江戸川区デジタル技術活用促進助成事業(DX導入)
区内の中小企業が、データとデジタル技術を使って生産性を上げたり、新しいサービスやビジネスの形をつくったりする取り組みに、費用の3分の2以内・上限200万円を助成する制度です。対象は江戸川区内に本店または主たる事務所があり、区のDX応援隊の伴走支援を1回以上受けたことがある中小企業者等で、SDGsの達成に資する取り組みと認められた場合は助成率が5分の4以内に上がります。
公式サイトの記載を 2026.08.10 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
江戸川区が、区内の中小企業者等が生産性の向上と新しいビジネスの創出のためにデジタル技術を導入するとき、その費用の一部を助成する制度です。助成率は3分の2以内、上限は200万円。SDGsの達成に資する取り組みだと審査で判断された場合は、助成率が5分の4以内に引き上げられます。令和8年度は第2回の募集で、申請書の受付は7月1日から9月4日まで。助成件数は6件程度と募集要項に書かれています。
区が言う「DX導入」には線引きがあります。単なる機械の自動化や、工程内の生産管理ソフトの導入にとどまるものは含まれません。複数の機械などがネットワークにつながり、各種の情報やデータを集めて、解析して、活用する。そこから付加価値が生まれるところまでを指しています(AI・IoT・5G・AR・VRなど)。募集要項には、工場の機械にセンサーをつけてデータを集め機械の予知保全や生産の渋滞予測に使う、熟練者の技能をデータ化して訓練や遠隔指導に使う、RFIDタグを用いた倉庫管理と自動受発注、センサーとクラウドで食品の衛生管理データを自動収集・記録してHACCPに対応する、といった例が挙げられています。
対象になる費用には幅があります。機械装置費(機械・装置、工具・器具、パッケージソフトウェアの購入、製作、借用、改良、据付け、修繕)、コンサルティングやシステム設計・開発の委託費、既に持っている機械装置等の設計・改造・電気工事などの外注費、新たに導入するサーバーのクラウド使用料、ソフトウェアやハードウェアの利用料・使用料・リース料・運用保守経費、専門家から技術指導を受ける際の謝金や旅費、デジタル技術を習得するための講習受講料や教材費。一方で対象にならないのは、事業に直接関係のない経費、助成対象期間外に支払った経費、資料作成等の事務的経費、人件費(専門家依頼経費を除く)、飲食・娯楽・接待、消費税や振込手数料・光熱水費などの間接経費です。事務処理用のパソコンやプリンタといった汎用性のある設備も対象外とされています。また、設備投資のみを目的としているなど、特定の経費区分に著しく偏った事業は助成の対象になりません。
この制度で特徴的なのが、申請の前提として、江戸川区の「DX応援隊」(中小企業DX促進・伴走支援事業)の伴走支援を1回以上受けていることが求められる点です。セミナーや発表会等への参加は回数に数えられません。名前の似た「デジタルはじめる応援隊」の支援では要件を満たさない、とQ&Aで明記されています。申請を考えるなら、支援を受けるところから逆算して段取りを組むことになります。
助成対象期間は令和8年4月1日から令和9年3月12日まで。交付決定は10月中旬から下旬の見込みですが、決定日より前でも令和8年4月1日以降に支出した経費であれば対象になる、とQ&Aに書かれています。ただし3月12日までに支払いが済み、領収書等を提出できることが条件です。月末締め翌月払いの取引で3月納品分の支払が期限に間に合わない場合は対象として認められないため、助成事業の分だけ支払いを分けるといった段取りが要ります。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 通常 | 200万円 | 2/3以内 | データとデジタル技術を活用し、生産性向上やサービス・ビジネスモデル・業務・組織等の変革を図る取り組み |
| SDGs達成に資する取り組み | 200万円 | 4/5以内 | 事業計画書の「SDGs達成に向けた取り組みシート」に記載し、審査でSDGs達成に資すると判断された取り組み |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(2/3以内(SDGs達成に資する取り組みの場合は4/5以内)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限200万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:申請年度に新たに導入するソフトウェア等の利用料・使用料・リース料・運用保守経費がサービス利用料等として、サーバーの利用料等がクラウド使用料等として対象です。パッケージソフトウェアの購入は機械装置費に含まれます
