令和8年度 デジタル機器導入促進支援事業
都内で介護保険サービスを提供する事業所が、記録・情報共有・請求の業務を転記なしで一通り行える介護業務支援システムと、あわせて使うタブレット端末やWi-Fiルーターなどを導入する費用の4/5が補助されます。上限は事業所の職員数に応じて100万円から500万円で、システムの選定や活用のコンサルティング経費には別に上限75万円の枠があり、申請の締切は2026年10月9日(金)必着です。
公式サイトの記載を 2026.10.02 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
介護事業所が、デジタル機器を使って介護業務の負担を減らす機能を持つシステム(介護業務支援システム)を導入するときに、必要な経費の一部を補助する制度です。記録、情報共有(事業所の内外との連携を含む)、請求の業務を、転記の手間なく一通り行えるシステムが中心になります。申請書類の受付と審査は東京都福祉保健財団が行い、交付の決定は東京都が行います。補助は予算の範囲内で行われるため、申し込みが多い場合は、予算の都合で補助の対象にならない可能性があります。
対象になる経費は、システムを使うために導入する次の4種類です。ソフトウェアやクラウドサービス(購入費、利用料、リース料、保守・サポート費、導入設定費、導入研修費、セキュリティ対策費など)、タブレット端末・スマートフォンなどの機器、Wi-Fiルーターなどのネットワーク機器(購入費、設置費)、そして他の事業者からの問い合わせに応じるための経費(説明資料の印刷代など)です。4種類すべてを申請する必要はありません。補助率は4/5で、上限は事業所の職員数によって、1〜10人の100万円から111人以上の500万円まで8段階に分かれています。システムの選定や活用に関するコンサルティング等の経費は、補助率3/4、上限75万円の別枠で、システムの導入等経費と併せて申請する場合に限って対象になります。
補助額は、職員数に応じた補助基準額と、実際に支出した額(寄附金などの収入があれば差し引いた額)を比べて、少ないほうに4/5を掛けて計算し、千円未満は切り捨てます。1事業所あたりの補助申請は原則として1回(1年度限り)で、補助上限額の範囲内であれば、翌年度以降の2回目以降の申請もできます。1法人あたりの申請できる事業所の数に上限はありません。補助基準額には加算があり、介護業務支援システムの導入に伴って、一体的に使うタブレット端末の購入費やWi-Fi環境の整備に必要な経費などを含む場合は18万8千円が、訪問介護事業所などの居宅サービス事業所・居宅介護支援事業所が令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータ連携を行う場合は6万3千円が、それぞれ上乗せされます(過年度に交付を受けたことがある場合、6万3千円の加算は対象外です)。条件の細かい点は、交付要綱とQ&Aで確認します。
対象外になる主なものは、事業所に置くパソコンやプリンター(持ち運びできるノート型パソコンは対象)、インターネット回線使用料などの通信費、新古品・中古品・リファービッシュ品、自社での開発や施工にかかる経費です。対象になるのは、令和9年3月31日までに納品と支払の両方を終えた経費だけで、複数年度にわたる事業は認められません。交付決定より前に購入したものでも、納品と支払が令和8年度内であれば、さかのぼって対象にできます。
申請の受付は2026年8月31日から10月9日(金)必着までです。法人単位で書類を取りまとめて郵送し、交付申請書のExcelはメールでも送ります。法人の実印を押した書類と印鑑証明書(原本)、システムの見積書とカタログ、職員数が分かる書類、IPA「SECURITY ACTION」の宣言を確認できる書類などが必要になります。補助金は、交付決定(令和9年1月下旬の予定)のあと、概算払いで支払われます。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数1〜10人) | 100万円(補助基準額125万円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数11〜20人) | 150万円(補助基準額187万5千円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数21〜30人) | 200万円(補助基準額250万円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数31〜50人) | 250万円(補助基準額312万5千円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数51〜70人) | 320万円(補助基準額400万円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数71〜90人) | 380万円(補助基準額475万円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数91〜110人) | 440万円(補助基準額550万円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| 介護業務支援システム導入等経費(職員数111人以上) | 500万円(補助基準額625万円) | 4/5 | ソフトウェア・クラウドサービス、タブレット端末等、Wi-Fi機器などの導入に要する経費 |
