仲卸業者等デジタル化・脱炭素化支援補助金
業務のデジタル化で仕事の効率を上げる、または省エネ設備の導入で環境負荷を減らす取り組みに対して、システムや設備の初期費用の一部を横浜市が補助します。対象は横浜市中央卸売市場本場の青果部・水産物部の仲卸業者と、南部物流エリアで店舗を借りて営む事業者、およびその協同組合です。
公式サイトの記載を 2026.08.10 時点で確認しています。
この補助金は、どんな制度か
横浜市中央卸売市場本場と南部物流エリアで働く事業者に向けた、市場ならではの補助金です。対象は「デジタル化推進事業」と「脱炭素化推進事業」の二本立てで、どちらも本場または南部物流エリアで行う事業に使うシステム・設備等への投資が対象になります。補助率と上限額は枠ごとに決まっていて、デジタル化は3分の2で上限100万円、脱炭素化は2分の1で上限100万円です。
デジタル化の側は、対象になる取り組みの幅がわりと広く取られています。キャッシュレス決済システム、受発注・在庫・顧客管理システム、経理・会計・労務管理システム、営業事務と管理事務をつなぐ仕組み、ECサイトによる販路拡大や販売の効率化などが例として挙がっています。ここに載っていない取り組みでも、デジタル技術を使って業務の効率が上がることを客観的に説明できるなら対象になり得る、という書き方になっています。
脱炭素化の側は、逆にかなり具体的に線が引かれています。市場内の物流(フォークリフト、ターレ)や配送に使うクリーンエネルギー車両、それに業務用の高効率空調・給湯器・冷凍冷蔵設備・制御機能付きLED照明で、環境共創イニシアチブ(SII)が指定設備として登録・公表しているもの、という条件です。車両にも種類・用途・ナンバープレートの分類番号の要件があり、家庭用製品はどちらにせよ対象外とされています。
費用の考え方で押さえておきたいのは、補助されるのは「導入時に一時的に発生する初期費用」だけ、という点です。設備の購入費と設置費、車両購入費、既存設備の撤去・廃棄費、事業に必要不可欠なパソコンやタブレット、キャッシュレス端末、システム開発やECサイト作成の委託費、初期設定・データ移行・操作研修・マニュアル作成の費用、使用期間の定めがないソフトウェアやライセンスの購入費、初回の加盟料や登録料までが対象。一方で、導入後に毎月・毎年かかる利用料、クラウドサービスの使用料、サブスクリプション料、保守料、リース料、修理修繕費、消費税などは対象外です。月額課金型のサービスを検討している場合は、費用のどこまでが初期費用にあたるかを見積の段階で分けておく必要があります。
進め方は、いきなり申請書ではなく、まずエントリーシート(様式1)の提出から始まります。エントリー期限は令和8年9月8日(火曜日)午後5時必着で、1事業者につき1件まで。市から内容確認書が届いたら、その日から30日以内に交付申請書と必要書類を出す流れです。契約は原則として市内事業者との締結が求められ、対象になるのは令和8年4月1日以降に締結した契約に基づく経費で、事業の完了は原則として令和9年2月末日までとされています。
枠ごとの上限額と補助率
| 枠・類型 | 上限額 | 補助率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| デジタル化推進事業 | 100万円 | 2/3 | キャッシュレス決済、受発注・在庫・顧客管理、経理・会計・労務管理、営業事務と管理事務の連携システム、ECサイト等による販路拡大・販売効率化など |
| 脱炭素化推進事業 | 100万円 | 1/2 | 市場内物流(フォークリフト、ターレ)や配送に使うクリーンエネルギー車両、SIIの指定設備に登録された業務用高効率空調・給湯器・冷凍冷蔵設備・制御機能付きLED照明など |
※ 枠によって対象になる費用も変わります。申請前に公募要領でご確認ください。
補助の仕組み
かかった経費のうち 補助率(2/3(デジタル化推進事業)/1/2(脱炭素化推進事業)) の分が補助され、残りが自己負担です。補助額は 上限100万円 が上限で、上限を超えた経費は自己負担になります。
