や入れ替えを行います。交付決定の通知日から実績報告までに支払った経費が対象です
実績報告
導入が完了したら、実績報告書と補助対象経費の支払を証する書類(領収書のコピー等)を提出します
報告審査・現地調査
提出書類の審査と、2回目の現地調査があります。設備導入計画書と実績報告書の内容に相違がないか確認されます
補助金額の確定と請求
成果が交付決定の内容に適合すると認められると金額が確定し、交付額確定通知書と請求書類(請求書・口座振替依頼書)が届きます。提出すると申請者名義の口座に振り込まれます
スケジュール
- 令和8年度の受付開始令和8年(2026年)4月1日(水曜日)
- 申請の受付締切令和9年(2027年)1月29日(金曜日)
- 受付終了の条件予算上限に達し次第、受付終了
- 実績報告の提出期限申請年度の2月末日まで(超過すると交付決定が取り消される場合あり)
- 事業の完了設備の設置と支払いを申請年度内に完了させること
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 江東区事業承継設備補助金交付申請書(別記第1号様式)
- 設備導入計画書(別記第2号様式)
- 事業承継計画書(経営相談員の確認を受けたもの)
- 法人は履歴事項全部証明書(個人は住民票の写し)
- 税務署に提出した開業届出書の控えまたは青色申告書の控え(個人のみ)
- 直近の法人住民税および法人事業税(個人は住民税および個人事業税)の納税証明書
- 補助対象経費の明細および額の分かる見積書等
- 導入または更新する設備の規格、形状等が分かるカタログ、パンフレット等
- このほか、区長が必要と認める書類の提出を求められる場合があります
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。