- パソコン・周辺機器:事業目的に該当する機器は機械装置費やサービス利用料等として対象になりますが、事務処理用のパソコンやプリンタなど汎用性のある設備は対象外とされています
- 機械・設備:機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用、改良、据付け、修繕が機械装置費として対象です。ただし設備投資のみを目的とするなど、特定の経費区分に著しく偏った事業は助成の対象になりません
- 外注・委託:コンサルティングおよびシステム設計・開発の委託費、既に保有している工作機械装置等の設計・改造・電気工事等の外注作業に要する費用が対象です
- 専門家への謝金・コンサル:専門家から技術指導を受ける場合に要する謝金や旅費等が、専門家依頼経費として対象です
- 研修・人材育成:デジタル技術を習得するのに要する講習受講料や教材費等が対象です。従業員が習得するための費用も対象になります
- 店舗改装・内装工事:既に保有している工作機械装置等の設計、改造、電気工事等の外注作業は外注費として対象です。機械装置の据付けや修繕も機械装置費に含まれます
- 人件費:人件費は助成対象経費となりません(専門家依頼経費は除く)。社員がシステム開発を行った場合の人件費も対象外です
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、江戸川区で金属部品の加工をしている従業員20名ほどの会社を考えてみます。加工機が何台か並んでいるものの、稼働状況は現場のホワイトボードと紙の日報で管理していて、どの機械がいつ止まったのか、後から追いかけられない。段取り待ちなのか、材料待ちなのか、故障なのかも記録に残らない。まずDX応援隊の伴走支援で課題を整理したうえで、複数の加工機にセンサーを取り付けて稼働データを自動で集め、クラウドに蓄積して、止まった時間帯と原因を画面で見られるようにする、という組み立てが考えられます。複数の機械がネットワークにつながり、集めたデータを解析して使う形なので、区が示すDX導入の考え方には沿っています。
費用を250万円と置いてみます。センサーと通信機器の購入(機械装置費)、データを集めて表示する仕組みの開発委託(委託費)、初年度のクラウド利用料(クラウド使用料等)、現場の担当者が使い方を覚えるための講習費(デジタル技術習得経費)。助成率は3分の2以内なので、助成額はおよそ166万円、自己負担は84万円ほどという計算になります。仮にSDGsの達成に資する取り組みだと審査で判断されれば助成率は5分の4以内に上がり、250万円なら200万円が助成されて自己負担は50万円。ただし上限が200万円なので、投資額を増やしても助成額はそこで頭打ちです。
減らせるのは、日報を集めて表計算に打ち直す作業と、朝礼で「昨日どうだったか」を口頭で確認する時間、それから月末に稼働率をまとめ直す手間あたりでしょうか。数字そのものより、機械が止まっていた理由が後から見える状態になることのほうが効いてくる気がします。なお助成金は事業が完了して実績報告を出した後の交付になるため、支払いは一度自社で立て替える前提で資金繰りを組んでおく必要があります。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 江戸川区内に本店または主たる事務所(個人事業者は住所および主たる事業所)を有すること
- 個人事業者・会社(中小企業基本法第2条に規定する法人および個人)、NPO法人・医療法人・各種組合、一般社団・財団法人、社会福祉法人、労働者協同組合のいずれかに該当すること
- 中小企業グループでの申請も可能。その場合は構成企業の2/3以上が上記に該当すること
- 申請時点で江戸川区中小企業DX促進・伴走支援事業(DX応援隊)の伴走支援を1回以上受けたことがあること。セミナーや発表会等への参加は含まれません
- 資本金または従業員数が業種ごとの基準に該当すること(製造業・建設業・運輸業その他は3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業・飲食業は5000万円以下または50人以下、サービス業は5000万円以下または100人以下など)
- 前年度の法人住民税および法人事業税(個人は住民税および個人事業税)を滞納していないこと
- 助成対象期間内に事業が完了すること
- 東京信用保証協会の保証対象業種または農林水産業を営む者であり、公序良俗に反する活動を行うものではないこと
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に規定する風俗営業等を営む事業者でないこと
