長野県中小企業賃上げ・生産性向上サポート補助金
国の業務改善助成金の支給決定を受けた長野県内の中小企業に、県がその支給決定額の1/10(一定の認証を持つ企業は2/10)を上乗せして補助します。賃金の引き上げと、設備投資による人手不足への対応をあわせて進める企業が対象です。
公式サイトの記載を 2026.08.11 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
この補助金は単独で申し込むものではなく、国の業務改善助成金に県が上乗せする形の制度です。県内中小企業の賃上げと設備投資の後押しによって人手不足に対応することを狙いとしていて、国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」が財源に充てられています。まず国の業務改善助成金を使い、その支給決定を受けた企業が県に申請する、という順番になります。
補助額は、業務改善助成金の支給決定額に10分の1を乗じた額です。「職場いきいきアドバンスカンパニー」「えるぼし」「くるみん」「ユースエール」のいずれかの認証を取得している企業は、10分の2を乗じた額になります。ただし、業務改善助成金の支給決定額と合算した額が、業務改善助成金の助成対象経費の額を超えない範囲、という上限の考え方が置かれています。
対象になるには、県の「社員の子育て応援宣言」と国の「パートナーシップ構築宣言」を、いずれも行っている必要があります。上乗せ(10分の2)を受けたい場合は、これに加えて上記4つの認証のうち1つ以上を取得していることが条件です。宣言や認証は申請時に通知書やホームページ画面の写しで示すため、あとから慌てて整えるより、業務改善助成金の準備と並行して進めておく方が動きやすいと思います。
何にお金を使えるかは、県のページには経費の区分として書かれていません。土台になるのは国の業務改善助成金の助成対象経費で、県はその支給決定額に対して割合を掛けるという設計です。つまり、対象になる設備やソフトの範囲は業務改善助成金の要件で決まる、と読むのが正確です。
申請のタイミングは、業務改善助成金の交付額確定および支給決定通知を受けてから、令和9年(2027年)2月26日までです。国の支給決定通知の期限は同年2月19日までとされているので、そこから県への提出までは日数に余裕がありません。書類の提出は原則メールで、申請の相談や伴走支援は「長野県賃上げ・業務改善支援センター(Bizサポ)」が担っています(令和8年度事業受託者:アデコ株式会社)。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 通常補助 | 上限額の記載なし | 1/10 | 業務改善助成金の支給決定を受け、「社員の子育て応援宣言」と「パートナーシップ構築宣言」をいずれも行っている企業 |
| 上乗せ補助 | 上限額の記載なし | 2/10 | 上記に加えて「職場いきいきアドバンスカンパニー」「えるぼし」「くるみん」「ユースエール」のいずれか1つ以上の認証を取得している企業 |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
この制度は補助金ではなく、設備の割賦販売・リースです。実施機関が設備を購入し、長期・低利で分割提供します。まとまった初期投資をならして、月々の負担で導入できるのが特徴です。
上限額の記載なし(業務改善助成金の支給決定額に応じて算定。ただし業務改善助成金と合算した額が、その助成対象経費を超えない範囲)
もし、この制度を使うなら
たとえば、長野県内で製造や食品加工をしている従業員20人ほどの会社が、時給の引き上げにあわせて、手書きの日報や在庫の数え直しをなくすための機械とパソコンのソフトを入れる、という場面を思い浮かべてみます。まず国の業務改善助成金で設備を導入し、そのうえで県のこの補助金を重ねる、という順番です。
仮に、業務改善助成金の助成対象経費が400万円、支給決定額が300万円だったとします。この場合、県からの補助は支給決定額の1/10で30万円。手元から出る分は100万円から70万円に下がる計算です。「職場いきいきアドバンスカンパニー」などの認証を取得していれば2/10で60万円になり、自己負担は40万円まで下がります。合算しても360万円で、助成対象経費の400万円は超えないため、上限の考え方にも収まります。
金額の差し引きだけを見ると数十万円ですが、実務でいえば「認証を取っているかどうか」で補助額が倍になる制度です。えるぼしやくるみんの取得を検討していた会社なら、業務改善助成金の準備と並べて進める価値はあると思います。作業そのものを減らす投資は、賃上げの原資を作る側とも噛み合いやすいところです。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 長野県内に事業場があること
- 令和7年(2025年)度に長野労働局へ国の業務改善助成金の交付申請を行っていること
- 令和9年(2027年)2月19日までに、業務改善助成金の交付額確定および支給決定通知を受けていること
- 県「社員の子育て応援宣言」を行っていること
