令和8年度 AI活用 現場スマート化補助金(大阪市)
大阪市内に事業所がある中小企業者等が、AIを中核にIoT等の先端技術を組み合わせた製品やシステムを導入して、現場の作業を自動化したり生産性を上げたりする費用を、2分の1・上限300万円まで補助します。機器の購入費やリース費だけでなく、設置・調整費、解析ソフトやクラウドの使用料まで対象です。令和8年9月30日まで随時募集の先着順で、予算の上限に達し次第、早期に終了します。採択予定は3件程度です。
公式サイトの記載を 2026.08.26 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
大阪市内の事業者が、AIを使って現場そのものを変える取組を支援する補助金です。運営は公益財団法人大阪産業局(ソフト産業プラザTEQS)。AIを活用したDXに取り組む企業が増え、実績の出ている事例も見えてきた、という認識のもとで用意された制度で、機器の購入からクラウドの使用料まで幅広く導入費用がカバーされます。
対象になるのは、次の3つをすべて満たす事業です。第一に、AIを中核に据え、IoT等の先端技術を組み合わせた製品やシステムを導入することで、現場における作業の自動化やサービス提供プロセスの高度化、生産性の向上等を図る事業であること。ここで、物理的な機器(ハード)と制御・解析システム(ソフト)の両面における実装が対象と明記されています。第二に、期間内に機器の設置や調整、サービスを利用するための環境整備等を完了する事業であること。第三に、国等の他機関による補助金の交付決定を受けていない事業であることです。
三つ目の条件は、実務上いちばん効いてきます。ものづくり補助金や省力化投資補助金など、国の制度で交付決定を受けている事業は、この補助金の対象になりません。どちらで申請するかを先に決めておく必要があります。
補助率は2分の1、上限は300万円です。ただし機器購入費とその他経費にそれぞれ150万円の内枠が設けられているため、たとえば機器だけで600万円を使っても補助は150万円で頭打ちになります。ハードとソフトを組み合わせて申請する設計になっている、と読むのが自然です。対象経費は機器購入・リース費、設置・調整費、サービス等の使用料等で、補助対象期間(交付決定の翌日から事業完了日=1月末日まで)に契約・納品・支払いを済ませたものに限られます。
審査は4つの観点で行われます。導入効果(作業の自動化やサービス提供プロセスの高度化、生産性向上等の効果が見込まれるか)、妥当性(活用方法と導入製品の適合性、AIの精度を担保するためのデータ整備状況の適切さ、購入先選定の適切さ)、実現性(目標の実現に向けた社内外の体制が整っているか)、革新性・波及性(自社の課題解決にとどまらず、同業他社や地域へ普及し得るモデルケースとしての波及効果があるか)です。二次審査はプレゼンテーション形式で、技術的な説明を行うベンダーの同席も認められています。
募集は令和8年9月30日までの随時募集で、先着順です。予算の上限に達した時点で早期終了となります。採択予定件数は3件程度と示されているため、締切まで待つ理由はほとんどありません。導入する製品の見当がついているなら、早く出すことがそのまま採択の可能性につながる作りです。
公式ページには、活用できる事例が4つ挙がっています。製造業ではAI外観検査による検品自動化(高精度カメラと解析端末でAIがキズを判別し、NG品を自動排出。検品速度1.5倍、判定精度の均一化)、物流・倉庫では自律走行ロボット(AMR)による自動搬送(AIが最適ルートを算出し、作業員の歩行距離を2割削減)、建設・現場ではAIドローンによる高所点検支援(撮影画像をAIが解析し、ひび割れや腐食箇所を自動抽出してレポート化)、小売・飲食ではAI需要予測とシフト最適化(店内カメラとPOSデータをAIが解析し、最適な発注量とスタッフ配置を提示。食品ロス5%削減)です。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限300万円(機器購入費・その他経費にそれぞれ150万円の内枠あり) が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- 機械・設備:AI・IoT機器等の購入費・リース費が対象です。ただし機器購入費には150万円の内枠があります
- ソフトウェア・クラウド:解析ソフトの購入費やクラウドの利用料など、サービス等の使用料が対象です。「その他経費」として150万円の内枠があります
- 外注・委託:機器の設置・調整費が対象経費に挙げられています。導入に伴う設定作業はここに含まれる読み方になりますが、開発の外注が対象になるかは事務局への確認が要ります
- パソコン・周辺機器:物理的な機器(ハード)の実装が対象と明記されていますが、対象はあくまでAIを中核とした製品・システムです。事務用のパソコン単体の購入は趣旨から外れます
- 通信費・利用料:クラウド等のサービス使用料は対象に挙げられています。通常の通信回線費が含まれるかは要確認です
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、大阪市内で金属部品を加工している従業員25人ほどの工場が、出荷前の外観検査を人の目で続けているとします。キズや打痕を見分けられるのは実質2人で、その2人が抜けると出荷が止まる。基準を言葉にできないので教えるのにも時間がかかる。よくある詰まり方です。
ここに、高精度カメラと解析端末、それを動かす判定ソフトを組んで入れるとします。仮に、カメラと端末などの機器で300万円、判定ソフトとクラウド利用料で300万円、合わせて600万円だったとします。補助率は2分の1なので単純計算では300万円ですが、機器購入費とその他経費にそれぞれ150万円の内枠があるため、機器で150万円、ソフト・クラウドで150万円、合計300万円が上限いっぱいという形になります。ハードとソフトが同じくらいの構成のとき、いちばんきれいに枠を使い切れる設計です。逆に、機器だけで600万円という組み方をすると、補助は150万円で止まります。
公式ページが挙げている例も、製造業の外観検査、倉庫の自律走行ロボット、建設現場のドローン点検、小売・飲食の需要予測とシフト最適化と、いずれも現場の作業そのものを置き換える取組です。逆に、事務作業を軽くするために業務ソフトを入れる、といった使い方はこの補助金の狙いとずれます。