- 過去に本助成事業の採択を受けていないこと
- 申請事業について、国、東京都(東京都中小企業振興公社を含む)または江戸川区の他の補助等を受けていないこと
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 江戸川区内に本店または主たる事務所(個人事業者は住所および主たる事業所)を持つ中小企業者、NPO法人、医療法人、各種組合、一般社団・財団法人、社会福祉法人、労働者協同組合など。申請時点で区の「DX応援隊」の伴走支援を1回以上受けていることが条件です。
- 対象地域
- 東京都江戸川区
- 実施機関
- 江戸川区 産業経済部 経営支援課 相談係
申請前に知っておきたい注意点
- 助成対象期間は令和8年4月1日から令和9年3月12日まで。この期間内に発注(契約)し、支払いが済んでいるものが対象です。
- 交付決定(10月中旬から下旬の見込み)より前でも、令和8年4月1日以降に支出した経費であれば対象になります。
- 実績報告書の提出期限は令和9年3月12日。この日までに支払いが済み、領収書を提出できることが条件です。月末締め翌月払いで間に合わない分は認められません。
- 事務処理用のパソコンやプリンタなど、事業目的以外の汎用性設備は対象外です。現地調査等で使用目的が確認されます。
- 人件費(専門家依頼経費を除く)、資料作成等の事務的経費、飲食・娯楽・接待の経費、消費税・振込手数料・光熱水費などの間接経費は対象外です。
- 設備投資のみを目的としているなど、特定の経費区分に著しく偏った事業は対象になりません。
- 過去に本助成事業の採択を受けた事業者は再度申請できません。採択に至らなかった方や、IT導入区分のみを利用した方は申請できます。DX導入区分とIT導入区分の同一年度内の併用は可能です。
- 同一年度に同一の事業者(グループ)が応募できるのは1件のみです。
- 「デジタルはじめる応援隊」の支援では要件を満たしません。「DX応援隊」の伴走支援を受けている必要があります。
- 申請事業について、国・東京都(東京都中小企業振興公社を含む)・江戸川区の他の補助等を受けている場合は対象外です。
- 助成件数は6件程度。審査・選考により予算の範囲内で決定されます。
- 交付決定を受けた事業は原則として公開(公表)の対象です。特許の申請手続き等に支障がある場合は、申請時に申し出れば支障がなくなるまで公表されません。
- 申請書にシャチハタ等のスタンプ印は使用できません(電子申請の場合は押印不要)。
- 申請書類は返却されません。
- 助成事業に係る経理書類等は、事業終了後5年間保存する必要があります。
- 審査結果に関する問い合わせには一切応じられないとされています。
申請の手順
事前に相談する
申請を検討している場合は事前に経営支援課相談係へ連絡します。デジタル技術の導入にあたっての相談も受け付けています。
DX応援隊の伴走支援を受ける
申請時点で、江戸川区中小企業DX促進・伴走支援事業(DX応援隊)の伴走支援を1回以上受けている必要があります。セミナーや発表会等への参加は回数に含まれません。
募集要項を確認し、書類をそろえる
区の公式ページまたは受付窓口で様式を入手し、事業計画書などを作成します。募集要項の「申請者事前チェックリスト」で漏れを確認します。
申請する
申請書類を受付窓口(経営支援課相談係)へ持参または郵送します。窓口へ持参する場合は電話連絡のうえ来庁します。GビズIDを取得すれば、交付申請受付フォームからの電子申請もできます。
一次審査(書類審査)を受ける
提出した書類をもとに審査が行われ、結果が通知されます。
二次審査(プレゼンテーション)を受ける
事業実施の背景・必要性、課題と解決方法、見込まれる成果、実現可能性等を勘案して審査されます。
助成事業者の決定通知を受け取る
審査・選考の最終結果が文書で通知されます。
事業を実施する
助成対象期間内に発注し、支払いまで済ませます。期間中に中間検査があります(進捗状況により省略)。
実績報告書を提出する
事業完了後、速やかに実績報告書と、事業の概要がわかる資料、請求書・領収書の写しなどを提出します。現地調査による確認も行われます。
助成金を請求する
実績報告書の審査を経て助成額が確定し、確定通知を受け取った後、区の所定様式で請求すると助成金が振り込まれます。
スケジュール
- 申請書受付期間(第2回)令和8年7月1日(水曜)から9月4日(金曜)まで。受付時間は午前9時から午後5時(土日祝を除く)
- 一次審査(書類審査)令和8年9月上旬から9月中旬
- 書類審査結果通知令和8年9月下旬
- 二次審査(プレゼンテーション)令和8年10月14日(水曜)予定