| コンサルティング等経費 | 75万円(補助基準額100万円) | 3/4 | システムの選定や、導入したシステムの活用に関するコンサルティング等の経費(単独での申請はできません) |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(4/5(コンサルティング等経費は3/4)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 最大500万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:介護業務支援システムのソフトウェアやクラウドサービスの購入費、利用料、リース料、保守・サポート費、導入設定費、セキュリティ対策費が対象です。企業が保証する商用の製品に限られ、自社開発の経費や開発基盤だけの経費は対象外です
- パソコン・周辺機器:タブレット端末・スマートフォン等、持ち運べるノート型パソコン、インカム、Wi-Fiルーターなどのネットワーク機器が対象です。介護業務支援システムを使うための端末に限られ、事業所に置くパソコンやプリンター、単なる通話用の携帯電話、新古品・中古品は対象外です
- 研修・人材育成:システムを導入するにあたっての職員の研修費(導入研修費)が対象です。納品業者以外の外部業者が主催する講習やセミナーを受けた場合は、受講を確認できる書類が必要です
- 専門家への謝金・コンサル:システムの選定や、導入したシステムを活用した業務改善に関するコンサルティング等の経費が対象です(補助率3/4、上限75万円)。システムの導入等経費と併せて申請する場合に限り、単独では申請できません。コンサルティング会社がシステム提供事業者と同一法人や関係を有する法人の場合は対象外です
- 通信費・利用料:システムの使用に際して必要になるインターネット回線使用料などの通信費は対象外です
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、都内で訪問介護の事業所を運営している法人で、訪問先で紙に書いた記録を事務所に戻ってから書き写し、さらに請求のソフトへ入力し直している場合を考えます。記録、情報共有、請求を転記なしで一通り行えるクラウド型の介護システムと、訪問先で記録を入力するタブレット端末を導入すると、事務所での書き写しや、請求ソフトへの入力し直しが減ることが見込めます。この制度では、ソフトウェアの利用料や導入設定費、職員向けの導入研修費、タブレット端末の購入費などが対象になります。
試算としては、職員が15人の事業所で、システムの導入設定費・利用料・研修費に90万円、タブレット端末10台に30万円、合わせて120万円を支出した場合を考えます。職員11〜20人の区分の補助基準額は187万5千円で、実支出額の120万円のほうが少ないため、120万円に4/5を掛けて、補助額は96万円、自己負担は24万円です。実支出額が補助基準額を上回る場合は、補助基準額をもとに計算した額が上限になります。
申請の締切は2026年10月9日(金)必着で、書類は郵送で提出します。法人の実印と印鑑証明書(原本)が必要になるため、システムの見積書やカタログ、職員数が分かるシフト表などとあわせて、早めに準備を始めます。交付決定より前に購入したものでも、納品と支払が令和8年度内なら対象にできます。補助の可否は審査のうえで決まり、予算の範囲内での補助になる点には留意が必要です。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 交付申請の日に、東京都内で開設している介護保険サービスの事業所であること(「開設」は、介護保険法上の指定を受けていることを指します)。申請は、事業所を運営する法人の単位で行います
- 記録業務、情報共有業務(事業所の内外との情報連携を含む)、請求業務を、転記などの手間なく一通り行える(一気通貫の)介護業務支援システムを導入する、または導入済みであること。複数のシステムの連携や、導入済みのシステムへの機能追加で一気通貫になる場合も対象です
- 日中のサポート体制を常設していることが確認できるシステムであること(有償・無償は問いません)
- 厚生労働省の科学的介護情報システム「LIFE」による情報収集に協力する意思があること
- IPAの「SECURITY ACTION」で、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言すること
- 次のいずれかを満たすこと。LIFEへのCSV連携とデータ提供を行う、ケアプランデータ連携標準仕様に準拠した介護ソフトで事業所内・事業所間のデータ連携を行う、補助の活用で文書量を半減できる導入計画になっている
- 導入する意義・目的、導入する機器等、期待される効果などを盛り込んだ導入計画を作成すること
- 実施要領で定める導入前セミナー等を受講すること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 交付申請の日に東京都内で開設している、介護保険サービスの事業所です。申請は、事業所を運営する法人の単位で行います。
- 対象地域
- 東京都
- 実施機関
- 東京都(申請の受付と審査は公益財団法人東京都福祉保健財団 福祉情報部 福祉人材対策室 介護現場改革担当)
申請前に知っておきたい注意点
- 申請の締切は2026年10月9日(金)必着です。法人単位で書類を取りまとめ、郵送で提出します。
- 補助は予算の範囲内で行われます。申し込みが多い場合は、予算の都合で補助の対象にならない可能性があります。
- 補助の対象になるのは、令和9年3月31日までに納品と支払の両方を終えた経費だけです。支払が3月31日までに終わっても、納品が4月1日以降になった場合は対象外です。
- 交付決定より前に購入したものでも、納品と支払が令和8年度内であれば、さかのぼって対象にできます。ただし、事業所の指定を受ける前の経費は対象外です。
- 交付決定額が補助額の上限になります。対象経費が増えても、交付決定額に上乗せすることはできません。
- 交付申請のときから導入するシステムを変える場合や、変更が交付決定の内容・条件に合うか判断しにくい場合は、事前に財団の担当者へ問い合わせます。条件に合わない変更は、補助の対象外になります。
