商業・サービス業事業継続力強化支援事業補助金
荒川区内の商業・サービス業の中小企業者が、販売や接客の現場に直接必要な設備・備品・ITツールの導入や、チラシ・ホームページ・インターネット広告といったマーケティング活動にかかる費用の補助を受けられる制度です。通常の補助率は4分の1・上限100万円で、賃上げ要件を満たすと2分の1・上限200万円、区のデジタル化支援事業を受講した場合は補助率2分の1・上限200万円の特例が使えます。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
社会構造の変革や市場環境の変化に対応するために行う販売活動、役務提供活動その他の事業活動に、直接的に必要な設備・備品・ITツールの導入と、マーケティング活動を対象にした補助金です。荒川区内で1年以上事業を続けている商業・サービス業の中小企業者が使えます。
対象になるものの例は幅が広めです。デジタル関連ではPOSレジシステム、業務用ソフト、システム開発、会計システム。ほかにLED照明の取付工事や業務用省エネ冷蔵庫、店舗内のバリアフリー工事、転倒防止機能付きの陳列棚、非常用電源装置、店舗内に設置する防犯カメラや空気清浄機が挙げられています。市場環境の変化に対応するものとしては、店舗の内装工事、看板の設置、店舗正面の外観やファサードの改修、食器洗浄機・券売機・配膳ロボットなど生産性向上につながる設備、販売促進用のチラシ・ポスター・ホームページ制作、インターネット広告、SNSに係る経費も対象例に入っています。
一方で、対象外の線引きははっきり書かれています。複写機、パソコン、タブレット、ルーター、カメラ、スマートフォン、モニター、プリンター等の周辺機器、電話、事務用机・椅子は「補助事業以外にも使用できる汎用性の高いもの」として外れます。営業車やオートバイなどの車両、建物・倉庫・天井・建物全体の外壁塗装といった建築物・構築物、インターネットやサーバーの維持・管理費、ソフトウェアの更新費や保証料、調味料や文房具などの消耗品、ノベルティグッズや販促品も対象外です。ソフトを新しく入れるのは対象でも、いま使っている契約の更新料は対象にならない、という線引きになります。
区分は3つあります。通常は補助率4分の1・上限100万円ですが、賃上げ要件(申請月の前月から遡る12か月間の給与支給総額を、そこからさらに遡る12か月間より2%以上増加させる/事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする)を満たすと2分の1・上限200万円になります。新たな商品・サービスの開発や販路開拓を対象とする新商品販路開拓特例と、デジタル化支援特例は補助率2分の1。デジタル化支援特例は、区が実施する中小企業デジタル化支援事業の受講を完了し、受講した日に属する会計年度から翌年度までの期間に設備投資等を行う場合に限られます。
申請の順番に気をつけたい制度です。設備等の設置と代金の支払いが完了する約3週間前までに、事前の申請が必要とされています。交付決定の前に設置した設備や、代金の支払いがすべて完了した設備は対象になりません。申請受付の期限は令和9年(2027年)2月12日、設置と支払いは令和9年3月末までに完了している必要があります。申請後には、設備投資の内容審査と実効性を高めるため、専門家による経営アドバイスを受ける手順も入ります。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 通常 | 100万円(賃上げ要件を満たすと200万円) | 1/4(賃上げ要件を満たすと1/2) | 社会構造の変革又は市場環境の変化に対応するために行う販売活動、役務提供活動その他の事業活動に直接的に必要な設備、備品又はITツールの導入及びマーケティング活動 |
| 新商品販路開拓特例 | 記載なし | 1/2 | 新たな商品もしくはサービスの開発、又は新たな販路の開拓のために区長が必要と認める事業 |
| デジタル化支援特例 | 200万円 | 1/2 | デジタル技術を用いて業務効率化又は販路拡大につなげるために必要なシステムの構築及び導入等を行う事業(区が実施する中小企業デジタル化支援事業の受講完了が条件) |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/4(賃上げ要件を満たすと1/2)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限100万円(賃上げ要件を満たすと200万円)/デジタル化支援特例は200万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:POSレジシステム、業務用ソフト、システム開発、会計システムの導入は対象。インターネットやサーバーの維持・管理費、ソフトウェアの更新費、保証料は対象外
- パソコン・周辺機器:複写機、パソコン、タブレット、ルーター、カメラ、スマートフォン、モニター、プリンター等の周辺機器、電話、事務用机・椅子は、汎用性の高い事務機器として対象外
- 機械・設備:食器洗浄機、券売機、配膳ロボットなど生産性向上につながる設備、業務用省エネ冷蔵庫、転倒防止機能付き陳列棚、非常用電源装置、製菓用金型などが対象例
- ホームページ・EC:販売促進用のホームページ制作がマーケティング活動の対象例に挙げられている
- 広告・宣伝:販売促進用のチラシ・ポスター、インターネット広告、SNSに係る経費が対象例
- 店舗改装・内装工事:店舗の内装工事、看板の設置、店舗正面の外観やファサードの改修、バリアフリー工事、LED照明取付工事は対象。建物・倉庫・天井・建物全体の外壁塗装など建築物・構築物は対象外