どんな費用に使えるか
- ソフトウェア・クラウド:使用期間の定めがないソフトウェア・パッケージシステム・ライセンスの購入費は対象です。クラウドサービス使用料やサブスクリプション料、月額・年額の利用料、更新料は対象外なので、月額課金型のサービスは初期費用の部分だけが対象になります。
- パソコン・周辺機器:補助対象事業に必要不可欠なパソコン・タブレット・関連機器の購入費、キャッシュレス端末の購入費が対象です。
- 機械・設備:設備購入費と設置費、既存設備の撤去・廃棄経費は対象です。ただし脱炭素化推進事業では、SII(環境共創イニシアチブ)が指定設備として登録・公表している業務用高効率空調・給湯器・冷凍冷蔵設備・制御機能付きLED照明に限られ、家庭用製品は対象外です。
- ホームページ・EC:ECサイト作成委託費が対象になります。ECサイト等による販路拡大・販売効率化は補助対象事業として明記されています。
- 外注・委託:システム開発委託費、ECサイト作成委託費、初期設定費、データ移行費が対象です。
- 研修・人材育成:導入時の操作研修費、マニュアル作成費が初期導入経費として対象になります。
- 車両・運搬具:市場内物流(フォークリフト、ターレ)や配送に使うクリーンエネルギー車両の購入費が対象です。EV・FCV・PHV・HV等の車両の種類、用途、ナンバープレートの分類番号に要件があります。
チェック=公式に対象と書かれている費用/三角=条件つき(上の注記をご確認ください)/バツ=公式に対象外と書かれている費用/横線=公式サイトに記載が見つからなかった費用。枠や申請類型によって範囲が変わります。最終的な可否は公募要領でご確認ください。
もし、この制度を使うなら
たとえば、本場で青果の仲卸をしている会社。注文は電話とFAXで受けて、伝票は手書き、月末になると経理担当が一枚ずつ売掛の照合をしている、という状態だとします。ここに受発注と在庫の管理システムを入れて、現場で使うタブレットを数台そろえ、既存の得意先データを移してもらい、パートの方向けに操作研修とマニュアルまで用意してもらう。この一式は、システム開発委託費・パソコン、タブレット関連機器購入費・データ移行費・操作研修費・マニュアル作成費として、いずれも補助対象経費に挙がっている項目です。
仮に初期費用が90万円だったとすると、デジタル化推進事業の補助率は3分の2なので補助額は60万円、手元から出るのは30万円という計算になります(1,000円未満は切り捨て、消費税は対象外)。減るのは、FAXを見ながら伝票を書き写す時間と、月末に売掛を突き合わせる時間です。あわせてキャッシュレス端末も入れるなら、その購入費も対象に含められます。
注意したいのは、この補助金が見ているのが初期費用だけだという点。システムの月額利用料やクラウドの使用料、保守料は自社負担で続いていきます。導入時に何十万円か軽くなるぶん、月額がいくらで何年使うのかまで並べて考えておくと、判断がぶれにくくなります。冷蔵設備の電気代のほうが重い、という場合は脱炭素化推進事業(2分の1、上限100万円)という選択肢もありますが、こちらはSIIの指定設備に登録されているものに限られるため、機種選びの段階から確認が必要です。
※ MONOSASHI編集部による活用イメージです。実際の対象可否は公式サイトでご確認ください。
対象になる会社
- 横浜市中央卸売市場本場の青果部仲卸業者であること
- 横浜市中央卸売市場本場の水産物部仲卸業者であること
- 一般社団法人横浜南部市場管理協会の正会員で、南部青果棟または南部水産棟の店舗を賃借して業務を営む事業者であること
- 上記の事業者で構成され、組合員の4分の3以上が上記のいずれかに該当する協同組合であること
- いずれも中小企業者であること
- 本場または南部物流エリアにおいて行う事業に使用するシステム、設備等への投資であること