気をつけたいのは日程のほうかもしれません。随時募集の先着順で、採択予定は3件程度。しかも交付決定の翌日から令和9年1月31日までに契約から支払いまで終える必要があります。年明けの納品で間に合うかは、発注前にベンダーと確認しておいたほうが安全です。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 申請時において、実質的に事業を行っている事業所が大阪市内にあること
- 中小企業者等であること
- AIを中核に据え、IoT等の先端技術を組み合わせた製品やシステムを導入する事業であること
- ハード(物理的な機器)とソフト(制御・解析システム)の両面での実装を伴うこと
- 補助対象期間内に、機器の設置や調整、サービスを利用するための環境整備等を完了できること
- 国等の他機関による補助金の交付決定を受けていない事業であること
- 導入(利用)する場所や地域についての条件はありません
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 申請時において実質的に事業を行っている事業所が大阪市内にある中小企業者等。導入する機器やサービスを使う場所については、地域の条件はありません。
- 対象地域
- 大阪府大阪市
- 実施機関
- 公益財団法人大阪産業局(ソフト産業プラザTEQS)
申請前に知っておきたい注意点
- 先着順です。 令和8年9月30日までの随時募集ですが、予算の上限に達した時点で募集は早期終了します。採択予定件数は3件程度です
- 国等の他機関による補助金の交付決定を受けている事業は対象外です。ものづくり補助金や省力化投資補助金などとの二者択一になります
- 上限300万円のほかに、機器購入費とその他経費にそれぞれ150万円の内枠があります。機器だけに寄せても150万円までしか出ません
- 補助対象期間は交付決定の翌日から令和9年1月31日までです。この期間内に契約・納品・支払いをすべて済ませる必要があります
- 二次審査はプレゼンテーション形式です。技術的な説明を行うベンダーの同席が認められています
- 審査で「AIの精度を担保するためのデータ整備状況」が見られます。学習や判定に使うデータをどう用意するかを説明できる状態にしておく必要があります
- 自社の課題解決にとどまらず、同業他社や地域へ広がり得るモデルケースかどうかが審査基準に入っています
- 申込み書類(交付要綱・募集要領を含む)は、公式ページのダウンロードフォームにメールアドレスを登録して受け取ります。申請の前に必ず要綱と要領を確認してください
申請の手順
対象になるか当たりをつける
AIを中核に、IoT等と組み合わせて現場の作業を自動化する取組かどうかが入口です。汎用の業務ソフトを入れるだけの計画は趣旨から外れます
国の補助金と重ならないか確かめる
国等の他機関の補助金で交付決定を受けている事業は対象外です。ものづくり補助金や省力化投資補助金を検討中なら、どちらで進めるかを先に決めます
相談する・要綱を取り寄せる
事務局は公益財団法人大阪産業局(ソフト産業プラザTEQS)、電話06-6615-1000、メール teqs-hojyo@teqs.jp です。個別相談会とラボ体験会も開かれています。交付要綱・募集要領・申込み書類は公式ページのダウンロードフォームから受け取ります
ベンダーと構成を詰める
機器購入費とその他経費にそれぞれ150万円の内枠があるため、ハードとソフト・クラウドの組み合わせで見積を組みます。購入先の選定が適切かも審査されます
データの用意を説明できるようにする
審査基準に「AIの精度を担保するためのデータ整備状況の適切さ」が入っています。何のデータをどれだけ、どう集めるかを書けるようにしておきます
申請する
随時募集の先着順です。予算上限に達すると早期終了するため、準備が整い次第すぐ出すのが有利です
二次審査(プレゼンテーション)
技術的な説明を行うベンダーの同席が可能です。導入効果・妥当性・実現性・革新性と波及性の4点に答える形で臨みます
交付決定後に導入する
補助対象経費は、交付決定の翌日から事業完了日(1月末日)までに契約・納品・支払いを行ったものに限られます
事業完了・実績報告
令和9年1月31日までに設置・調整と環境整備を完了させます
スケジュール
- 募集開始2026年8月19日
- 募集締切2026年9月30日(随時募集・先着順。予算上限に達し次第、早期終了)
- 補助対象期間の開始交付決定の翌日
- 事業完了・補助対象期間の終了2027年1月31日
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
よくある質問
誰が申請できますか
申請時において実質的に事業を行っている事業所が、大阪市内にある中小企業者等です
導入する機器は大阪市内に置く必要がありますか
ありません。導入(利用)する場所や地域に関する条件はないと明記されています
何に使えますか
機器購入・リース費、設置・調整費、サービス等の使用料等です。物理的な機器と、制御・解析システムの両面での実装が対象になります
クラウドの利用料も対象ですか
対象に挙げられています。解析ソフトの購入費やクラウドの利用料まで幅広くカバーされると案内されています
いくらまで出ますか
補助率2分の1で上限300万円です。ただし機器購入費とその他経費にそれぞれ150万円の内枠があります
国の補助金と併用できますか
できません。国等の他機関による補助金の交付決定を受けていない事業であることが要件です
締切ぎりぎりに出しても大丈夫ですか
随時募集の先着順で、予算の上限に達し次第、募集は早期終了します。採択予定件数も3件程度なので、準備ができ次第出すほうが確実です
ベンダーに手伝ってもらえますか
二次審査(プレゼンテーション)には、技術的な説明を行うベンダーの同席が可能とされています
いつまでに導入を終える必要がありますか
補助対象期間は交付決定の翌日から令和9年1月31日までです。この間に契約・納品・支払いまで完了している必要があります
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。