- 同じ経費について、ほかの補助(経済産業省の「サービス等生産性向上IT導入支援事業」、東京都の次世代介護機器導入促進支援事業など)と重複して受けることはできません。
- 支払いは、原則としてクレジットカードでは行えません。納品書と領収書は、法人または事業所の宛名のものを保管します(個人名宛ては認められません)。
- 導入によって業務の効率化が進み、収支が改善した場合は、職員の賃金へ適切に還元し、その旨を職員へ周知することが補助の要件に含まれています。
- 補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を東京都へ報告します。導入の内容と効果は、導入の翌年度に厚生労働省へも報告し、報告内容が公表されることへの同意が必要です。
- 補助で取得した価格30万円以上の機械、器具、ソフトウェアなどは、耐用年数が過ぎるまで、承認なしに目的外の使用、譲渡、廃棄などができません。帳簿と証拠書類は、事業完了の日が属する年度の終了後5年間、保管します。
- 書類提出専用のメールアドレスは、問い合わせをしても返信されません。補助金に関する問い合わせは、電話(03-3344-8532)で受け付けています。
申請の手順
要件の確認
対象の事業所か、導入するシステムが一気通貫などの要件を満たすかを確認します。導入前セミナー等の受講と、IPA「SECURITY ACTION」の宣言も進めます。
導入計画と書類の準備
導入する意義・目的、機器等、期待される効果を盛り込んだ導入計画を作ります。見積書、カタログ、職員数が分かる書類、印鑑証明書(原本)などをそろえます。
交付申請
法人単位で書類を取りまとめて郵送します。交付申請書(Excel)は、添付書類を除いてメールでも送ります。メールの件名は「法人名〇〇(デジタル機器交付申請書)」とします。
審査・交付決定
財団が書類を審査し、東京都が交付の可否を通知します。交付決定額に基づき、補助金は概算払いで支払われます。
導入・支払
システムなどの納品と支払を、令和8年度内に終えます。納品書と領収書は必ず受け取って保管します。
実績報告
補助事業の完了後に、実績報告書と納品書、領収書、写真などを提出します。
額の確定
東京都の審査のあと、補助金の額が確定します。概算払いの額が確定額を上回る場合は、差額を返還します。
効果の報告
補助を受けた翌年度から3年間、業務改善計画に対する効果を東京都へ報告します。導入の内容と効果は、厚生労働省にも報告します。
スケジュール
- 交付申請書の受付2026年8月31日〜10月9日(金)必着
- 交付決定・補助金の支払(概算払)令和9年1月下旬(予定)
- 納品と支払の完了令和9年3月31日まで
- 実績報告書の提出補助事業の完了後10日以内(遅くとも令和9年4月上旬まで)
- 額の確定・補助金の返還令和9年5月末〜6月以降(東京都の審査終了後)
- 導入成果の厚生労働省への報告令和9年5月頃(予定)
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 交付申請書(様式第1号から第4号。Excelの様式と記入例が公開されています。法人の実印を押します)
- 支払金口座振替依頼書(全法人)
- 歳入歳出予算(見込)書抄本(全法人。1事業所1枚)
- 職員数が確認できる書類(事業所ごと。直近のシフト表など)
- ソフトウェアやハードウェア等の見積書(交付申請の時点でまだ支払っていない場合)、または納品書と領収書(すでに支払いを終えている場合)
- ソフトウェアやハードウェア等のカタログ(一気通貫で行えることが確認できるもの)
- ソフトウェアやハードウェア等の写真(すでに経費を支払った法人のみ)
- 導入研修の講習やセミナー等を確認できる書類(導入研修費を申請し、納品業者以外の外部業者が主催する講習・セミナーを受講して、すでに支払った場合のみ)
- IPA「SECURITY ACTION」の宣言を確認できる書類(事業所ごと)
- 金額に換算できるポイントが付与・利用された場合の、ポイント相当額を確認できる根拠資料(該当する法人のみ)
- 印鑑証明書(原本)
- 通帳の見開き1ページ目の写し(口座名義と口座番号が分かるもの)
- その他参考になる書類(ある場合のみ)
よくある質問
交付決定より前に購入したソフトウェアは対象になりますか。
交付決定よりも前に購入した介護ソフト等も、購入(納品と支払)が令和8年度内であれば、さかのぼって補助の対象にできます。
補助対象経費は、いつまでに納品と支払を終える必要がありますか。
令和9年3月31日までに、申請する経費の納品と支払を完了している必要があります。複数年度にわたる事業実施は認められません。たとえば、支払が3月31日までに完了していても、納品が4月1日以降になった場合は対象外です。
法人内の複数の事業所で申請できますか。
複数の事業所で補助金を活用できます。申請書類は法人単位での提出になるため、法人が申請する事業所分を取りまとめて提出します。
リース契約は対象になりますか。
対象になります。月額払いは令和8年度中(令和9年3月31日まで)に係る経費のみ、年額払いは1年分が対象です。複数年の使用権契約は、当年度に全額を支払った場合に全額が対象で、補助対象額は当年度の支払金額になります。
事業所に置くパソコンやプリンターは対象になりますか。
対象外です。持ち運びできるノート型パソコンは対象になります。
コンサルティング経費だけを申請できますか。
できません。介護業務支援システム導入等経費と併せて申請する場合に限り、コンサルティング経費も申請できます。
対象経費の支払いをクレジットカードで行えますか。
原則として不可です。
交付申請のあとに職員が増えた場合、補助基準額は変わりますか。
変わりません。交付申請の時点の職員数に応じた補助基準額で申請します。
中古品や新古品は対象になりますか。
ハードウェア、ソフトウェアとも、新古品、中古品、リファービッシュ品での申請はできません。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。