- 助成事業者決定令和8年10月中旬から下旬
- 選考結果の通知令和8年11月上旬頃
- 中間検査令和9年1月頃(進捗状況により省略)
- 助成対象期間令和8年4月1日から令和9年3月12日まで
- 実績報告書の提出期限令和9年3月12日(金曜)
- 助成金の交付事業終了後、実績報告に基づいて交付
- 助成件数6件程度(審査・選考により予算の範囲内で決定)
- 第3回募集(予定)申請書受付は令和8年10月中旬から11月中旬。予算の範囲内で採択を行うため、採択状況によっては募集が行われない可能性があります
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 助成金交付申請書兼請求書(様式1/第1号様式)
- 事業所概要(別紙1)
- 事業計画書(別紙2)※SDGs達成に資する取り組みの場合は「SDGs達成に向けた取り組みシート」を含む
- 中小企業グループ構成・役割確認表(別紙3)※中小企業グループの場合のみ
- 中小企業グループによる共同事業に係る確認書(別紙4)※中小企業グループの場合のみ
- グループ構成企業との共同開発の実施に係る役割、費用分担、持ち分および瑕疵への対処方法等を定めた契約書 ※中小企業グループの場合のみ
- 事業概要のイメージが分かる書類(任意書式)
- 前年度の法人住民税および法人事業税納税証明書(個人の場合は住民税および個人事業税納税証明書)
- 個人事業者の場合は開業届の写しまたは直近の確定申告書の写し(事業所の所在地がわかり、税務署の受付印があるもの。電子申告の場合は受信通知を出力したもの)
- 申請者事前チェックリスト(募集要項8頁)
- その他区長が必要とする書類
よくある質問
過去にこの助成金の採択を受けましたが、別の取り組みで再度申請できますか
できません。過去に採択を受けていない方のみ申請できます。申請したものの採択に至らなかった方や、別で受付しているIT導入区分のみを利用した方は申請可能です。DX導入区分とIT導入区分を同一年度内で併用することもできます。
個人事業者でも申請できますか
区内に住所および主たる事業所を有する個人事業者は申請できます。開業届の写し、または直近の確定申告書の写し(事業所の所在地がわかるもの)が必要です。
区内に本社があれば、事業所が区外にあっても申請できますか
可能です。ただし区内の本社が名目上のみではなく、営業実態がある場合のみ対象です。営業の有無を確認されることがあります。
区外の企業を含めた連携による事業も対象ですか
区内中小企業者がグループの2/3以上であれば対象です。区外企業が負担する経費も、当該事業に必要で助成対象経費一覧に該当すれば対象になります。申請・実績報告・請求・受領は代表企業が行います。
1社(グループ)で複数の申請はできますか
できません。当該年度に同一の事業者(グループ)が応募できるのは1件に限られます。
既に着手した事業経費は対象になりますか
助成対象期間は令和8年4月1日から令和9年3月12日までです。交付決定日(10月中旬から下旬頃)より前であっても、令和8年4月1日以降に支出した経費であれば対象になります。
パソコンの購入費は対象になりますか
事務処理用のパソコンやプリンタなど、事業目的以外の汎用性設備は対象外です。事業目的に該当するものであれば対象になります。現地調査等で使用目的が確認されます。
申請書の作成を外部に委託した費用は対象になりますか
資料作成等に係る事務的経費は助成対象経費になりません。
社員がシステム開発を行った場合の人件費は対象ですか
従業員の人件費は対象外です。ただし人件費は除くものの、従業員がデジタル技術を習得するのに要する講習受講料や教材費等は対象になります。
毎月利用料が発生するシステムはどこまで対象になりますか
対象期間が申請年度(4月から翌年3月)の間のもので、実績報告時に精算済みの経費が対象です。年額を一括で支払っている場合は、申請年度に導入したものであれば導入後1年間までの利用料を対象にできます。
区外の自社の事業所に機械装置等を設置する場合も対象になりますか
原則として、自社(グループ構成員)の所有で、その者の事業所に設置するものが対象です。区外の自社工場に設置する場合も対象になります。
領収書の代わりに銀行振込明細を提出できますか
振込金額、振込先、振込先の口座番号、振込日等が確認でき、対象経費が確実に支払われたことが客観的にわかるものであれば提出できます。
事業が完了しないと助成金は交付されませんか
助成対象期間内(令和9年3月12日まで)に事業が完了し、同期間内に実績報告書を提出することが交付の条件です。
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。