※ すべての条件を満たす必要があります。判断に迷うときは実施機関の窓口にご確認ください。
対象・実施機関
- 対象
- 横浜市中央卸売市場本場の青果部仲卸業者・水産物部仲卸業者、または一般社団法人横浜南部市場管理協会の正会員で南部青果棟・南部水産棟の店舗を賃借して業務を営む事業者のうち、中小企業者にあたる方。これらの事業者で構成され、組合員の4分の3以上が該当する協同組合も対象です。
- 対象地域
- 神奈川県横浜市
- 実施機関
- 横浜市 経済局中央卸売市場本場経営支援課
申請前に知っておきたい注意点
- エントリーシートは1事業者につき1件までしか提出できません
- 補助対象となる契約は、原則として市内事業者との締結が必要です
- 対象になるのは令和8年4月1日以降に締結した契約に基づく経費で、原則として令和9年2月末日までに完了するものです
- 契約ごとの補助対象経費が100万円以上1,000万円未満の場合は、2者以上の見積書が必要です
- 契約ごとの補助対象経費が1,000万円以上の場合は、3者以上の見積書、または5者以上の指名競争入札書が必要です
- 他の補助金等に申請している経費、または交付決定を受けた経費は対象外です
- 申請額の総額が横浜市の予算額を超えた場合、按分により補助金額が減額されることがあります
- 補助金額の1,000円未満は切り捨てになります
- 導入後に継続的・反復的に発生する利用料、保守料、運用経費、クラウドサービス使用料、リース料は対象外です
- 消費税および地方消費税、振込手数料、保険料、修理・修繕費、販売目的で取得した商品も対象外です
- 補助対象経費と補助対象外経費が明確に区分できない費用は対象になりません
申請の手順
エントリーシートを出す
様式1のエントリーシートを作成し、経済局中央卸売市場本場経営支援課宛にメールまたは紙で提出します。
内容確認書を受け取る
横浜市がエントリーシートの内容を確認し、エントリー内容確認書(様式1-1)を交付します。
交付申請をする
確認書の交付を受けた日から30日以内に、交付申請書(様式2)と必要書類を提出します。
審査・交付決定
横浜市が申請書と必要書類を審査し、交付決定通知書(様式2-5)を交付します。
事業を実施する
システムや設備を導入し、補助対象事業を実施・完了します。
実績報告を出す
指定期限までに実績報告書(様式6)と必要書類を提出します。
交付額の確定
横浜市が実績報告書等を審査し、交付額確定通知書(様式6-3)を交付します。
請求して受け取る
交付額確定通知書を受け取ったあと、指定期限までに請求書(様式7)を提出すると補助金が交付されます。
スケジュール
- エントリー期限令和8年9月8日(火曜日)午後5時 必着
- 交付申請の期限エントリー内容確認書の交付を受けた日から30日以内
- 対象になる契約令和8年4月1日以降に締結したもの
- 事業の実施・完了原則として令和9年2月末日まで
- 公式ページの最終更新2026年8月7日
※ 日程は変更されることがあります。最新の締切は公式サイトでご確認ください。
申請前に準備するもの
- 【様式1】エントリーシート
- 【様式2】交付申請書
- 【様式2-1】事業計画書
- 【様式2-2】事業費予算書
- 【様式2-3】誓約書
- 【様式2-4】暴力団経営支配法人等でないことの誓約書兼照会の同意書
- 見積書(契約ごとの補助対象経費が100万円以上1,000万円未満は2者以上、1,000万円以上は3者以上の見積書または5者以上の指名競争入札書)
- 【様式6】実績報告書、【様式6-1】事業成果報告書、【様式6-2】事業収支報告書(事業完了後)
- 【様式7】請求書(交付額確定後)
申請の前に、読んでおきたいこと
制度の中身とは別に、補助金そのものの仕組みで引っかかりやすいところがあります。
何を入れるか、実物で考える
対象になる経費が分かっても、入れるものが決まらないと申請書は書けません。MONOSASHI が作った業務システムを、触れる形で置いています。