令和8年度 京都市DXによる生産性向上支援事業(グローバル展開支援中堅企業創出プロジェクト)
京都市内に主たる事務所または事業拠点を置く製造業の中小企業を、約2年かけて支援する制度です。1年目はITコーディネータ等の専門家派遣(最大15回)で海外進出を見据えたDX戦略を組み立て、2年目にその戦略に沿ったITツール等の導入経費を、2分の1以内・上限500万円まで補助します。採択予定は3社。令和8年度の募集は2026年6月30日午後5時で締め切られました。運営事務局は公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)です。
公式サイトの記載を 2026.08.25 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
京都市が令和7年度から進めている「グローバル展開支援中堅企業創出プロジェクト」の一つです。市内の中小企業を次代の京都を牽引する中堅企業へ育てることを狙いとしていて、その中でDX推進の側面を担うのがこの事業です。海外市場の獲得・拡大を視野に入れたDX戦略の構築から、ITツールの導入までを一続きで支援します。
組み立てが少し変わっていて、補助金だけの制度ではありません。支援期間は約2年で、1年目と2年目で中身が分かれます。1年目(令和8年度)は、ITコーディネータ等の専門家が最大15回派遣され、経営課題や業務課題を整理したうえで、自社の生産設備を増強するといった海外進出を見据えたDX戦略の構築を伴走支援します。派遣期間は支援採択決定通知日から令和9年3月31日までです。2年目(令和9年度)に入って、そこで組み立てたDX戦略に基づくITツール等の導入経費が、補助率2分の1以内・上限500万円で補助されます。
つまり、何を入れるかを先に決めてから申し込む制度ではなく、何を入れるべきかを専門家と1年かけて決め、その結論に対してお金が付く形です。導入したい製品が固まっていない段階でも入口に立てる一方で、補助金を受け取るのは2年目になります。設備投資の時期が決まっている場合は、この時間軸が合うかどうかを先に確かめておく必要があります。
対象は、京都市内に主たる事務所または事業拠点を有し、製造業を営む中小企業です。令和8年5月11日時点で開業または設立後1年未満の事業者は対象外とされています。採択予定は3社で、枠はかなり絞られています。国または地方公共団体から受けている他の補助金と同一経費でなければ、併給は可能とされています。
令和8年度の募集期間は2026年5月11日から6月30日午後5時までで、すでに締め切られています。申請は原則としてWeb申請で、郵送も受け付けられていました。募集要項・実施要綱・様式は運営事務局である公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)のページに掲載されています。同じプロジェクトの中には、海外展示会の出展支援や海外企業とのマッチングを行う「海外ビジネスマッチングPR支援事業」もあります。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(1/2以内) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限500万円(令和9年度のITツール等導入経費) が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:令和9年度に、構築したDX戦略に基づいて導入するITツール等の経費が補助対象です(補助率2分の1以内・上限500万円)
- 専門家への謝金・コンサル:1年目のITコーディネータ等の専門家派遣は、この事業の支援内容として提供されます(最大15回)
- 機械・設備:支援内容として「自社の生産設備を増強する」といったDX戦略の構築が例に挙がっていますが、2年目の補助対象は「ITツール等の導入経費」と示されています。設備そのものが対象になるかは事務局への確認が要ります
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、京都市内で部品加工をしている従業員40人ほどの製造業が、海外の取引先を増やしたいと考えているとします。図面のやりとりも生産の進捗管理も紙とExcelのままで、引き合いが来ても見積の返答に日数がかかる。どこから手を付ければいいのか、社内では判断がつかない。よくある状態です。
この制度は、その「どこから手を付けるか」を先に決めるところから始まります。1年目はITコーディネータ等の専門家が最大15回入り、経営課題と業務課題を整理したうえでDX戦略を組み立てます。ここまでは、こちらが導入する製品を決めている必要はありません。2年目に、その戦略に沿って選んだITツールの導入経費に対して、2分の1以内・上限500万円の補助が出ます。仮に導入経費が1,000万円なら補助金は500万円、600万円なら300万円という計算です。
合うのは、投資の中身がまだ固まっておらず、相談しながら決めたい会社です。逆に、入れる製品も時期も決まっていて年内に発注したい場合は、補助が2年目になるこの制度より、単年度で完結する制度のほうが噛み合います。採択予定が3社と絞られている点も含めて、腰を据えて取り組む前提の制度と考えたほうが実際に近いはずです。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 京都市内に主たる事務所または事業拠点を有すること
- 製造業を営む中小企業であること
- 京都市内で支援対象の事業を行うこと
- 令和8年5月11日時点で開業または設立後1年未満の者は対象外
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 京都市内に主たる事務所または事業拠点を有し、製造業を営む中小企業。京都市内で支援対象の事業を行うことが必要です。令和8年5月11日時点で開業または設立後1年未満の場合は対象外です。
- 対象地域
- 京都府京都市
- 実施機関
- 京都市 産業観光局 地域企業振興室(運営事務局:公益財団法人京都高度技術研究所/ASTEM)
申請前に知っておきたい注意点
- 令和8年度の募集は2026年6月30日午後5時で締め切られました。次年度の募集は公表され次第の確認になります
- 採択予定は3社です
- 補助金が出るのは2年目(令和9年度)です。1年目は専門家派遣によるDX戦略の構築が中心で、この年に導入経費の補助はありません
- 令和8年5月11日時点で開業または設立後1年未満の事業者は対象外です
- 対象は製造業に限られます
- 国または地方公共団体から受けているその他の補助金と同一経費でない場合は、併給が可能とされています
- 支援期間は支援採択決定通知日から令和10年2月29日までの約2年間です
申請の手順
募集要項を確認する
実施要綱・募集要項・様式は、運営事務局である公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)のページ https://www.astem.or.jp/entre/dx-seizougyo-2026 に掲載されています
申請する
原則はWeb申請です。郵送の場合は申請書類一式を取り寄せるかダウンロードし、運営事務局へ郵送します
採択・支援開始
支援採択決定通知を受けた日から支援が始まります
1年目:DX戦略を組み立てる
ITコーディネータ等の専門家が最大15回派遣され、経営課題・業務課題を整理したうえで、海外進出を見据えたDX戦略の構築を伴走支援します(令和9年3月31日まで)
2年目:ITツールを導入する
構築したDX戦略に基づいてITツール等を導入し、その経費について補助率2分の1以内・上限500万円の補助を受けます
スケジュール
- 募集開始2026年5月11日
- 募集締切2026年6月30日 午後5時(受付終了)
- 専門家派遣の期間支援採択決定通知日から2027年3月31日まで(最大15回)
- 補助金による支援令和9年度(2027年度)
- 支援期間の終了2028年2月29日
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 第1号様式(京都市DXによる生産性向上支援事業支援申請書)
- その他、募集要項に定める書類
よくある質問
補助金はいつ受け取れますか
2年目(令和9年度)です。1年目は専門家派遣によるDX戦略の構築が中心で、導入経費の補助はその翌年度になります
製造業以外でも申請できますか
対象は京都市内で製造業を営む中小企業とされています
他の補助金と併用できますか
国または地方公共団体から受けているその他の補助金と同一経費でない場合は、併給が可能とされています
創業したばかりでも申請できますか
令和8年5月11日時点で開業または設立後1年未満の場合は対象外です
何社が採択されますか
採択予定数は3社です
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。