- 国「パートナーシップ構築宣言」を行っていること
- 【上乗せ補助の要件】「職場いきいきアドバンスカンパニー」「えるぼし」「くるみん」「ユースエール」のいずれか1つ以上の認証を取得していること
- 国助成金の支給決定通知書、および当該事業場の労働者の時間当たりの賃金額の引き上げを明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳)を適切に整備・保管している事業者であること
- 労働基準法等の労働関係法令を遵守している事業者であること
- 国または地方公共団体の各種助成金等において、過去3年以内に不正受給をした事業者でないこと
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する接待飲食等営業(料亭を除く)および性風俗関連特殊営業、またはこれらの営業を受託して営業を行う事業者でないこと
- 県税の滞納がある事業者でないこと
- 暴力団または暴力団員等との関係がある事業者でないこと
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 長野県内に事業場があり、令和7年度に長野労働局へ国の業務改善助成金を交付申請し、令和9年2月19日までに交付額確定および支給決定通知を受けた中小企業。県の「社員の子育て応援宣言」と国の「パートナーシップ構築宣言」の両方を行っていることが必要です。
- 対象地域
- 長野県
- 実施機関
- 長野県 産業労働部 労働雇用課 雇用対策係(相談窓口:長野県賃上げ・業務改善支援センター〈長野県Bizサポ〉)
申請前に知っておきたい注意点
- 国の業務改善助成金の交付額確定および支給決定通知を受けてからでないと、県への申請はできません
- 業務改善助成金の支給決定額と合算した額が、業務改善助成金の助成対象経費の額を超えない範囲での補助になります
- 業務改善助成金の申請先は長野労働局です。県補助金の提出先とは別なので、取り違えに注意してください
- 2つの宣言(県「社員の子育て応援宣言」・国「パートナーシップ構築宣言」)は、いずれも行っている必要があります
- 添付する納税証明書は、県税事務所が発行するものです。市町村民税の納税証明を誤って添付する例が散見されると注意喚起されています
- 書類の提出は原則メールで、件名は「交付申請書兼実績報告書/(企業名)」としてください
- 申請書の収受後に受付確認メールが届きます。送信から2営業日を過ぎても届かない場合は、メールが事務局に届いていない可能性があるため連絡が必要です
- 交付要綱は令和8年4月1日から改定版が適用されています
申請の手順
国の業務改善助成金を申請する
長野労働局に業務改善助成金の交付申請を行います。この段階では県への手続きはありません
2つの宣言を行う
県「社員の子育て応援宣言」と国「パートナーシップ構築宣言」を、いずれも済ませます。上乗せ補助を受けるなら、職場いきいきアドバンスカンパニー・えるぼし・くるみん・ユースエールのいずれかの認証も取得しておきます
業務改善助成金の支給決定を受ける
労働局から交付額確定および支給決定通知を受け取ります。ここが県補助金の起点になります
県補助金を申請する
交付申請書兼実績報告書(様式第1号)と添付書類一式を、長野県Bizサポ長野事務局あてにメールで提出します
受付確認メールを確かめる
収受後に受付確認メールが届きます。届かない場合は事務局に問い合わせます
交付決定・交付額確定の通知を受ける
県が審査を終えると、交付決定および交付額の確定に関する通知が送付されます
補助金請求書を提出する
通知を受領したら、県(産業労働部 労働雇用課 雇用対策係)あてに補助金請求書(様式第3号)を提出します
スケジュール
- 業務改善助成金の交付申請令和7年(2025年)度中に長野労働局へ
- 業務改善助成金の交付額確定・支給決定通知令和9年(2027年)2月19日まで
- 県補助金の申請期限令和9年(2027年)2月26日まで
- 交付要綱の適用令和8年4月1日以降は改定後の交付要綱
- ページ更新日2026年7月13日
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付申請書兼実績報告書(様式第1号)
- 業務改善助成金交付額確定及び支給決定通知書の写し(業務改善助成金交付要綱様式第11号)
- 業務改善助成金交付決定通知書の写し(同様式第2号-1)
- 業務改善助成金実績報告書の写し(同様式第9号)
- 国庫補助金精算書の写し(同様式第9号別紙1)
- 事業実施結果報告書の写し(同様式第9号別紙2)
- 「社員の子育て応援宣言」および「パートナーシップ構築宣言」を行っていることを示す認証通知書、または宣言が掲載されているホームページ画面等の写し
- 「職場いきいきアドバンスカンパニー」「くるみん」「ユースエール」「えるぼし」のいずれかの認証を受けていることを示す認証通知書または確認通知書等の写し(認証されている場合)
- 県税に未納の徴収金がないことを証する書類(県税事務所が発行する納税証明書)
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。