- 車両・運搬具:営業車、オートバイ、自転車等の車両は対象外
- 原材料・試作:調味料、衛生用品、文房具、照明器具の交換用ランプなどの消耗品は対象外
- 通信費・利用料:インターネットやサーバーの維持・管理費は対象外
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
荒川区で長く続けている飲食店を思い浮かべます。注文は手書きの伝票、売上の集計は閉店後に電卓、予約は電話とノートで受けている。日々の営業は回っていても、レジ締めと売上のまとめが毎日そのまま残る、という状態です。この制度は、そこにPOSレジシステムや業務用ソフトを入れる費用を後押しします。あわせて、券売機や配膳ロボットのような接客の手を減らす設備、販売促進用のホームページ制作やインターネット広告も同じ枠で見てもらえます。
仮にPOSレジと予約管理のシステムを合わせて60万円で導入するとします。通常区分の補助率4分の1なら補助は15万円、手元からの持ち出しは45万円。賃上げ要件(給与支給総額を前の12か月より2%以上増やす、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする)を満たしていれば補助率2分の1で補助30万円、持ち出しは30万円になります。区の中小企業デジタル化支援事業を受講してデジタル化支援特例を使う場合も補助率は2分の1で、上限が200万円まで広がるため、システムの構築まで含めて考えたいときはこちらが視野に入ります。
見積もりの段階で確認しておきたいのが、対象外の線引きです。レジや業務用ソフトのようなシステムは対象でも、パソコン、タブレット、プリンターなどの周辺機器は汎用性の高い事務機器として対象外に挙げられています。ソフトウェアの更新費や保証料も外れます。どこまでが対象になるかを産業振興課に先に相談し、発注は交付決定を待ってから。この順番を崩さないだけで、後戻りはかなり減ります。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 中小企業基本法に規定する商業・サービス業の中小企業者であること
- 荒川区内に本社(法人は登記上の本店、個人事業主は主たる事業所)を有することとなった日から起算して1年以上、区内で継続して事業を営んでいること
- 引き続き区内で継続して事業を営む意向があること
- 大企業が経営に実質的に参画していないこと
- 法人は申告の完了した直近の事業年度分の法人都民税、個人事業主は令和7年度(令和6年分)の個人住民税を滞納していないこと
- 荒川区暴力団排除条例第2条第2号及び第3号に規定する者が経営に関与していないこと
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に規定する風俗営業等を営む者でないこと
- その他、区長が補助金を交付することが適当でないと認める事業者でないこと
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 中小企業基本法に規定する商業・サービス業の中小企業者で、荒川区内に本社(法人は登記上の本店、個人事業主は主たる事業所)を有することとなった日から1年以上、区内で継続して事業を営んでいる事業者。法人都民税または個人住民税を滞納していないことなどの要件もあります。
- 対象地域
- 東京都荒川区
- 実施機関
- 荒川区 産業経済部産業振興課商業振興係
申請前に知っておきたい注意点
- 交付決定前に設置した設備や、代金の支払いがすべて完了した設備は補助対象にならない
- 設備等の設置と代金の支払いが完了する約3週間前までに、事前の申請が必要
- 申請受付の期限は令和9年(2027年)2月12日(金曜日)
- 設備等の設置と代金の支払いは、令和9年(2027年)3月末までに完了していること
- クレジットカード払いは、令和9年3月末までに支払口座から請求金額が引き落とされているものだけが対象
- ギフト券・商品券・金券での支払いや、ポイントとの引き換え分は補助対象外
- 補助金申請後に、専門家による経営アドバイスを受ける必要がある
- デジタル化支援特例は、区の中小企業デジタル化支援事業の受講を完了し、受講した日に属する会計年度から翌年度までの期間に設備投資等を行う場合に限られる
- 来庁の際は、待ち時間が出ないようあらかじめ電話で予約する
- 荒川区外に住む個人事業主は、荒川区個人住民税(事業所課税分)の書類も必要になる
申請の手順
内容を確かめる
区の公式ページに掲載されたパンフレットで、対象になる設備や経費、必要な手続きを確認する。来庁前に電話で予約する
事前に申請する
設備等の設置と代金の支払いが完了する約3週間前までに、産業振興課商業振興係へ申請する
交付決定を受ける
交付決定の前に設置や支払いを済ませてしまうと対象外になるため、決定を待つ
専門家のアドバイスを受ける
設備投資の内容審査と実効性を高めるため、申請後に専門家による経営アドバイスを受ける
導入して支払う
補助対象期間内に、設備等の設置と代金の支払いを完了させる
スケジュール
- 申請のタイミング設備等を導入する約3週間前まで
- 申請受付の期限令和9年(2027年)2月12日(金曜日)
- 設備等の設置・支払いの期限令和9年(2027年)3月末まで
- クレジットカード払いの扱い令和9年3月末までに支払口座から引き落とされたものが対象
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 荒川区外に住む個人事業主は、荒川区個人住民税(事業所課税分)の領収書、または納税証明書・非課税証明書の写し
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。